堀口弘治 七段vs永瀬拓矢 五段 NHK杯 1回戦
解説 中村修 九段

電王戦が終わり、いつもどおりのNHK杯だ 果たして私は、今までどおりNHK杯を楽しめるのだろうか?
堀口弘治と永瀬、52歳のおじさんvs20歳の若者の一戦 おじさん、がんばれ~(^^;

堀口は1982年四段、竜王戦5組、順位戦フリークラス 予選で遠山、真田、田中悠一に勝ち
NHK杯は5回目の本戦
永瀬は2009年四段、竜王戦4組、順位戦C2 新人王戦優勝により、予選免除 
NHK杯は3回目の本戦

解説の中村修「堀口は普段から和服が多い、今日は外が台風でも和服で来るつもりだったとのこと
 永瀬は去年度、2つの棋戦で優勝した(新人王戦と加古川青流戦)が、
 それでも成績に全く納得していないようだ」

事前のインタビュー
堀口「永瀬は若手だが実力者で手ごわい相手 永瀬は戦型は何でも指せるので、対応していきたい
 ひさしぶりにNHK杯に出られたので、一番一番大事に、自分の力を信じてがんばっていきたい」

永瀬「堀口は本格的な将棋というイメージ、相居飛車の本格的な将棋を教わりたい
 NHK杯は3回戦に1度も進出したことがないので、今期は3回戦進出を目標にがんばりたい」

先手堀口で、角換わりの相腰掛け銀になった 永瀬、めっちゃ手が早い 
何をそんなに急いでいるの、と言いたくなるくらいに早い(^^;
中村修「永瀬は3秒以上考えてない(笑)」
最近の若手プロは序盤は手が早いというが、永瀬はその典型だ

雑談になり、中村修「堀口はサイボーグというニックネームがあった 難しい詰将棋の問題集を
 一日で解いたり、英語を独学でマスターしたり、変わったところでは餃子を何人前食べたらタダと
 いうのを達成したり、集中力がすごい 理事を長く務めた 
 教えるのがうまく、体育館に子供を100人集めて教える、というのができる人
 永瀬はトップ棋士への王道を歩んでいる 森内や羽生もデビューの頃は受け将棋という
 イメージがあった 若手の中では、関東のエースとも言える存在で、これからが非常に楽しみ」

さて、堀口が穴熊に潜ろうとしたところ、永瀬が積極的に仕掛けた
堀口の右桂の頭を攻めてきた 相手の攻め駒を攻めようという永瀬の構想だ
堀口、桂馬の下に歩を打ってガマンとは! う~ん、自陣に歩を打つようじゃあ苦しいのでは?
押しているムードの永瀬、次の手は? と思って見ていると、なんと、永瀬も自陣に歩! うわあ~
中村修「あっ これはまたすごい手ですね 将来的に攻められる手を消した、先受けですね
 いかにも永瀬らしい感じ」

そして、永瀬、相手陣に角を打って、もたれ指し?に出た
中村修「角~ 角か~ 不思議な感じの角」
中村修が何回も「不思議」を連呼していたところ、数手後にこの角の真意が判明した
永瀬の狙い、それはなんと1筋の端を自分から攻め、1九の香を取りにいく狙いだったのだ! うわあ~
中村修「意表を突くところから攻めてきました」
永瀬、駒得して、全駒狙いか! 自陣に歩を打って相手からの攻めを消しておき、
角を投資して悠々と端っこの香を取りに行く、これが永瀬流の受け将棋! 
ひええ~、受け将棋ならではの発想、個性があっていいね!

堀口、考慮時間が早くもなくなり、▲0回vs△8回になった き、厳しい 
堀口は穴熊に潜って固め、攻め駒をさばいて、なんとか手を作ろうとしている
がんばれ~ このままでは穴熊の姿焼きだ 

永瀬が取った香を活用し、堀口の駒をボロッと取っていく 
しかし堀口も飛車を成りこんだ、まだわかんないか 堀口が、なんとか一矢報いるかどうか
そして堀口に、穴熊の金を剥がされるのを手抜きでの攻めが、出た!どうだ?
中村修「勝負手きましたよ! 楽しいな~」

駒がたくさん当たり、大立ち回りになったが、永瀬は全く動じていなかった 
馬のラインを巧みに利かせ、堀口の虎の子の竜をもぎ取ってしまった
一連の手順に、永瀬からは「もう間違えません」と言わんばかりの自信が感じられる 
余していた時間を有効につぎ込んでいっている 時間配分も、実にうまい
堀口の攻めを完全に見切って、堀口の追い込みを許さない永瀬、これは強い・・・!
矢内も思わず「(この受け方は)真似できないですね」
中村修「堀口の穴熊は固かったんですけど、3枚はがされちゃっては、持たないですね」

106手、永瀬の完勝に終わった
中村修「永瀬の強いところが出た将棋 仕掛けから終始、永瀬ペースという感じだった」

感想戦では、堀口のほうにも対処の仕方が色々あった、とのことだった
本譜は永瀬の実力がいかんなく発揮された 堀口とは明らかに力に差があったなあ 
さすが新人王、強い! これくらいでなきゃ、将来有望とは言えないよね
堀口のほうは、おじさんパワーは発揮されず、だったが、永瀬が強かったもんだから、もう仕方がない
若手相手に、最新形の局面を作ってしまったのも問題だったかもしれない 

永瀬流の受けを主体とした手がたくさん見れて、楽しかった
自陣に先受けの歩打ち、角の持たれ打ち、1筋の端攻めから香取りを間に合わせようとする発想、
受けの馬の使い方、堀口の勝負手への対処、どれも見事だった 

電王戦でプロが負け越してしまい、私はNHK杯を今までどおり楽しめるだろうか?と思って、
かなり不安だったのだが、この一局を見た限りでは、大丈夫なようだ ほっとしている(^^;

さて、来週だが、28日、29日と岡崎将棋祭りがあるのだ 
その関係で、来週はNHK杯の更新が遅れます ご了承ください 
来週の日曜には、岡崎将棋祭りの記事を書く予定です