羽生善治 三冠vs木村一基 八段 NHK杯 2回戦
解説 佐藤康光 九段

矢内、スカーフがかわいい 今日は羽生の登場! ワクワクするな~
先日の王座戦では、中村太地を相手に王座を防衛して、また若者いじめをした羽生(笑)
相手は木村か 2回戦としては手ごろな相手か 羽生、コケるなよ~
私はこのブログを書き始めた当初は、アンチ羽生で常に羽生の相手側に肩入れしてNHK杯を
見ていたのだけど、羽生のあまりの強さに惚れて、今では逆に、羽生を完全に応援している(^^;
タイトル戦と違って、1回負けたら終わりのNHK杯で羽生がすぐ負けるのはイヤだと思うようになった

羽生は1985年四段、竜王戦1組、A級 王位、王座、棋聖を保持 28回目の本戦出場
木村は1997年四段、竜王戦2組、B1 1回戦で北浜に勝ち 15回目の本戦出場

解説の康光「羽生はNHK杯を4連覇達成し、前期は惜しくも決勝で破れて、
 新しい気持ちで臨まれていると思う 
 棋風に関しては私が今さら説明するまでもなく、みなさんのほうがご存知じゃないかと思う

 木村も第一線でずっと活躍している棋士 最先端の将棋を探求されているところもある人ですが、
 受けが強い 千駄ヶ谷の受け師という異名もある 積極的な受けが大きな魅力」

事前のインタビュー
羽生「木村は粘り強い受けの将棋というイメージがあります
 最後まで気力を振り絞ってがんばりたいと思っています」

木村「羽生は研究会などでも、ずいぶんお世話になっていますが、探究心というか研究する姿勢と
 いうのにいつも心を打たれる 大変強い相手ですが、自分のある力を出し切れるようにがんばりたい」

先手羽生で、対局開始 羽生はいつも深々とおじぎをするなあ
羽生の戦型選択が注目されたが、普通の指し方での居飛車だった 
これを見て、「羽生の勝つ確率が高くなった」と思ったのは私だけではないだろう
去年の決勝の渡辺戦、角道を止めた消極的な指し方、あんな作戦でなければ、まず大丈夫だ!

ノーマル角換わりの相腰掛け銀にスイスイと進んだ  
康光「後手の木村としては、先手の羽生の攻めを受けて立つ展開」
羽生の攻めvs木村の受けか 双方の棋風が出る、真っ向勝負だな

木村は香をひとつ上がり、穴熊に潜る気配を見せた
康光「最近はどんな戦型でも、穴熊に組み替えるのが流行っている 
 戦いの場から玉が遠ざかっているのが大きい」

ここで両者の対戦成績が出た 羽生23勝、木村9勝とのこと
おお、木村、案外、善戦しているではないか 羽生に対して9勝もしていたのか 見直した(^^;

矢内「羽生はNHK杯の優勝が10回で、名誉NHK杯の称号がある 
 NHK杯ではここまで108局で91勝17敗 勝率が8割4分3厘」
こういう数字での情報はいいね どんどん出して欲しい
今、連盟のHPで調べたら、羽生の通算勝率が7割2分3厘だった 
NHK杯は羽生にとっては、相性が抜群ということになる 

木村の香上がりを見た羽生は、4八に振った飛車を再び2八に戻し、4筋から仕掛けて行った!
もう行ったか 「穴熊には潜らせない」という手だ いつもながら、羽生の将棋は積極的だ 
康光「あ 行きましたね この形は後手陣にスキがない、先手が攻めきるのは難しいというのが定説
 羽生が定説に挑戦している」 

羽生が4、3、1、2筋の歩を突いて攻めていく 木村は受けれるか
康光「木村は専守防衛に徹底している」 角を中段に打ち、受けきりを狙う木村 
それに対し羽生は自陣に銀を投入して、いったんガッチリ受けた 
康光「羽生の決断は早かったですね」 一見、もったいない感じの銀だけど、どうか  

羽生の桂跳ねが木村の金に当たったが、木村は金を逃げない!
バシッとすごい手つきで、攻め合いを選んだ木村 
康光は、先手は金を取るのではなく、端から攻めるのをおススメしている
康光「これで先手の攻めが決まっちゃうと、一番ひどいことになるんですけどね 
 非常に危ないんですけど、大丈夫ですかね?(笑)」

木村はギリギリでがんばるつもりのようだ うおー、木村らしい玉さばきだ 耐えてるのか?
康光「第一感は、生きた心地がしないですが、木村の持ち味が出ている」
矢内「1回戦の北浜戦でも、生命力の強い玉でしたからね」

木村は金を寄せ、角をじっと引き、銀を自陣に投入、耐えまくっている 実にガマン強い
羽生も、香が死に、駒損だ そして、いったん局面が落ち着いてしまったではないか
あらら、羽生、一気の攻めはあきらめたか 仕方ないのか 羽生の桂損なんだけど、大丈夫か?
康光「木村は駒得が主張、羽生は玉の堅さが主張 
 木村はさすがですね 潰されそうなところから、主張点ができた」

考慮時間の残り、▲4回vs△4回で互角 うわ、羽生、まさか苦戦なのか・・・
しかし、ここで康光が、羽生には十字飛車の狙いがある、という筋を解説 
あれ??? そんな筋がある!? 矢内もこの狙いには、心底感心していた
事前に▲1三歩と打って△同玉とさせた利かしが、ここに来て、抜群に効いてきたのか!!
この2手の交換、指されたときは、「なんだこれは、どういう意味があるんだ」としか私は思えなかった
こ、この十字飛車の狙いは厳しい! う、受からないではないか? 
これは木村、すでに困ってるのでは? 羽生はいったい、いつからこの攻めを視野に入れていたのか?

木村の判断は攻め合いだった 
康光「ここで攻め合いました? これは意表を突きましたね ホントはやりたくなかった手と思います」
木村、苦しくなったか さらに木村、銀を丸々タダ取られする位置にわざと逃げるという一手! 
矢内「タダのところに」 康光「驚きの一手ですね 普通にやっていては悪いと見て」
うわ~ マジですか(^^; そしてあっさり羽生にその銀を取られ、追いつめられていく木村 

康光「羽生はここまでうまく手をつないでいる 実に巧みに最後の一歩(いっぷ)を使っていますね」
木村は何か勝負になる手を探すが、見当たらなかった 羽生に完全に一手違いを見切られている 
康光「さすがの受けの達人の木村をもってしても、ここまできてはやむを得ない」

康光「早指しですと、ハプニングも起きやすいんですけど、羽生は悪いほうで起こすことがないですよね」
羽生は色々勝ち方があったところだが、長手数の詰みで仕留めた 131手で羽生の勝ち

矢内「30手を越える詰みでした」 
手数は長かったけど、プロにとってはそんなに難しい手順ではなかった 
もともと、詰まさなくても羽生の勝ちの終盤だった
康光「(中盤でいったん羽生は銀を投入して受けたものの)羽生の攻めが想像以上に厳しかったと
 いうことでしょうか 細かい攻めをつないだ羽生の攻めは見事だった、鮮やかだった」 

羽生、磐石の勝ちっぷりだった 本局で一番感心したのは、やはり▲1三歩と叩いたタイミングだ
あの瞬間、康光は「悩ましいところで叩きますね 羽生は自然にそういうところに手が行く」と
解説していたのだ しかし、私には▲1三歩の意味がわからなかった 
それが、後になって十字飛車の強烈な狙いとなって、抜群に威力を発揮して、勝因になった
はぁ~、羽生、つ、強い・・・ ため息が出る 感想戦の時間はなかったが、木村としては、
悪い手をやった覚えはないのに完敗、いったいどこが悪かったの?という一局だろう

プロ棋士の強さの一つの指標として、「羽生に対して何勝しているか」というのが上げられると感じた
木村は羽生に対し9勝している あと1勝で10勝だ 
羽生に対して10勝以上を上げている棋士は何人いるのだろうか?
ここまで羽生が強いと、羽生に対して通算10勝した時点で、「対羽生戦、殿堂入り」という
栄誉称号が与えられてもいいと思う(笑) そんなことを感じた今回の羽生の強さだった

羽生、まずは3回戦進出、次は行方と大石の勝者と、これも今から楽しみだ
今年のNHK杯も「誰が羽生を止めるのか」が焦点だね 羽生には本局のように、常に強くあってほしい!