郷田真隆 九段vs高橋道雄 九段 NHK杯 3回戦
解説 中村修 九段

郷田は42歳で高橋は53歳、居飛車党のベテラン同士の対戦だ 
タカミチは今期のB1の順位戦、1勝9敗と苦戦している NHK杯でがんばって欲しいがどうかな
矢内は先週から髪を染めている、との私の母の指摘があった そう言えば、ブラウンになっているね
似合っている、いいよいいよー

郷田は1990年四段、竜王戦1組、A級 2回戦で永瀬に勝ち 22回目の本戦出場
ちなみに2回戦の永瀬戦は、永瀬の角交換振り飛車穴熊に対し、落ち着いた指しまわしで完封している
タカミチは1980年四段、竜王戦2組、B1 2回戦で中村太地に勝ち 33回目の本戦出場
ちなみに2回戦の中村太地戦は、後手番の横歩取りで、中盤から抜群の指しまわしでの会心譜だった

解説の中村修「各ブロックで若手が勝ちあがっている中で、なんとなく昭和の香りがする対戦だなと
 思います 郷田は居飛車党の正統派、すごくこだわりがあって、自分のいい物、美しいものに対して
 素早く反応する、最善手よりもそういうところを追求している きれいな棋譜を残したいと思っている
 
 タカミチもある意味似ている、得意な形が決まっている 攻め将棋で小駒を使った軽い攻めが得意、
 そして玉が堅いというのが特徴 似たタイプの2人、強情な2人のぶつかりあいが楽しみです」

事前のインタビュー
郷田「お互い居飛車党ですので、矢倉、横歩取りなどを中心に相居飛車の将棋になると思います
 月並みなんですけど、一生懸命対局して、いつもの力が出せればと思っています」

タカミチ「両方とも居飛車党ですので、矢倉、横歩取りといった相居飛車の将棋を予想しています
 郷田はいつも堂々とした棋風で、カッコイイなといつも思っています
 私も胸と胸を突き合わせて、堂々とした戦い方をしたいと思っています」

先手が郷田だったので、中村修は「間違いなく横歩取りになると思います
 玉の位置もわかります」と言っていたのだが、郷田がなんと▲2六歩△3四歩▲2五歩、と、
角換わりを強要したではないか(^^; タカミチの手もここでピタッと止まった(笑)

矢内「意表の角換わりになりまして」 中村修「帰っていいですか」 矢内「ふふふ ダメです(笑)」
中村修「タカミチの駒台の角が少し横を向いてます 動揺が伝わってきます」
細かいところを見ているね 郷田は1回戦の永瀬戦でも、先手で▲2六歩△3四歩▲2五歩だった
相手の得意を受けて立つのはもうやめたのかな
中村修「今年、郷田が先手で2局連続でタカミチと横歩取りをやっているんですよ 
 2局とも郷田が勝っているんですけど、さすがに3局は危険と見ましたかね」

2人の対戦成績が出て、郷田14勝、タカミチ8勝 最近5局は郷田の5連勝とのこと
郷田が右銀を棒銀に出て、やったあ、と私は思った ここのところNHK杯では、
角換わりの相腰掛け銀が続いていたから、棒銀は歓迎だ

雑談で中村修「私とタカミチは四段になったのが同期、同期が8人もいまして、その後も8人くらい
 四段が出たので、ちょっとこれは棋士が出すぎだ、ということで、その直後の三段リーグができた
 郷田はそのあおりを食ったが、三段リーグを勝ち上がってきた」

郷田が棒銀で3筋から攻めかかり、タカミチも右銀を玉側に寄せてきて受けるという展開
そして、タカミチがその右銀を5段目に出て、早くも力戦模様となった
矢内「(こういう力強い手が出ると)なんかうれしくなっちゃいますね」
中村修「(こういう手は)自分のペースに持ち込める可能性がありますからね」

郷田は棒銀で銀を交換、タカミチは一歩得 双方に主張があるね 後手は居玉、局面は完全に手将棋だ
郷田が再度2筋に歩を合わせた手を見て、
中村修「うわー 歩打ち うわー すごいね この細かい展開!」
ふふふ、中村修の解説、素直に感情を出してくれるので、面白い(笑)

大盤で、後手がたとえ飛車を取っても2筋を突破されてしまうのは危険、と検討していたところ、
タカミチがその順に突っ込んだではないか! 
これは中村修が「こうやればすぐ終わっちゃう」と解説していた順だぞ!?
中村修「ちょっと待って下さい! 今日は初手から指し手が当たんない(笑) あーらら」
うおー、もう終局近しか? タカミチに何か見落としが?

が、さすがにタカミチも読み筋だったようだ 玉を早逃げさせたのが好手、郷田が考え込むことになった
中村修「タカミチは指したい手がたくさんある ここが勝負」
そこで郷田が繰り出した手、それは▲4一銀という手
中村修「はぁ~ この一手も意外な手だな~ こういう手は浮かばないですね~
 俗手ですねどね 角なら打ちますけど」
さすが郷田だ この銀を足がかりに、と金を作って後手玉に迫っていく郷田 形勢は先手がいいのか?

だがタカミチの玉にすぐには寄りはなさそうで、どっかで郷田は1回は受けに回りそう、と思っていると、
その通り、郷田は狙われた金を逃げて様子を見た 難しい将棋になったな
漠然とした局面、中村修が自陣角を指摘、すると郷田もその手を放った おおー これはよく当てた
中村修「ようやく当たりました(笑)」
画面に郷田が映り、中村修「郷田の眼鏡、だんだん落ちてくるんですよ
 鼻で引っかかって止まるんですけどね」
郷田~ 20歳くらいのときの超美形はどこにいったんだ~(^^;

その角を飛び出した手が詰めろで、タカミチ、どう受ける・・・ 
そしたらタカミチは玉を力強く3段目にグイッと上がって顔面受け! 
中村修「あーっとっとっ! 勝負手! これは勝負手!」 
おお、タカミチ、いいぞ~ 中村修の解説も面白い(笑)

中村修が、後手は6筋の歩を伸ばして玉を広くする手が良さそう、と解説していたところ、
その手もビンゴ! 中村修「あー これは良い手だな これはタカミチが良くなったと思いますね」
おお、タカミチが良くなったか がんばれタカミチ~ 

が、しかし桂が交換になり、タカミチが竜を追われて逃げた場所が何かおかしい?
中村修「いや~ 一手一手難しいです」
どうなってるんだ 形勢難しいのか タカミチが桂を使って攻めたところで、双方30秒将棋
ぐっ 秒読みは厳しい・・・ 後手玉はどれくらい危ないのか

タカミチの玉、中段に逃がしてまだがんばれるだろう、と見ていると、あれ? 桂で王手来た?
中村修「そうか(後手玉は逃げ方によっては)いきなり詰むのか」
矢内「△7五玉と逃げるのは?」
中村修「ん? あ ? ん? なるほど 7五に逃げる一手か」 
そしたら、なんとタカミチは6五の角を取って、詰むほうに逃げてしまったではないか!
中村修「取るのは詰みですね」
ええー 詰むほうに? なんでー
矢内「後手は攻めの桂打ったことによって、玉が狭くなってたんですね」

郷田が詰ませて、81手で郷田の勝ち あららーー 最後あっけない!
中村修「詰んでしまったですね 驚きましたね あっという間にね
 桂を渡したのが結果論かもしれませんけど、決め手になってしまったかな でも面白い将棋でした」

いやー ずっと面白かったんだけどなあ 最後が・・・ 
せめて、矢内の指摘どおり△7五玉と逃げてほしかった
最後、角を取らずに△7五玉ならどうだったのか? 私にはわからなかった
激指定跡道場3に訊いてみると、△7五玉▲6六銀△8五玉に▲7三歩成が決め手で、
それが▲7七桂からの詰めろになっていて、それで先手勝勢(+5000以上)とのことだった
あー、これは解説が必要だったね 
秒読みの中、もし郷田がこの寄せ方を発見できなければ、まだ大変だった

感想戦では、郷田は▲4一銀では銀ではなく角を打つ手が見えてなかった、と反省しきりだった
中村修は角を打つ手は発見できていて、銀は全く見えてなかったというのに(^^;
タカミチのほうにも、他にも有力な受け方が色々検討されていた
タカミチ「途中から中村君に代わって欲しかった」
これはちょっと笑った 中村修と言えば「受ける青春」がニックネームだからね
タカミチ、受ける展開に回らされ、秒読みでつらかったか・・・
でも郷田の攻めもギリギリだったけどね

81手とは思えないほど長い間、戦っていた 面白かったけど、終盤、もっと続いて欲しかった

来週は羽生vs大石 ド本命の羽生の登場だ これは楽しみだ
再来週は年末のため放送が休みということで、羽生のスカッとする将棋で今年最後を飾って欲しい