午前のトークショーと渡辺の大盤解説が終わり、いよいよ午後のメインイベント、公開対局となった
スケジュールは、門倉四段vs室田女流、矢内女流vs藤田女流、そして森内名人vs渡辺竜王の3局だ 
能楽堂は300人のお客で満席だ

岡崎市長がまず挨拶、「徳島や兵庫から来てくれている人もいる云々~」 ひえー、遠いねえ
続いてプロ棋士たちが登場 壇上に勢ぞろい、矢内「みなさま、存分に写真をお撮りください(笑)」
石田九段が挨拶、「10数年前に羽生vs郷田がここであったとき、土砂降りの雨の中で、観客はカッパを着てずぶぬれになって見ていた そういうことがあったので、観客席に屋根がついたんです しかしそれから1度も雨には降られていない(笑)」 

さて、振り駒で門倉が先手になった 棋譜を貼っておきます 
門倉四段の角交換四間飛車を、室田女流が相振りで受けて立つ戦型になりました
持ち時間はなく、初手から1手20秒です

開始日時:2013/04/29
棋戦:岡崎将棋祭り
先手:門倉四段
後手:室田女流

▲7六歩 △3四歩 ▲6八飛 △3五歩 ▲2二角成 △同 銀
▲8八銀 △2四歩 ▲7七銀 △2五歩 ▲3八金 △4二飛
▲8六歩 △6二玉 ▲8五歩 △7二玉 ▲8八飛 △8二銀
▲4九玉 △3三銀 ▲6六銀 △5二金左 ▲7七桂 △6二金上
▲2三角 △4四歩 ▲5六角成 △4五角 ▲4八銀 △5六角
▲同 歩 △2二飛 ▲7五銀 △2六歩 ▲同 歩 △同 飛
▲2七歩 △2四飛 ▲6五角 △4五角 ▲8四歩 △同 歩
▲同 銀 △6一玉 ▲8三銀成 △6四歩 ▲3二角成 △4二金
▲3一馬 △2七角成 ▲同 金 △同飛成 ▲1六角 △同 龍
▲同 歩 △2七角 ▲5八玉 △8三銀 ▲同飛成 △7二角成
▲8八龍 △5二玉 ▲2一馬 △7四歩 ▲1一馬 △7五歩
▲7四桂 △6一金 ▲2一飛 △3二銀 ▲6一飛成 △同 馬
▲8一龍 △9四馬 ▲5五桂
まで75手で先手の勝ち

男子プロと女子プロが平手で指すのはめずらしいと思うので、棋譜を貼りました
ごらんのとおり、門倉四段のボロ勝ちでした 室田女流は、単純棒銀を食らってしまうわ、王手竜取りの手順に突っ込んでいってしまうわで(^^; 

でも、後手はどうやれば単純棒銀をうまく受けれたのか、私にはわかりませんね
室田さんは、王手竜取りの順に突っ込む手(△2七角成)を指すとき、秒を9まで読まれて9秒を読まれても指せず、着手は20秒を超えてしまっていましたが、記録係が気を使って「9」で読み上げを止めていました(笑)

イベントの対局のカードを組む関係者の方がおられたら、参考にしてもらいたい棋譜ですね
男子プロと女子プロが平手で真っ向から対局すると、こうなってしまう、とね(^^;

局後のコメント
解説の石田「王手竜取りを食らっちゃいけないですね こういう将棋は手損というのは関係ないんですかね?」
聞き手の森内「最初は室田さんが良かったと思うんですけどね」
門倉「(売り出し中の本の)角交換四間飛車を指せたのは良かったです 先手の手損、手損と(解説で石田先生に)言われて、破門とか言われて(笑)、もう8三の地点を狙う攻めしか見てなかったです 勝てて良かったです 破門はセーフですか」
室田「王手竜取りを見落としていました でも途中までは、解説で褒められてうれしかったです もうちょっとましな対局にできたら良かったなと思いました」


次の対局は▲矢内女流vs△藤田女流のNHK杯の聞き手vs記録という対決
・・・ですが、この一局は別に普通の一局だったので、棋譜は省略させていただきます
矢内の▲5七銀左急戦vs藤田の△ノーマル三間飛車+高美濃という戦型で、
矢内が攻めを続けて、攻め勝ってました
▲5五歩△同歩▲同角の仕掛けに、また▲8八角と引く将棋でした

局後のコメント
矢内「普段は対三間には居飛車穴熊なんですけど、(解説者の発言に)プレッシャーを感じまして(笑) 全体的には勢いよく指せたと思います」
藤田「受ける展開になって、攻められなかったのが悔しいです」
解説者の中田章道さんが、序盤で「穴熊は手数が長くなるので~」と言ったのに矢内が反応し、急戦を選んだということでした

さて、メインイベント! 森内名人vs渡辺竜王です これがすごい大熱戦になりました
持ち時間は15分、切れたら1手30秒 振り駒で先手が森内名人、戦型は相掛かりでした

開始日時:2013/04/29
棋戦:岡崎将棋祭り
先手:森内名人
後手:渡辺竜王

▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩 ▲2八飛 △9四歩
▲9六歩 △3四歩 ▲3八銀 △7二銀 ▲2七銀 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △8五飛 ▲6八銀 △8三銀
▲3六銀 △7四銀 ▲7六歩 △8八角成 ▲同 金 △3三桂
▲7七桂 △8二飛 ▲6六歩 △6四歩 ▲4六歩 △4二玉
▲4七銀 △2二銀 ▲5六銀 △6三銀 ▲4五歩 △5四銀
▲7八金 △5二金 ▲4八飛 △3一玉 ▲6七銀上 △2四歩
▲6八玉 △2三銀 ▲3六歩 △1四歩 ▲1六歩 △7四歩
▲5八金 △6三金 ▲3七桂 △7三桂 ▲2八飛 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △8二飛 ▲4七金 △8四飛
▲5八玉 △8二飛 ▲2九飛 △8五桂 ▲同 桂 △同 飛
▲3五歩 △同 歩 ▲3四歩 △同 銀 ▲4六桂 △2三銀
▲5四桂 △同 金 ▲6三角 △5五桂 ▲同 銀 △同 金
▲7四角成 △8一飛 ▲3四歩 △同 銀 ▲2四飛 △2三銀打
▲2八飛 △3六桂 ▲1八飛 △2九角 ▲6八玉 △6五歩
▲6三馬 △6一飛 ▲5二馬 △6六歩 ▲5八銀 △6五飛
▲2四歩 △同 銀 ▲7七玉 △6七歩成 ▲同 金 △6六歩
▲6八金 △7五歩 ▲7四銀 △6七歩成 ▲同 金 △4七角成
▲同 銀 △7六歩 ▲同 金 △6九飛成 ▲8六玉 △6六金
▲5三馬 △4二金打 ▲7五馬 △7六金 ▲同 玉 △6四金
▲同 馬 △同 龍 ▲6五金 △7五歩 ▲7七玉 △6一龍
▲6二歩 △7一龍 ▲6六玉 △2九角 ▲5六銀 △1八角成
▲同 香 △7六飛 ▲5五玉 △5四歩 ▲同 玉 △5一龍
▲6三玉 △5二金 ▲7三玉 △6二金 ▲8四玉 △7二金
▲6四角 △2二玉 ▲8二金 △6三歩 ▲7三角成 △同 金
▲同銀成 △9三角 ▲7四玉 △5六飛 ▲同 歩 △8四銀
▲8三金 △7三銀 ▲同 金 △8二銀 ▲8五桂 △7三銀
▲同桂成 △8一龍 ▲7二金 △8四龍 ▲6三玉 △5一歩
▲5三銀 △4二金打 ▲6二銀打
まで177手で先手の勝ち

いや~、すごい将棋になりました
解説は、序盤が谷川と矢内、中盤以降が石田と勝又でした
箇条書きで解説でどんなことを言っていたのか、書いておきます

谷川「(対局開始前、どちらを王将にするかで)森内が渡辺に、どうぞと王将を譲った」
谷川「振り駒のとき、今は布をしいた上に駒を投げてましたが、普段の将棋会館のときにはいいかげんで、布をしかずに畳の上に放り投げちゃうんです」
矢内「名人戦で2局続けて相掛かりでしたね 流行るんですかね」
谷川「相掛かりはあまり定跡がなく、自由に指せる」
矢内「▲2八飛~▲3六銀が今の主流ですね」
(渡辺が飛車を8五に引き)
谷川「飛車が5段目か4段目かは難しい」
(渡辺の△8三銀を見て)
谷川「これはもう前例がないですかね?」
矢内「竜王が温めていた構想なんでしょうか」
(駒組みが先手飽和状態になり)
谷川「後手は銀冠への進展が見込める、先手玉は固くならない」
(千日手含みになり)
谷川「角交換の将棋は千日手になりやすいですね 席上対局なので、先手は打開しないといけない」
(渡辺が打開し)
谷川「解説でプレッシャーをかけたのが効きましたね(笑)」

戦いが起こったところで、解説、勝又と石田にチェンジ
勝又「ガチンコの戦型ですねえ」
勝又「石田先生、名人戦の立会いは行くんですか?」
石田「5局目に行きます 5局目があるかどうかはわかりませんが」
ここから、延々と戦いが続くことになった! 以下、解説の雰囲気です

渡辺が寄せきるかと思いきや、玉を上部へ逃げ出した森内玉
石田「強い!」
勝又「けっこう先手玉、耐久力ありますねえ」
石田「強い! さっきのまでの2局とはエライ違いだ」
勝又「先生、厳しいことを(^^;」
石田「んー、一手違い 一手違い」
石田「いい手やっとりますね やっぱりね キワドイ」
石田「長いな」
勝又「名人の玉、生命力が強いですね」
石田「強い!」
勝又「石田先生、強いしか言ってない(^^;」

中段に逃げた森内玉、またヨリが戻って、渡辺の攻めがやりなおしになった
石田「長い」
勝又「みなさん、もうちょっと将棋を楽しみましょう(笑) これだけ戦って、駒の損得ないんですよね」
石田「激戦で優劣不明 (この内容は)公開対局じゃないよ これは一千万円くらい賭けた懸賞戦!」 
石田「長すぎる! 帰れなくなっちゃうね」
勝又「先生、『長い』は禁止ワードで(^^;」

逃げ続ける森内玉、寄せきりたい渡辺
勝又「怖いですね~ これ、逃げ切れるかどうか」
石田「ポッキリ折れないところが、さすがであります しぶとい」
石田「しぶとい、長い 最後を締めるつもりで(解説に)出てきたんだけどなあ」
石田「ぐるぐるいって、森内玉がまだ中段に戻っちゃった しぶとい」
勝又「何が起きているのか」
石田「寄るのかな、これ? しぶとい」

165手目、あまりの熱戦に、ついに観客たち全員から大きな拍手が起こる!
将棋の対局中に拍手、超異例! すげえ!
勝又「名人の受け、渡辺の攻め、盾と矛、特徴がよく出てますね」
勝又「名人はもう80手以上、受け続けていますね」
そして、ついに森内玉が捕まらなくなった
石田「いやー、しぶとい こりゃ、捕まんねえや」

177手目、ついに森内玉の入玉が確定したところで、渡辺が投了した
観客からの大きな拍手が長く続いた いや~、これ、2人とも本気も本気だったなあ すごい(^^;

局後のコメント
石田「王手の数では、渡辺竜王の判定勝ちでございます」
お客(笑)
渡辺「名人の王様、強すぎて寄らなかったですねー」
森内「明快な寄せの手がなくて、ツイてました」

石田「来年もひとつ、岡崎将棋祭りをよろしくお願いします」
観客から、また拍手 そして閉会となった

森内名人も渡辺竜王も、お好み対局なんだから、ここまで力を入れなくても、とこっちが思ってしまうくらいの熱の入れようでした
対局途中で観客みんなから拍手が起こる、なんていうのは、めったに見れるもんじゃないですね 
渡辺がもうこれで自分の勝ち目がない、という手を指した瞬間、「ああー」という顔をしていたのが印象的でした いや~将棋って大変なゲームですね(^^;
将棋を充分堪能しました 私は、しばらくもう将棋はいいです

と言っておいて、私はまた2、3日後には将棋を見たくなってるのでしょう(笑)
関係者のみなさま、お疲れ様でした 2日間にわたって、楽しい時間をありがとうございました!