屋敷伸之 九段vs中田宏樹 八段 NHK杯 3回戦
解説 島朗 九段

昨日中に記事のUPができなくて申し訳ないです 
今週は屋敷とデビル中田か 電王戦に大将としてponanzaと対戦する屋敷がどんな将棋を指すか

屋敷は1988年四段、竜王戦2組 A級 2回戦で森けい二に勝ち 17回目の本戦出場
ちなみに森戦では、森のノーマル三間に対し居飛穴でボッコボコに圧倒していた
中田は1985年四段、竜王戦4組、B2 1回戦で佐々木勇気、2回戦でハッシーに勝ち
 14回目の本戦出場 ちなみに佐々木勇気戦では、相矢倉で危なげない快勝
 ハッシー戦では、升田式石田流に対し、秒読みの中、長手数で即詰みを華麗に決め、逆転勝ちだった

解説の島「屋敷は若手の頃は変幻自在な棋風だったが、年々地位が上がるにつれて、
 本格的な将棋になった 最先端も研究するようになり、たゆまぬ努力が
 この近年の躍進の原因じゃないでしょうか
 A級に来るまでに苦労したが(C1で14年)、色々な経験をして自力を着実につけてきた

 中田は終盤の切れ味がある 独自の考え方をし、人まねをしない 現代将棋の枠にとらわれない人
 中田流と言われるオリジナルの戦法を色々な戦型で編み出している
 穏やかな性格だが、将棋は突っ込んでくる 前例というのが大嫌いな人 後手だと2手目が△8四歩」

事前のインタビュー
屋敷「相手の中田八段が激しい棋風なので、おそらく激しい将棋になるかと思います
 序盤から中盤終盤とかなり激しい将棋になると思うんですけど、
 中終盤の競り合いに注目して欲しいですね」

中田「たぶん相居飛車の将棋になると思うんですけど、戦型はちょっとわからないですね
 私も屋敷さんもけっこう渋い手が多いんで、玄人(くろうと)好みの渋い手が出ると思うんで、
 そういうところを観ていただければと思います」

先手屋敷で、矢倉になった 島の解説どおり中田は2手目△8四歩だ
▲早囲いvs△左美濃という工夫を互いにしている
島「矢倉戦での左美濃は、中田の得意戦法で著書もある
 左美濃にこだわるのは中田らしい一徹(いってつ)さ 自分の信じるものだけを信じる
 中田は若い頃から、棋譜並べより詰将棋 とにかく読むことだけを重視してきた」

お互いにスラスラと進め、▲棒銀で攻めを見せた屋敷vs△総矢倉で受ける中田という図式
島「きれいに組みあがりましたね」
過去の対戦成績が出て、屋敷の8勝、中田の3勝ということだ

島「屋敷は優等生になった 若い頃より勉強の量が多いはず」
屋敷と言えば、若い頃には「勉強は1日に10分」という発言が話題になったね
でも、将棋フォーカスでは奨励会時代は、24時間の円グラフが出て、
一日中、将棋漬けだったということだった 棋士は頭の中に盤があって、それで考えることができるので、
外から見てる分にはどれだけ勉強してるのかわからないね

島「中田は50歳前後では1分将棋が一番正確 長考派で、時間があればあるだけ考えたいタイプ」
屋敷は41歳で、中田は49歳だ
ちなみに羽生と森内は43歳、屋敷は微妙に羽生世代とは言われないようだ

さて、角交換から、敵陣に角を打ち合う展開 
馬の作り合いになるかと思ったが、色々と歩で味付けし合っている
島「どちらも自信のある戦いとは思えませんね」

ごちゃごちゃした小競り合いが続く、難しい中盤だ 双方苦心した手の応酬 
そのうち、中田が歩をたくさん突き捨て、屋敷の持ち歩が5枚になった
島「形勢はわからないですけど、持ち歩の差が大きい」
矢内「島九段がどちらかを持つとすれば、どちらですか?」
島「私は森下教なので、歩の多い方を持つんです 棋士には宗派がありまして」
矢内「(笑)」
ここは笑った 歩が5枚で「1森下」という単位になることは有名だ
島さんは考えが常識タイプで、駒得重視なんだろう 
私も同じだわ 局面を考えるとき、とにかく駒の損得だもん(^^;

屋敷がいつの間にか、駒を全部使った総攻撃の態勢を整えている 
玉から離れた金も、攻め駒として使い、島を感心させた
島「先手は攻めが飛角金銀桂の5枚なんですよ」
それに、歩もからめて来てるもんなあ 屋敷の馬の位置が絶好で、中田玉は狭い
こりゃ、中田が苦しいか 先手側は手が広いが、A級の屋敷の手にかかれば、どうにでも料理できそう

屋敷は中田の玉頭に一気にラッシュをかけるかと思われたのだが、飛車金、両取りの銀を打った
島は「あれ?」という表情 ん、屋敷、駒得に目がくらんでミスったか?
が、これは屋敷の読み筋どおりだった 一発、玉頭に歩を利かせたのが島を納得させた手だった
飛車を取った後の銀も活用、遊び駒にしなかった   

島「屋敷の、つけいるスキを与えない指し方ですね 駒割りが飛車得に近いですね
 中田の終盤の迫力が出にくい展開になってしまってますね」
一手ごとに、着実に屋敷がリードを広げていっているのがわかる展開となった
差が開いていっているのがハッキリわかる あわー、これは一方的 

もう何枚駒得しているか、数えるのが難しいくらい屋敷が駒得をしたところで、中田が投了した
129手で屋敷の勝ち 

島「屋敷は安定してました とにかく落ち着きはらった指し手に終始しました
 屋敷が中田の剛腕を封じ込んで、屋敷にとっては会心の一局」

感想戦で、中田は「(相手の攻めを)呼び込みすぎましたね いくらなんでも」
うむ、飛角金銀桂で攻められてはなあ 展開的に勝ちにくかったか 
屋敷はリードしてからは、危なげなかったな 

屋敷の本局の勝ち方、これは電王戦の対ponanzaでの勝ち方での理想的なパターンに見えた
序盤がヘタなponanzaに、ちょっとのリード奪い、じわじわ差を広げて、駒得を拡大していって、
終盤は全然一手違いにならない勝ち方 こうなれば理想的だなあ
屋敷がA級棋士の地力を見せつけ快勝、ベスト8進出を決めた 来週は森内名人竜王の登場、楽しみだ

さて、A級からタニーが降級というニュースがあった 来期のB1ではどんな成績を残すだろうか
それから、電王戦に出場する、あの「やねうら王」が、ブログで「来月あたりに24に降臨する」
という話を書いていて、それにも注目しています