さて、前回掲載した、木村さゆりさんの講座、「横歩取り・後手の強襲」を、
激指定跡道場3を使って調べてみます

2枚棋譜を貼ります
1枚目の棋譜は、木村さゆりさんの講座のあら探しになってしまってます(^^;
入門者向けの奇襲講座ですので、ココセがあるのは仕方ないですね
正直、1枚目の棋譜はさほど意味はないです
2枚目の棋譜は、序盤だけにしぼり、上級者向けに本格的に検証したものです
こっちを見て欲しいです

<今回の検証から得られた結論>
8手目△8六歩の強襲は、充分ありえる 
先手側がハマってくれる可能性がある分、8手目△8六歩としたほうが後手にとって
得とすら言える
後手のデメリットは、横歩取り△2三歩型にする順は選べない、ということ
今の定跡では8手目は△3二金が圧倒的に多いが、8手目△8六歩が当たり前になる日が
来てもおかしくない  アマチュアでは、相手(先手側)を迷わす効果が期待できる



まずは1枚目の棋譜です

▲7六歩
*では、激指定跡道場3(2012年発売)で、木村さゆりさんの講座を検討してみましょう
△3四歩 ▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金
△8六歩
*ここで攻めるのが今回の奇襲です
▲同 歩 △同 飛
*ここで先手は手が広いところ
▲2二角成 △同 銀 ▲7七角
*こう打ってくれたら、後手が成功というのが木村さゆりさんの講座です
△8九飛成 ▲2二角成 △3三角
*この△3三角は激指も推奨しています
▲同 馬 △同 桂
*ここでまた先手は手が広く、手が難しいところ 木村さゆりさんは、わかりやすく一気に寄せ合いにするために、▲2四歩を取り上げていました
▲2四歩 △同 歩
*△同歩ではなく、△8六桂も有力と激指の指摘
▲同 飛 △8六桂
*激指は、ここでは形勢は-150ほどで互角とのこと
▲2一飛成
*この手は悪手で、一気に-1500ほどで後手が大優勢になりました(^^;
△7八桂成 ▲3二銀 △7九龍 ▲4八玉
*ここでは次の手、△6八竜と王手が良い、と激指の指摘
*△6八竜▲5八角△4五桂が激指の読み筋
*または、△6八竜▲5八金△5九角▲4九玉△3八銀で攻めが続くとのこと
△5八銀
*この手はそんなにいい手ではないようで、-700ほどに差が減っています 
▲同 金 △2七角
*これは悪手で、敗着になる手とのこと(^^;
*普通に△4九金から追っていけば、後手勝ちでした
*なぜ△2七角が悪手なのか、以下、進めて確認してみましょう
▲4一銀成 △6二玉
*ここで木村さゆりさんの講座では▲2七竜だったので、先手玉は詰まされてしまいました
*しかし、盲点になる返し技がありました
▲2二龍
*これで一度、合駒請求するのがうまい手 これで後手は困りました 
*△5二金打では、▲2七竜で角がタダで後手は駒不足になってしまいます
△5二金
*仕方なく、節約して受けましたが・・・
▲同 龍
*竜切り!
△同 玉 ▲5一金 △6二玉 ▲5二金打 △7二玉 ▲6一角
△8二玉 ▲8三銀
*ピッタリ詰まされてしまいました(笑) 
*△2七角は悪手でした
*
*まあ、木村さゆりさんの講座は、奇襲を華麗に成功させるために、ある程度のココセもあるのは仕方ないでしょう 気にしないでおきましょう(^^;
*
*さて、2枚目の棋譜で本当に△8六歩の攻めは成立しているのかどうか、もっと詳しく調べてみましょう


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以下、2枚目の棋譜です


▲7六歩
*さて、「横歩取り・後手からの強襲」を、激指定跡道場3(以下、激指)を使って検討してみましょう
△3四歩 ▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金
*ここで△8六歩は成立しているのかどうか?
△8六歩
*なんと、激指にはこの手はちゃんと「定跡手」として登録されているのです!
*ここでは「プロ間で最近10年で△3二金が1853局、△8六歩が4局」と激指に出ています たった4局ですが、△8六歩はプロでも実戦例があったのです!
▲同 歩
*これは取る一手
△同 飛
*ここで、先手の手の候補は、①▲8七歩②▲2四歩③▲2二角成の3通り考えられます
*それぞれ調べていきましょう
▲8七歩
*まずは▲8七歩から調べます
*結論から言って、これは穏やかな流れになります
*ここで後手が△7六飛と横歩を取るのは、▲2二角成△同銀▲6五角があって、先手有利です
*したがって、飛車をどこかに引くしかないです
*△8五飛、△8四飛、△8二飛、いずれもあるところで、これは全く互角でこれからの勝負という他ないです
△8四飛
*一例として、8四に引いた場合を進めてみましょう
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △3二金
*後手は手堅く受ける一手
*次の先手の手で▲2三歩は悪手で、角交換から△3五角があります
*また、▲2二角成△同銀▲6六角がちらっと浮かびますが、△2三歩で受かっています
*
*先手は横歩を取れず、後手が相掛かりに誘導したかっこうとなりました
*以下は一局としか言いようがありません
*(10手目に戻る)


変化:11手
▲2四歩
*▲2四歩とした場合にはどうなるのでしょうか?
△同 歩 ▲同 飛
*ここでは後手は、木村さゆりさんが言っていたように、穏便に△3二金とするよりありません
*
*「B級戦法の達人」という本に、「ノーガード戦法」として、ここから△8八角成で突っ込む変化が書かれているので、ついでにそれを検討してみることにします
△8八角成
*後手は一気に攻め潰そうという作戦に出ました
▲同 銀 △3三角
*この攻め方は成立しているのでしょうか?
▲2一飛成 △8八飛成
*ここは先に飛車を切る一手 先に△8八角成とすると、▲3三角の王手竜取りがあり、後手負けです
▲同 金 △同角成
*ここで先手からうまい小技があります
▲8二歩
*これが好手、痛いです ▲同銀には△8五飛があり後手が大優勢
△2二馬
*後手は狙われた馬を移動させ、竜を殺すくらいですが・・・
▲同 龍 △同 銀 ▲8一歩成
*以下、もう少しすすめます
△8八飛
*ここでの形勢判断は、+400ほどで先手が有利
*しかし、この飛車打ちは、なんと詰めろ! ▲7一となどとすると、△6九金▲同玉△6八銀以下、即詰みです くわばらくわばら(^^; 
▲7七角
*しっかり受けておく
△8九飛成 ▲6九桂
*ここまで進めてみると、先手有利です 評価値は+500ほどです
*
*14手目に△8八角成とする「ノーガード戦法」は無理筋です 14手目では、△3二金と無難に指すしかありません
*(10手目に戻る)


変化:11手
▲2二角成
*①▲8七歩、②▲2四歩は、いずれも後手が穏便に応じて一局になるという結論でした 
*では③▲2二角成、これはどうでしょうか
△同 銀 ▲7七角
*この変化は果たして?
△8九飛成 ▲2二角成
*ここで激指の形勢判断は、-300ほどで後手が少し有利とのことです
*次の後手の手、激指検討モードでは、△3三角と△8六桂で迷っていました 個人的には△3三角をお勧めします
*
*△3三角、△8六桂、どちらにせよ、以下、乱戦で後手に少しだけ分がある戦いになるようです
△3三角
*すぐに△8六桂を打たず、△3三角のほうが私のお勧め
*
*先手側は、金を、なまじ▲7八金と上がってしまったため、△8六桂で狙われることになっているのです
▲同 馬 △同 桂
*後手は次に△8六桂を狙う展開になります 竜の存在が大きいです 
*△7七角!という強手もありえます
*
*この局面、激指の評価は-255 まだまだこれからの勝負ですが、わずか18手で後手のペースに巻き込んで、後手満足と思います
*
*結論は、8手目後手△8六歩の強襲に対して▲2二角成~▲7七角の変化は、後手が少しペースを握る、です