丸山忠久 九段vs三浦弘行 九段 NHK杯 準々決勝
解説 木村一基 八段

今日は丸山と三浦か 強豪同士の対決だ それにしても、丸山の髪型は、
毎度のことながらすごいことになってるな 異性人と交信しているとしか思えない

丸山は1990年四段、竜王戦1組、B1 2回戦で飯島、3回戦で金井に勝ち 23回目の本戦出場
3回戦の金井戦は、角換わり相腰掛け銀の149手の大熱戦だった
三浦は1992年四段、竜王戦1組、A級 2回戦で阿久津、3回戦で高崎に勝ち 18回目の本戦出場
3回戦の高崎戦は、相穴熊の大熱戦を三浦が163手で逆転勝ちしている

解説の木村「丸山は、あまり触れられませんが、大変な研究家 本局でも対策を練っているんじゃないか
 三浦はよく触れられますが、大変な研究家 棋界トップの研究量をほこると思います
 研究がぶつかりあって、興味深いところですね」

事前のインタビュー
丸山「三浦は非常に研究が深く、パンチ力のある将棋という印象です 
 今日は相居飛車になると思うのですけど、展開はよくわからないので楽しみにしています
 早い段階でペースをうまくつかめればいいなと思っています」

三浦「丸山は早指しでは何度も優勝されていますので、非常に手ごわい相手だと思っています
 戦型は相居飛車になるのではと思っています 
 丸山にはNHK杯で準々決勝で負けている印象が強いので、今日はがんばりたいなと思っています」
調べてみたら、三浦はNHK杯で、3年前と4年前に丸山にベスト8で負けている
前期もべスト8で郷田に負けている 三浦にとってベスト8が鬼門だね

木村「三浦は後手になると、横歩取りを得意としている 丸山がどういう対策を立ててきているか」

先手丸山で、予想どおり横歩取りになった
△3三角型から、お互いに横歩を取り合い、中住まいに囲う力戦形だ
お互い、猛烈なスピードで指していく 本当に、早すぎるくらい早い
木村「この2人には『あんたもうちょっと考えたほうがいいんじゃないの』とは言えませんね(笑)」
矢内「編集してあるんじゃないかと思えますね(笑)」
よっぽど下調べをしてきているのだろう 
しっかし、NHK杯で、こんなに序盤が早指しになる時代が来るとはね
羽生が低段者だった頃のNHK杯なんか、12時過ぎてもまだ駒組みしているのが普通だったけどね

2人の対戦成績が出た 丸山17勝、三浦の9勝ということだ 意外にもダブルスコアに近い数字だ
三浦は丸山を苦手としているということか 

お互いの手が、突然ピタッと止まった ここまでが下調べの範囲らしい
木村「手番を渡されたけど、プラスの手がないという、すでに難しい将棋になっています」
横歩取りの相中住まい、金銀が前に出ていく将棋ではないので、何を指すか難しいんだなあ 
こういうのはプロに任せた、私は自分で指すなら、やりたい手がいっぱいある将棋のほうを指すわ(^^;

したらば、三浦も丸山も、角頭を守っていた金を引くという手を指したではないか
こんな序盤で、もう双方が手渡し! 
木村「戦いが始まっていないのに、ガマン比べですね」

双方、時間を使って考えてる 三浦は自分から角交換してわざと一手損して、また手渡し
まだそれほど手数は進んでないのに、もう飽和状態で、動かす駒がないということか・・・ 

三浦が棋王戦のタイトルに挑戦したということで、和服に関する雑談になった
矢内「和服で対局するのと、スーツでするのでは違いますか」
木村「んー まあ、慣れればあまり違わないように思います じゃあパンツ一丁ならどうなんだというと、
 それも違う気がするんですけど」
矢内「んふふ(笑) 大いに違う気がします(笑)」

こんなアホな雑談をしていると、三浦のほうに動きがあった 丸山に角を打たせて、局面を打開!
一気に激しくなった 三浦、これは思い切ったな どうなるか
木村「(盤面が激しく動いて)山の天気のようですね」
飛車交換になり、形勢はどうか? 
木村「三浦のほうは、壁銀が気になる」
そうなんだよね 7二の金と8二の銀、金銀が完全に壁だ これ、ヘタをすれば、実質、
金銀の2枚落ちみたいな将棋になりかねないぞ

丸山が馬を作ったのを見て、木村「丸山の積極性が生きている感じ」
そしたら一転、丸山は馬を自陣に引っ張ってきた これは手堅い! 攻めて勝ちたいと思うところだが、
自陣に馬を引くのか ああー、そう言えば、丸山は自陣に成駒を引いてくるので有名だった 
木村「丸山は少し自信を持っていると思いますが、1回間違えると逆転します それくらいの差です」

三浦も攻防の角を打って粘る
そしたら、丸山、相手の竜の横利きをさえぎる歩打ち! ううーん、ここでも辛抱か
これはいい手に見える 受けの丸山、本領発揮!
矢内「竜の横利きを3重に止められてしまうと(三浦は苦しい)」
さらに丸山は桂も受けに投入、木村「念には念を3回くらい入れて」
手堅い、手堅いな~! いったんリードしたら、もう負けません、という丸山流が炸裂(さくれつ)だ

そして丸山は攻めでも魅せた 飛車を成れる準備をしておいて、桂のタダ捨て成!
矢内「困りましたね」
木村「いい手ですね 丸山陣は弱体化していないですが、三浦陣はもろくなってきた感じがしますよね」

三浦も壁金を解消させて必死のがんばりを見せるが、どうしても手遅れの感がいなめない
丸山は悠々と、と金作りに出た うわー これが決め手になるのか
そして、自陣の馬で三浦の竜の位置を微妙に変えさせて、無力化させる小技も見せた
最後はその馬をまた活用、これを指したときの丸山の手は早かった 
「読んでるぞ、逃さん」という丸山の声が聞こえてきそうだった

三浦は壁銀を解消させたが、丸山にあっという間に詰められた 
矢内は詰みを指摘したが、木村は詰みが見えてなかった 木村さん、やはり終盤力に問題があるな(^^;
117手で丸山の快勝だった  
木村「丸山がうまくまとめた印象がありますね 
 三浦の仕掛けを誘って、それをうまくとがめた指しまわしだったですね」

ふえ~、丸山、リードしてから手堅いわ 
優勢なほうにあれだけ受けに回られると、指す手がなくなっていって、実に困るなあ 
三浦としては精神的に堪える負け方だ(^^; 
丸山は終盤も強い 馬の使い方、と金で間に合うという判断、さすが名人経験者だわ 
三浦としては、やはり金銀が壁形のまま戦いを起こしてしまったのは悔やまれるところだろう
 
三浦は今期もベスト8で丸山に負けた
丸山とは対戦成績も、ちょうどダブルスコアに差が開いてしまった、というけっこう痛い敗戦だった

丸山は、3年前と4年前にベスト4に出ている(いずれも糸谷に負けている)
丸山は2005年度にNHK杯の優勝経験があるが、ここらでまた優勝したいところだろう 
矢内には次回のインタビュー時、あの髪型の意味についてぜひ聞いてほしいものだ