三浦弘行 九段vs髙﨑一生 六段 3回戦 NHK杯
解説 広瀬章人 七段

2014年、明けましておめでとうございます 今年もボチボチとNHK杯の感想を書いていこうと
思っております 地味なブログをを目指しております
さて、新年しょっぱなは、三浦vs高崎ですか 高崎は未だに印象が薄いが(^^;

って、うおー! 矢内、雰囲気が一段と大人っぽくなったなー! そうか、そういえば結婚したんだねぇ
うんうん、やうたんが結婚してくれて私も一安心だよ

三浦は1982年四段、竜王戦1組、A級 2回戦で阿久津に勝ち 18回目の本戦出場
ちなみに、阿久津戦は、まだ序盤と思えるところでの飛車切り一発で一気に優勢にした将棋だった
高崎は2005年四段、竜王戦3組、C1 1回戦で飯塚、2回戦で鈴木大介に勝ち 3回目の本戦出場
ちなみに、飯塚戦は、相穴熊で一方的に攻め勝っている 
鈴木大介戦は、相振りで212手の長手数だった

解説の広瀬「三浦はなんと言っても研究家のイメージが強い ただ研究に頼っているのではなくて、
 終盤の鋭さ、読みの正確さが武器で、長い間A級に居る(調べたら、13期連続在住中) 
 
 高崎は僕と同世代なんですけど、同世代を代表する振り飛車党
 かなり前から振り飛車一本 指しなれた、体で覚えた将棋 ねじり合いを得意としている印象 

事前のインタビュー
三浦「高崎さんは振り飛車党なので、先後によると思うが、対抗形になると予想しています
 新年最初の対局なので、みなさまにぜひいいところを見せられればいいなと思っています」

高崎「三浦九段はA級在任も長い、超強豪棋士で、直線的な将棋に強みを発揮する方だと
 思っています 戦型は対抗形になると思っています 
 見ごたえのあるいい将棋が指せるようにがんばりたいと思います」

先手三浦で、▲2六歩△3四歩▲2五歩と飛車先を決める出だし 
振り飛車党を相手には、これがもう定番の指し方なのか 
三浦のような強豪には、横綱相撲を期待する私としては、ちょっとずるい気もするが(^^;
広瀬「高崎は角交換振り飛車を得意としているので、三浦がそれをけん制した」

2人の対戦成績が出て、1-1のイーブンということだ 過去2局は高崎のゴキゲンと石田流とのこと

本局、戦型は三浦のほうから角道を止め、相穴熊となった
私は以前は相穴は全く見る気がしなかったものだが、最近は相穴でも別に苦にならなくなった
なぜだか、理由はわからない ただ、2局連続相穴を見るのはいやだが(笑)

高崎のほうから仕掛け、お互いに飛車を6筋に持ってくる展開
矢内「残り時間が少なくなってきてますけど、局面のほうはまだまだ」
考慮時間の残りが、もうお互いに残り3回くらいになっている

6筋に回った飛車の居心地、振り飛車側のほうがなんとなく良さそうだ
振り飛車側は金銀が低い体勢で、堅い感じがする 居飛車側としては、金銀がやや上ずっているか・・・

そんなとき、高崎が絶妙の指しまわしを見せた 4筋の歩の突き捨て、歩の垂らし、成り捨て、
そして端角の飛び出し一発! バシッ!と駒音が響いた うおー めっちゃうまい!
こ、これは3筋の数の攻めが受からん! 三浦、大ピンチだ 私が先手なら戦意喪失レベルだが?

一方的になるか、と思われたが、三浦は踏ん張った 
歩の数がちょうど足りている、絶妙の勝負手順で粘っている これ以外ではすぐ潰れただろう  
広瀬「三浦はギリギリのところで、うまくつないできますね」
さすが、三浦も魅せる!

が、それをさらに上回ったのは高崎だった
広瀬に「指されてみると、その手もあるか、と気付く」と言わせる手で三浦の粘りを突き放した
冴え渡った高崎のさばき手順 全くほれぼれする! 拍手ものだ 
高崎は無条件で桂得、そして竜を作るという大戦果を挙げた
そして、勇躍、得した桂で両取りをかけ、銀の丸得に、もうこりゃ、高崎の必勝態勢やん?

ただ、広瀬は「まあただ、そんなに楽観する局面でもないです」と言っている
私が高崎なら、「早く投了しねえかな」と思いながら指しているが(笑)
必死に食いつこうとする三浦、桂を打ち込んで勝負にきた
広瀬「こういった常識外の手を放っていかないとダメかも 一番嫌な手かもしれないですね」
ま、でも、正解を指せば高崎の勝ちだからなあ
ここまで完璧に指していた高崎がミスするとも思えないんだけど?

高崎は桂の打ち込みに対し、飛車を取って、その飛車を自陣に打って受けに回った
広瀬「ちょっと(高崎玉が)嫌ですね 『だいたい詰めろ』がかかるだけでも、嫌なんですよ」
えー、高崎のほぼ飛車得だけど、ここから三浦の攻めがつながるのか

したらば、広瀬の予感的中! 高崎玉に、金やら、と金やらが張り付いてくる展開となってしまった
広瀬「三浦は勝負勝負と迫っていますね」
と金を2枚も作られ、高崎玉ピンチ! 
画面に映し出された高崎、モロに「やっちまったー」という表情(笑)
えええー 竜を作って、銀の丸得の局面から迫られてしまったのか 
しかし、三浦もまだ読み切っていないようだ 秒を9まで読まれ、駒を取る手が間に合わず、
口で「金です」と言ってギリギリ間に合わす場面が見られた 
うわー、こりゃもうどっちが勝つかわからないな
広瀬「いやこれは面白い終盤になりましたね」

三浦が▲7七金と打って埋めた局面、
広瀬「今、▲7八金打は△9八竜~△7六馬で、先手玉はトン死でしたね」
うわ、私ならトン死してた この場面、トン死した視聴者が5割以上いたと思う(笑)

この終盤にきて、三浦が攻勢を強めている
三浦、どう指すかわかりづらいところ、▲8二歩という利かし! これは秒読みでよく見えたな~
矢内「これは詰めろですか」
広瀬「その質問が多いですね(笑) 詰めろじゃなくても合駒を用意するとか、そういう状況も
 考えられますね」

相穴らしい大熱戦だ こりゃ白熱の将棋になったな
広瀬「これはゼットです」
矢内「今日、ゼットが何回出てきたか(笑)」

三浦が攻防に打った角が実によく利いているわ
難しかった形勢、だんだん私にもどっちが有利かわかるようになってきた
高崎の攻め駒が足りなくなってきたな 三浦が逃げ切ったか 
三浦、玉を早逃げして、絶対負けませんという意思表示だ あー、熱戦に終止符だ もうダメだな
あらら、高崎、まだ指すのか 大きなため息をついて、もだえてる(笑)
三浦は一手一手、全部お付き合いして、安全勝ち宣言だ
広瀬「いわゆる激辛流」

163手、あきらめきれずに指していた高崎がついに投げた 三浦の勝ち 
広瀬「ペースを掴んで終盤に入ったが、そこからが勝負でしたね 穴熊戦は詰む、詰まないの
 攻防がけっこう出てくるんですけど、三浦が読み勝った」
矢内「白熱した終盤でしたね」
広瀬「私も思わず見入ってしまいました」

ああーー、高崎、大魚を逃したなー 序、中盤は会心の指しまわしで、
竜を作って銀の丸得になった将棋を勝ちきれず・・・ これはショックだろう
この将棋を逆転した三浦の終盤力もさすがだった ▲8二歩もそうだし、攻防の角が最後までよく利いた
終盤はずーっとノーミスで追い上げていた感があるね
もう少し高崎が早く投了していると、番組的にもっと良かったか
途中、ちょっとずつ編集で切られていたから(^^;

なかなかの熱戦で始まった2014年のNHK杯、また今年も楽しめそうです