谷川浩司 九段vs西川和宏 四段 NHK杯 2回戦
解説 久保利明 九段

今日はタニーの登場か 正直、ここ何年も、NHK杯でタニーが勝ってるところを見たことがない(^^;
相手は若手四段の西川だ ぜひ、今日はタニーに快勝してもらいたい!

タニーは1976年四段、竜王戦2組、A級 1回戦シード NHK杯は34回目の本戦出場
西川は2008年四段、竜王戦5組、C2 1回戦で上田女流に勝ち NHK杯は2回目の本戦出場

解説の久保「タニーは連盟の会長ということで、色々と大変なところだが、
 対局者としてもがんばってよく勝っている印象 
 西川は若手だが自分の対局だけでなく、普及のほうも力を入れてがんばっている」

事前のインタビュー
タニー「西川慶二七段とは小学生の頃から40年近く付き合いがある、その息子さんの西川四段と
 対局をするのは感慨深い 西川は振り飛車党なので、対抗形になると思う
 ここのところ、NHK杯戦はずっと初戦負けが続いているので、何とか一局一局、上へ進んで行きたい」

西川「谷川先生と言えば、鋭い攻めで光速の寄せがあるので、それを出させないように
 じっくり優勢を築いていきたい ずっとあこがれていた先生との対局なので、
 緊張しないで全力を出し切って、悔いの残らないようにしたい」

先手タニーで対局開始 さあ~、タニー、頼むで~ 若手をいてこませ、タニー!
タニーは居飛車で、西川は中飛車だった
久保「昔からある、角道を止めた中飛車ですね」

タニーは持久戦を選び、穴熊に潜り、万全を期す構え 西川は美濃だ 
久保「西川は居飛穴は、そこまで苦にしてるタイプじゃない よく組ませて戦っているのを見る」

長い駒組み合戦が続く タニーは4枚の銀冠穴熊に組むことに成功した
ここまで組ませてくれる振り飛車党はめずらしい 西川は長考し、時間を減らしていく 
西川、まだ序盤でこんなに時間を使ってしまって、時間の面でも大丈夫なのか 

矢内「お互いに不満のない進行ですね」
久保「そうですね タニーのほうがどう仕掛けるか 居飛車側から攻めるとしたら飛、角だけってことに
 なりますけど、それでも充分、釣り合いは取れるということですね」

西川が銀冠に組み上げる瞬間にタニーが動き、西川はまた長考だ
なんと考慮時間、残りが▲7回vs△0回! 西川、もうここで使い果たした!
そしてタニーの▲8五歩を、西川は△同桂と取る手を余儀なくされ、西川の桂が死んだではないか
久保「桂損、大きそうですけどね」
矢内「西川としては踏ん張りどころですね」

タニーはその桂を使って歩切れを解消、これはどう見てもタニー良し! 
ここから居飛穴が負けるってことはないだろう 堅い、攻めれる、切れない、駒得だもんね 
西川の敗因は、相穴熊にしなかったことか・・・
が、西川、銀損の特攻で、十字飛車の筋で攻めてきた あら、この攻めをタニーはどう受けるか?
久保「うまい切り返しのような気がします けっこう厳しいですよ 受けづらいですよ」

手が進み、タニーは金を見捨て、攻め合いに持っていった あら、駒の損得がなくなっちゃった
でも、これでまだタニーがいいか? なにせ穴熊だもん、まだタニーがいいよね?
久保「ここ十数手で西川もかなり盛り返してきてますので」
そして、残り時間が▲0回vs△0回に! うわ、タニーも30秒将棋になっちゃった 
こりゃ、まだ何が起きるか、わからんか?

激しい終盤になっている お互いに術を駆使しての一進一退のやりとりだ
久保「ギリギリの、かなりすごい勝負になりましたね」
ええー、タニーが良かったんではないのか 桂の丸得で手を選ぶ権利があったあの局面から、
難しくなっちゃったってか でも、こういう展開は、最後は穴熊が勝ちやすいはずだ!

久保の予想手が、度々はずれる複雑な終盤戦だ  
久保「そうとう難しいですね これは」
こういう展開のとき、美濃のほうが手が広くて間違えやすいかと思うのだが、西川は食らいついてくる
もうずいぶん前から30秒将棋の西川、実によくがんばってる タニーも負けるな!
これはもう実力の出し合い、底力が強いほうが勝つ、ねじり合いの展開!

久保「ちょっとタニーが残していそう 詰めろ詰めろといけば穴熊の勝ち 
 こういう局面を作れるのが穴熊の強み」
おお、タニー、やったのか 最後は穴熊がやはり勝つ・・・?

西川玉に迫るタニー 先手の銀3枚で後手の玉を囲む、というめずらしい図が発生した 大熱戦の証だ  
久保が「西川としては何か詰めろを受けるところ」と言っていると、西川は角を打って受けた
久保「銀で受けるかと思いましたが」 が、これが局面が進んで見ると、先を見越した見事な受けだった
これには久保も矢内も「なるほど」と感心、うわ、西川、つ、強い
ま、まさか、タニーの攻めが切れてしまった!?

久保「一瞬の逆転劇でしたね また形勢が入れ替わってる気がします」
う、うそー もうここでの形勢の悪化は致命傷 
まさか、タニー、銀冠穴熊まで組んで、桂得した将棋で負けるのか? 
そして、タニーが指した手は形作りだった・・・
タニー「あ 負けました」 

124手で西川の勝ち 大熱戦だった た、タニー、負けた・・・orz
局後すぐ、タニーは「ちょっと良くなりすぎたか」とつぶやいていた
矢内「2転3転した感じでしたね~」
久保「序盤はタニーのほうがかなりポイントを上げていたと思ったんですけど、
 それから西川の追い上げがすさまじくて、終盤は調べてみないとわからない、すごい熱戦でした」

はぁ~、西川、つえーーー!! ほんと、なんと強いことか これで竜王戦5組、C2の棋士?
中盤以降、延々30秒将棋で、これといった悪手なく、4枚銀冠穴熊を攻略してしまう、つ、強い・・・
タニーというオーラを放つ大棋士を相手に、臆することなく力を出した西川、精神力は並みではない!

いやー、将棋の内容としてはすごく面白かったし、西川の強いところが見れて、普通なら満足だけど、
負けたのがよりによってタニー あああー なんで負けちゃうかなー ガクッ
ガチガチの4枚の銀冠穴熊が負けるところなんて、めったに見れないものなんだけど、よりによって(^^; 
力の入った大熱戦だった ランクは低くても、若手、恐るべしということか  あー、タニー・・・

連盟のページで、タニーの近年のNHK杯の成績について調べてみた
(資料があったのは1999年以降 タニーは全て2回戦からの登場)
1999 ベスト8 2000 3回戦負け 2001 ベスト8 2002 ベスト4 2003 ベスト4
2004 ベスト8 2005 ベスト8 2006 3回戦で佐藤康光に負け 2007 2回戦で松尾に負け
2008 3回戦で渡辺に負け 2009 2回戦で糸谷に負け 2010 2回戦で豊島に負け
2011 2回戦で畠山鎮に負け 2012 2回戦で鈴木大介に負け 2013 2回戦で西川和宏に負け
5年連続で初戦敗退となってしまったタニー、来期こそ勝利してほしい!