大石直嗣 六段vs浦野真彦 八段 NHK杯 1回戦
解説 中田功 七段

矢内、今週も美しい~ いいね~ 今日は大石と浦野、新鋭とベテランか 面白くなればいいがどうか
解説はコーヤンか かなり、やせてるな(^^; 

大石は2009年四段、竜王戦5組、C2 総合成績優秀により予選免除 本戦は3回目の出場
浦野は1983年四段、竜王戦5組、C1 予選で伊藤博文、田中魁秀、神崎に勝ち 9回目の本戦出場

解説のコーヤン「大石は居飛車の本格派 後手では中飛車も指す
 浦野は色々な戦型を指す ゆっくりした流れで終盤で勝負するイメージがある」

事前のインタビュー
大石「浦野は詰将棋作家として知られ、寄せの終盤力と固い玉形を好みにされている印象
 NHK杯は1度も勝ったことがないが、初戦突破を目標に楽しんで指したい」

浦野「大石はマイペースで着実に強くなっている 関西会館にいつも居る
 優勝したいとかいうのは一切ない、ただ今日いい将棋を指したい、それだけ」

先手大石で相居飛車、後手の浦野が角道を止め、無理やり矢倉模様にした
粛々と駒組みが続く、長い序盤戦となった 

雑談で、詰将棋の話になった 矢内「プロの人たちは、何手詰くらいに取り組んでいるんですかね?」
コーヤン「私は奨励会のときは、15手詰前後をやっていました 実戦形とか」
矢内「『詰むや詰まざるや』という有名な本がありますよね 一番長いので600何手詰」
ろ、ろっぴゃく手!! ぐええー(笑)
コーヤン「私は一問目から挫折しました 最後はどうなっているんだろうと、
 すぐ最後のページをめくった(笑) 向き、不向きがあると思います」
矢内「んふふふ(笑)」
あー、プロでも「詰むや詰まざるや」は、解かない人もいるんだね なんか安心した(^^; 

大石は全くノーマルな矢倉、浦野は金銀4枚の総矢倉で固いが、1筋を突いてしまったため、
端攻めされるのが心配だが・・・
コーヤン「大石にだけ攻撃態勢を作られて、潰されちゃうかもしれないから、
 浦野のほうから動いていくかも」
その言葉どおり、浦野は右銀を盛り上げ、4筋を圧迫しにいった 
大石の攻撃陣を押さえ込むことができるか? しかし、大石のほう、攻めの理想形だ 
攻めを完全に防ぐというのは無理そうだ
そして案の定、端攻めを防ぐことはできず、浦野は1筋を詰められてしまった 
△1二歩と一方的に受けさせられ、浦野、苦戦だ
コーヤン「大石としては大戦果」

その後も大石の好調な攻めが続く 浦野、考慮時間もほとんどなくなり、苦しい展開だ
大石は右桂も手順に攻めに参加、全軍躍動だ なんかもう浦野、このまま潰されそう・・・
コーヤン「浦野にとって厳しい局面じゃないですかね」
浦野、このまま何もできずに負けてしまうのか? これではあまりにも寂しい、と思われたそのとき、
浦野に攻防の角打ち(△4六角)が出た! おお、これは見るからに良さそうな角、
やっと浦野に魅せる手が出た! これでまだがんばれるか?

しかし、大石は3筋、4筋を歩でどんどん攻めてくる 
浦野の金銀は、歩で拠点を作られながら、次々と退却を余儀なくされた
あらー、やっぱ、攻めが止まらないか 浦野のほうだけ終盤になってる感じがする
ただ、浦野のさっきの角打ちが受けに効いているし、大石の攻めは飛車が参加していない 
コーヤン「浦野も駒得していければ、まだがんばれる 先ほどより形勢は接近しているんじゃないか」
うん、一時はもうボロボロになるかと思われたけど、
大石の攻めが続くかどうか、まだ私にはわかんない 

大石、攻め駒が不足ぎみ、どうやって攻めをつなぐかというとき、うまそうな歩の垂らしが出た
あー、こうやって攻め駒を増やすのかあ 浦野は△4二歩と受けたいところだけど、
△4七歩と前に打っちゃってるから、△4二歩が二歩で打てないんだね
コーヤン「こういう歩の使い方がうまいんですね」
矢内「と金の種をまいておいて」
・・・と言っていたときだった、浦野、秒を読まれて、なんと歩を手に持ったではないか
おいおい、△4二歩は二歩だぞ~!! 秒読み係が9を読んだとき、浦野、超ギリギリで歩を手放し、
他の手を着手! ひえ~、二歩寸前(笑) 矢内「今、危なかったですね~!」 ここは笑えた

大石に歩で攻められ、もう受けが効かないと見た浦野、攻め合いに活路を求めた
しかし、大石の攻めがツボに入ってきたようだ
コーヤン「大石の攻めは、守りの金を狙う、確実な手ですね」
大石の寄せは素早かった 最短と思われる寄せで、スパッと鮮やかに決めた
浦野の攻め合いは、全く間に合わずだった 投了図はけっこう差がつき、113手、大石の快勝だった
浦野は駒台にいっぱい駒を持っていたが、使うヒマが全くなかった

コーヤン「大石の矢倉崩しのお手本のような指し方だった 銀、桂、香が攻めに参加した」
矢内「大石の見事な指し回しが光りましたね」  
バリバリの若手が勢いよく攻め、ベテランを一蹴した、という一局だった

結果論だが、浦野の無理やり矢倉という作戦がどうだったのか、というところまでさかのぼるなあ
作戦としてやっぱり消極的なんだよね それが端攻めされて△1二歩と打たされるという、
苦しい展開を呼び込んでしまっていた 戦場が自玉方面になり、相手に歩で攻められてしまううちに、 
自玉だけが薄くなって、そのうち寄せられてしまう、という矢倉の典型的な負けパターンだった

プロの人には、無理やり矢倉なんかじゃなく、もっと元気のいい作戦を見せてもらいたい!
まあ、矢倉が得意中の得意というなら無理やり矢倉もありかもしれないけど、浦野さんはせっかく
「色々指す棋風」ということだったからね  
今週の一局は「おおっ」という手があまりなく、物足りなかった

さて、来週は山崎vs佐藤天彦という好カード、これは期待大! 今から楽しみだ