2013.04.21 電王戦の感想
今日は本来ならNHK杯の記事を書くところですが、昨日は特別な日だったので、
昨日までの電王戦の感想を書くことにします

1局目、▲阿部光瑠四段vs習甦 113手で阿部光瑠の勝ち 
 角換わり相腰掛け銀
 光瑠が習甦のプログラムの欠陥をついての勝ちで、光瑠が事前の研究の結果を出した
 地力のぶつかり合いにならなかったのは残念ではあったが、光瑠はよくやったと思った 

2局目 ▲ポナンザvs△佐藤慎一四段 141手でポナンザの勝ち
 相居飛車の力戦 
 これは地力のぶつかり合いになった 慎一にも優位に立つ目があったが、ポナンザが力勝ち
 もっと上位のプロ棋士なら勝てたかも、とは思わせる内容ではあった 

3局目 ▲船江五段vsツツカナ 184手でツツカナの勝ち 
 4手目△7四歩からの相居飛車力戦 
 大熱戦になった 船江は会心の指し回しで長い中盤を乗り切り、優位に立つ
 カナ駒を一枚丸得して明らかに有利 しかし互いに大駒を自陣に引きつけ、さあまた一局となってから、
 船江が時間切迫、ツツカナが追い上げ、ついに逆転負け 
 これは結果は残念だったが、好局でとても面白かった

4局目 ▲プエラαvs△塚田九段 230手で引き分け
 相矢倉 
 塚田の矢倉が早々に見事に崩される 塚田は普通に勝つのをあきらめ、入玉に活路を求めた
 塚田は駒数で圧倒的に足りなくなったが、プエラαが入玉してこなければ、
 塚田はまだ勝ちも狙っていたようなコメントをしていた 
 しかしプエラαは入玉を決めて、プエラαの勝ちが決まった・・・ように見えたのだが、
 そこからの駒の点数を計算する技術がうまくプログラムされておらず、
 塚田がどうにか引き分けに持ち込んだという一局だった 見ていて正直、疲れ果てた
    
5局目 ▲三浦八段vs△GPS将棋 102手でGPS将棋の勝ち
 相矢倉脇システム
 GPSが角損の攻めを敢行 GPSが寄せ切るか、三浦が逃げ切るかという勝負
 GPSは細い攻めをつなげ、見事に三浦玉を捕まえた 
 三浦は局後に「どこが悪かったかわからない」と何回も言っていた 
 盤面左側だけの勝負で、人間としては考える範囲が狭く考えやすかったと思えたのだが、
 GPSの先読みの深さ、角損でも攻めがつながるという大局観の正しさに負けたという内容で、
 三浦の完敗だった 
 コンピュータが不得意のはずの、駒損の攻め(それも角の丸損)をしっかりやって、
 A級棋士を上回ったということがショックだった


A級棋士が負けた、ということで、連盟の失ったものは大きいと感じています
プロ棋士はお金では買えないものを失ったと思いますね 社会的ステータス、地位です
今まではプロ棋士と言えば「将棋で最強の集団」という格付けでしたが、
これからは「コンピュータには及ばない」というのが冠に付くことになってしまいましたからね 
「神の一手を指し、究極の棋譜を作り出す」というプロ棋士の仕事も、
これからはコンピュータが引き継ぐことになりましたからね
プロ棋士は、これからは、あくまで「人間の」最強を決めるタイトル戦、トーナメント戦を
行うことになりますね
第3回電王戦があったとして、羽生や渡辺が負けるところは、見たくない・・・
いつかこういう日が来ることはわかっていましたが、やはりショックです それが私の正直な感想です