松尾歩 七段vs 中村亮介 五段 NHK杯 1回戦
解説 郷田真隆 NHK杯

新しいオープニング動画、大して変わりないが、郷田がビシッ!と指して、第64回NHK杯が始まった
清水市代「みなさま はじめまして 清水市代です 今期から司会を務めさせていただきます」
はじめまして、じゃないよ、よく存じてるよ(笑)

トーナメント表、新しくなったなあ おおっ、羽生と森内が3回戦でぶつかりそうだ
そしてなんといっても、大注目なのが、熊坂vs香川女流! これは・・・ なんというクジ運だ
熊坂と女流が対決するとは! 女流側としては、NHK杯での連敗を10連敗で止める絶好のチャンス!
2004年の中井女流以来の、10年ぶりの勝利なるか? 
熊坂にしてみれば、フリークラスに落ちてもうすぐ10年で引退間近、最後の勇姿かもしれない 
絶対注目の大一番だ(^^;

解説には郷田NHK杯か 開幕試合に豪華な人を持ってきたな
郷田「今期は予選で、中堅、ベテラン勢がかなり勝ちあがってきた 私は初出場どうしの、熊坂vs香川女流に注目している」
おおおーー 郷田もその一局に注目してるのか 面白い(笑) 
どうトーナメント表を見直しても、なんかそこだけ弱いものどうしに見えてしまう・・・(^^;

さて、今日は松尾と中村亮介か 角道を止めたノーマル振り飛車が見れるのかな
松尾はB1で毎年昇級候補にあがる実力者、中村亮介と言えば、ハッシーの弟分として有名だ

松尾は1999年四段、竜王戦1組、B1 B1在籍により予選シード 10回目の本戦出場
中村亮介は2004年四段、竜王戦5組、C2 予選で安西、片上、島に勝ち 2回目の本戦出場

郷田「松尾は将棋会館で、顔を見ない日はないというくらい、いつも会館に詰めて対局を検討している 居飛車の正統派、シャープな攻めが持ち味です 
中村は現代的とはちょっと違った、古風なタイプ 先輩思いで礼儀正しい青年 振り飛車の本格派、手厚い陣形を好む 棋風は対照的な2人」

事前のインタビュー
松尾「中村さんとは、お酒を飲みに行くことはけっこうあるんですけど、将棋を指すのはかなり久々です 中村さんは力強い振り飛車で実力のある棋士なので、気を引き締めてがんばりたいと思います 戦型は対抗形になるかなと思っています (NHK杯での目標は)なかなか最近振るわないんですけど、ちょっと思うところがありますが、一戦一戦がんばって指したいと思います」

中村「松尾さんは物静かな方なんですが、周りに流されない、強い意思、闘志を感じます 戦型は対抗形になると思います 観ている方もいらっしゃいますんで、恥ずかしくない将棋が指せればと思います」

今期から、読み上げ係は鈴木環那女流、時計係に甲斐日向三段だ
いよいよ対局開始 先手松尾で、居飛車 対して中村は角道オープン型の四間飛車だ
清水「最近中村五段がよく指されている形のようですね」
郷田「もともとは角道を止める振り飛車が多かったと思うんですけどね」
そうか、もう中村亮介も角道オープン党なのか ちょっと残念だ

雑談で、清水「郷田さんは、あまりパソコンを使われないという伝説を聞きますが、今はいかがでしょう」
おお、いい質問だ 郷田の答えは?
郷田「今は使っています 大変便利です(笑)」
そうか~ もう使ってるか~ ついでだから、携帯とかスマホとか、タブレットとか、何か他の電子機器を使ってるかを聞いて欲しかった 私は未だに昔ながらの携帯しか使ってないです(^^;

中村が四間飛車から向かい飛車に回す、振り飛車側の常套手段を見せた
その間に松尾は9筋の位を取っている 一歩交換があり、お互いに銀冠を目指し、のんびりムード
中村は美濃囲いの玉頭の歩を突いて、これは俗に「ちょんまげ美濃」と言われる、めずらしい形だ

と、その歩突きが甘いとばかりに、松尾が自陣角を放った ナナメのラインで相手の飛車を狙う筋だ
郷田「これは決断の一手ですね」
中村も自陣角で返し、相手の飛車を狙い、お互い様という状態
これは、まあ形勢互角だろう 問題は先手の陣形だけど、一見捕らえどころがないが、
いちおう金銀4枚での守りだ

中央から動きがあり、お互いに中飛車にして飛車が交換になった あ、もう中盤終わりか
中盤がほとんどなかったな(^^; 互いに飛車を敵陣に打ち込み、寄せ合いになった
郷田「形勢は難しく、微妙 プロにとっては、読みがいがある局面」
解説で郷田が、後手の「ちょんまげ美濃」の玉頭にいきなり先手が香を打ち込む筋をしゃべっている
そうか、ちょんまげ美濃、そんな欠点があったか 中村としてはどこかで絶対に底歩を打ちたいなあ

そんな折、松尾が自陣に居た角を中村の角に当てて活用する、機敏な手が出た
郷田「これは味がいいですね! 少し先手が有利に見えてきました ピッタリした感じの手です」
あら、郷田がこんな風に断言するのはめずらしい 中村、何か対応策があるのか?

そしたら、中村、今打ちこんだばかりの飛車を叩き切っていったー うおお、大丈夫か(笑)
で、なんと角までぶった切っていったではないか えええ もう一気のラッシュ!? いけるとは思えん!
郷田「ああ 行きましたね」
これは無理攻めな気がする 9筋の位が大きいもん
郷田「こうなってくると、序盤で突いておいた8筋と9筋の歩が利いてくる ちょっと後手は戦力不足な感じ」
ですよね~ 3枚の攻めだもんね

だが、中村もまだ終わっていなかった 5筋の歩の成り捨てを、ここぞとばかりに決行
清水「はー 歩の成り捨て」
お互いに30秒将棋に突入、ううーん、でも局面をどうするかの権利は全て松尾が握っているね
松尾、自陣の金をじっと寄った手が、冷静な好手 これで中村は困った
郷田「この手は味がいいですねえ」

もうダメか、投了かと思われたのだが、中村、ちょんまげ美濃の歩をもう一つ伸ばす、攻めに出た!
自らの玉頭も危なくなる攻めで、俗に「地獄突き」と呼ばれる勝負手だ
郷田「非常手段ですね 尋常(じんじょう)な手ではダメということで」
松尾、30秒でどう対応する・・・慌てるか?と思われたが、松尾はなんと、飛車打ちで王手して合駒を請求する、という、豪快な安全勝ち宣言! あわー、こりゃー、もう絶対負けない宣言だ(笑)
郷田「冷静な手順かもしれない」

そして松尾、いよいよ決め所と見て、寄せに出た 後はもう手続き、中村がいつ投げるか・・・
郷田が「後手玉は必至」と言ったが、まだ中村は粘った
玉の逃げ道を作った手が、郷田も気がつかなかった手で、お?と思わせる手
おお? これ、まだ捕まらない? 追って追って、あー、読みきれない
清水もまだ読みきれてないようだ 中村亮介、粘ってる もうアカンかもしれんけど、よく粘ってる

だが、郷田がついに「詰んでいる」と断言 えーっと、王手して王手して、えーっと、そうか、
玉が上に来たら、8九の桂が跳ぶ筋で詰みか! 長い詰みだなー!
中村「まいりました」 101手で、中村がついに投げた 数えたら実に(最長の逃げ方で)25手詰み!

郷田「飛車のぶつかりで、華々しい勝負になった 松尾が自陣の角をぶつける活用でペースを握った 最後は手堅くまとめた」

うん、松尾、完全に一枚上手だったね 力勝負で力勝ち、といったところだ
さすがに上位者だった 中村としては、飛車と角を両方ぶった切っていったのは、さすがに乱暴だったね
感想戦でも、中村「(攻めが)余されてしまいましたね」ということだった
飛車を切る前の、飛車打ちがそもそも問題だったということだ 
最後の即詰みは、追い詰めとはいえ、やはり見事 長手数の即詰みを観ると、気持ちがいい

司会の清水さん、普通に安定していて、落ち着いて観れる この調子でがんばってもらいたいです
郷田さんに「コンピュータは使ってますか?」というナイスな質問があった 
これからもそういう質問をしてもらいたい
読み上げのカンナちゃんも、天職と言えるね 声がすばらしいからね

私の友人Nは、松尾のことを「私(ギズモ)を1000倍強くした棋風」と言った
今回も参考になる手筋がけっこうあった 角のぶっつけ、ああ指すものなんだね

それにしても、NHK杯は、絶対に人が勝つから、いいわー
電王戦は、人が負けるんだもん(^^; 敗北感があるもん
今期もNHK杯の記事を書いて、プロ棋士の勝負を追いかけていきたい! 心機一転でGo! Go!