丸山忠久 九段vs金井恒太 五段 NHK杯 3回戦
解説 郷田真隆 九段

矢内、相変わらずの美貌を保っているね 今日から3回戦、ベスト16ということで新しい表になった
若手が目立つなあ 16人のうち、8人が20代の若手ということだ
(金井、大石、高崎、船江、西川和宏、豊島、村山、広瀬 )
ここのところNHK杯は拙戦が続いている 阿久津の飛車切りうっかり、行方のポカ、深浦の寄せ逃し、
今日はこれらを払拭するいい内容が観たいところだ

丸山は1990年四段、竜王戦1組、B1 2回戦で飯島に勝ち 23回目の本戦 
金井は2007年四段、竜王戦5組、C1 1回戦で井上、2回戦で久保に勝ち 3回目の本戦

郷田「丸山はNHK杯で優勝の経験もある、毎年安定した成績を残している実力者
 金井は最近非常に調子が良くて伸び盛り、勢いのある若手 
 お互い居飛車の本格派なので、がっぷり4つになるんじゃないか」

事前のインタビュー
丸山「相居飛車の将棋になると思う 相手の研究とこちらの経験、どのようにそれが組み合わさるか
 とにかく白熱した将棋にしたいという気持ち 金井は最近めきめき力をつけてきているので、
 勢いに押されないようにがんばりたい」

金井「おそらく角が交換になりまして、丸山は序盤はすごく早く指してくるのではと予想しています
 相手は日頃からご指導いただいている丸山九段ですけど、今日は恥ずかしい将棋を指すわけには
 いかないので、精一杯集中したいと思います」

先手丸山で対局開始 両者の挨拶、声が大きい「お願いします!」
ところで丸山の髪型はどうなってるんだ 正面から見ると、四方八方にツンツン、宇宙人のようだ
美容院で「宇宙人ヘアーにしてください」とでも言っているのだろうか

戦型は角換わり、相腰掛け銀にスイスイ進んだ 
郷田「金井は後手のときは横歩取りを指すこともあるが、今日は角換わりを受けて立った
 これは今プロ間で最前線の局面 先手は仕掛けを模索、後手は仕掛けられても大丈夫な形で待つ」

矢内「金井は郷田九段の将棋にあこがれているということで」
郷田「はは そうですね 前からそんなことを言ってくれて 
 私も2年くらい前から金井と研究会をやっています」
矢内「金井とは兄弟弟子なんですけど、金井には何を頼んでも大丈夫という安心感があります」

さて、郷田が「角換わりでも穴熊が最近増えてきた」と言っていたとたん、丸山が▲9八香!
この手を見て、潜られてはまずいと、金井が3筋から動いた 
ここまで、双方、一手の妥協もしていない 素人では覚えきれない、難しいな(^^; 

丸山が3筋をやわらかく受け、金井も金銀4枚をスクラムさせて守っている
郷田「バランスを崩してしまうことがあるので、短時間ではお互い厳しい将棋」
矢内「なかなか戦いになるまでが長い」
郷田「そうですね 戦いが始まるとその瞬間に差がもう、ついてるってことがある」
ここでなんと金井も△1二香! 金井も潜る作戦か~ 
郷田「あー んー これはやはり現代流ですね」
角換わりで相穴熊なんていうのがあるのか? 現代将棋はここまできたか

しかし本局は丸山もこの香上がりを見て、攻めていった 1筋から戦端が開かれた
お互いの狙い筋を詳しく解説してくれる郷田 
矢内「郷田九段の形勢判断は」
郷田「よく分からないですね(^^; 3七にドーンと成桂ができると後手が勝てる」
他でもない、一流プロの郷田が「分からない」と言うんだから、形勢は難しいんだろう
郷田の解説には説得力がある 

ここで、丸山がこの一局の眼目という手を放った 4筋の歩を突く▲4五歩だ 
ん? なんだこれは? 一手パスか? 私には意味が全然わからなかった
が、即座に郷田が狙いを指摘 ▲8三香から、後手の飛車を攻めて角で両取りをかけようという手か!
よくそんなところに目が行くなあ! 
この▲4五歩を境に、丸山がペースを握った 丸山の攻めに、一気に幅がでた
郷田「▲4五歩はさすがになるほどという手です ちょっと金井陣、危ない形です 少し丸山ペース
 ▲4五歩いい手でした 丸山は手馴れてます」

考慮時間の残り、丸山▲7回vs金井△1回まで差が開いた 金井、ピンチか・・・
金井は開き直って攻め合いに出た、金井も8一の桂も使って全部の駒を使おうとしている
郷田「ただ丸山優勢です 丸山陣、縦に並んだ金2枚が堅いですね」
しかし金井はあきらめない 今、桂で取った銀を守りに投入 8一の桂が守りの銀となったのだから、
金井としてもかなりの戦果だ 
郷田「この銀は金井の勝負手です 意外と大変なのかな」
金井、まだやれるのか? ここで丸山にまたすごい手が出た ▲3七角と自陣角! 
うわあ そんな発想が! 
郷田「(後手の飛車を攻めようという)B面攻撃ですね 指されてみるとなるほどという手」 

丸山の猛攻を金井がかろうじて防いでいるという応酬が続く 
郷田「この辺が金井が力をつけてきたところ ちょっと苦しいかもしれないけれど、簡単には勝たせない
 丸山もプレッシャーを感じているだろう」

金井が△8三香と、飛車の頭に香を据えたところ、また丸山に驚愕の手が出た
なんと▲7一銀! うわ~ これは何だ いくら後手の飛車が邪魔だからって、こんな手筋があるのか
どこまで盤上を広く見ているんだ ここまで発想を広げないと勝てないのか
郷田「これは白熱した終盤になりましたね どっちが勝っているのか」
解説の郷田にすら、よく分からないようだ 見ている私はもっと分からん(^^;

ここから、秒読みでギリギリの攻防が続いた
郷田「金井は最善の粘りかもしれないです うまくがんばっていますね もうお互い時間がないですから
 いやあ 熱戦ですね どうなっているのかな これはどうなっているのか もうわからないですね」

長い複雑な終盤になった こ、これは難しい とても30秒じゃ把握しきれない
バタバタと手が進んでいく これは秒読みは酷だな 対局者、解説者、そして何より視聴者に酷だ(^^;  

この流れの将棋を金井が逆転したらすごい、金井、がんばれ~と思って見ていた
しかし金井にもチャンスがあったが、受けすぎたとのこと
郷田「金井がちょっとチャンスを逃したような気がします」 

ついにオーラスがおとずれた
郷田「金井が下駄を預けましたね 駒を渡さず私の玉を寄せられますか、と」
しかし、的確に丸山は即詰みに討ち取った 149手、丸山の勝ち 
最後は7一の銀まで働いての詰み

はあ~ 熱戦だった ああー、金井、惜しかったな~ 
郷田「すばらしい将棋だったと思います 終盤、お互いに色々なことが起きていた」
感想戦の時間が全くなかったのは残念だった あー、感想戦が5分でもあればな

丸山が▲4五歩、▲3七角、▲7一銀と、私が全く予想できない印象的な手を指していた
にも関わらず、踏ん張って逆転かと思われるところまでがんばった金井、やはりプロのレベルは高い
見ごたえがあった だけど、本局はとにかく難しかった 今期のNHK杯で、難解さでは一番の将棋だった 
角換わりの最新形で、攻めたり受けたりの149手 
郷田はがんばって解説してくれていたと思う しかし郷田ですら分からないところが多くあった終盤、
これは私には難しかった(^^; 

来週は気分を変えて振り飛車を見たいな、と思ったら、うまい具合に広瀬vs村山ではないか
広瀬、また振り飛車穴熊を頼む!