勝又六段の解説で、2局を貼ります 決勝リーグ6回戦の▲Apery対△Ponanza、
そして、最終7回戦の▲YSS対△Ponanzaです 

勝又「Aperyは正直、私今回ノーマークだったんです  
 Aperyは、コンピュータ将棋どうしの棋譜からデータを取って強くしている 読みの深いプログラム」

後手:Ponanza
後手の持駒:角 桂二 香 歩 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
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|v香v桂 ・ ・ ・v玉 ・v銀 ・|一
| ・ ・ ・ ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
|v歩 ・ ・v歩 ・ ・ 馬v歩v歩|三
| ・ ・v歩v銀v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ 歩 ・|五
| ・ 銀 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ 歩|六
| 歩 歩 ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ ・ 玉 ・ 金 ・ ・ ・|八
| 香vと ・ 金 ・ ・ ・v飛 香|九
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先手の持駒:金二 桂 歩 
後手番
先手:Apery

*(決勝リーグ6回戦 Ponanza5勝0敗、Apery3勝2敗で迎えた一局 後手、Ponanzaの手番)
*勝又「ここではホントは△4五飛と取りたいんですけど、取れば▲5一金から▲4一金打ちで詰みがあります
*金なし将棋に受け手なしかと思ったら、金を手にしに行きました」
△7九角 ▲同 金 △同飛成
*勝又「人間なら非常手段ですが、コンピュータには当たり前なんです」
▲5八玉 △3二金
*勝又「しぶといですね」
▲4二馬 △同 金 ▲6一飛 △5一桂 ▲6二角
*勝又「この手には感心しました 5一を狙っているだけではないんです」
△3一玉 ▲5一飛成 △4一香 ▲4三歩 △同 金 ▲5二龍
*勝又「これが▲2二金からの詰めろ、△4二金と引くのは▲4三桂からの攻めが続く これで終わったかと思いきや、まだ終わらない」
△6九角 ▲4九玉 △4七角成
*勝又「Ponanzaは、また金を入手して受けようとしたんですね」
▲5九桂 △3七桂 ▲同 金 △4八歩 ▲3九玉 △5九龍
▲2八玉
*勝又「ここで6二に角がいないと、△1九竜という手があるんです △1九竜▲同玉の変化は△3七馬▲2八合△1七香があって詰みです Aperyはよく読んでるなーとね 明らかにここまで考えてやってるんですよ」
△3七馬
*勝又「これで金を入手しました 終盤は金が大事ですね このしぶとさにはプロ棋士も脱帽です」
▲同 玉 △4二金打 ▲6三龍 △3三桂 ▲5六銀 △2五桂
▲2八玉 △5三金寄
*勝又「この手で、解説をしていてわけがわかんなくなりました(^^; 竜を逃げると△5七竜が厳しいかなと思ったら、次の手がいい手でしたねー」
▲4三桂
*勝又「この手で、玉を逃げるのは手がかりができる、△同金寄は竜に当たりがなくなる」
△同金上 ▲7二龍
*勝又「次に▲5三角成の狙いがあります」
△4二金
*勝又「ここで、次の手が決め手になりました」
▲2二歩
*勝又「これを△同銀だと、▲1二金で寄せやすくなります でも△同銀しかなかったんですけどね」
△同 玉
*勝又「△同玉と取っちゃった 次の手、コンピュータにはめずらしく痛い手を食ってましたね」
▲7七角
*勝又「目から火のでる王手飛車」
△5五歩 ▲5九角 △5六歩 ▲7七角 △3三桂 ▲2七金
*勝又「突然受けた(笑) コンピュータも友達をなくす冷たい手ができるんですね 以下は、大駒4枚全部持ったAperyが勝ちました Ponanzaが弱かったのではなく、Aperyが強かった これで優勝争いが、俄然面白くなりました」
*私の感想・▲4三桂は打てませんよ~ Apery強いですね!

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勝又「最終7回戦、Ponanzaが勝てば優勝という将棋を紹介しないといけないですね」

後手:Ponanza
後手の持駒:歩四 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金v玉 ・|二
| ・ ・v歩v歩v銀 ・ ・v歩 ・|三
|v歩 ・ ・ ・v金 ・ ・v銀v歩|四
| ・ ・ 銀 ・v歩 歩v歩 ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ ・v歩v金 ・ ・|六
| ・ 歩 桂 歩 ・ ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ 玉 銀 ・ ・ 金 ・ 飛 ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角二 
先手:YSS

*勝又「中盤の難所の場面です 先手のYSSが角2枚を持っているんですが、3六の金と4六の歩が重しになっていて、押さえ込まれる寸前なんです
*YSSはPC16台を借りて256コアという性能、Ponanzaも大学のPC何十台を借りて、クラスタ並列させています
*YSSは、▲2九角という手を考えていたくらいだったんです でも、最後の最後ですばらしい勝負手を思いつきました」 
▲6五桂
*勝又「これがすばらしい勝負手だったんです タダです
*取らないで逃げたほうが良かったみたいですけど、Ponanzaは取ったんです」
△同 金 ▲7一角
*勝又「この瞬間の角打ちで、両取りです」
△5二飛
*勝又「次のYSSの手がいい手でね」
▲2五桂
*勝又「じっと桂跳ねたんですね この桂で3三の地点を狙いました」
△4二金
*勝又「次のYSSの手が、またいい手でね」
▲4四角
*勝又「王手、合駒しにくいですね」
△1二玉 ▲5三角上成
*勝又「角を叩き切って」
△同 金 ▲4一銀
*勝又「銀打たれたら、よく見たら受けにくくなりました」
△5一飛 ▲5三角成 △同 飛 ▲3二銀成
*勝又「これで詰めろがかかってしまった」
*飯野女流「あっという間に、マジックみたいな」
*勝又「これはみんなビックリしましたね」
△2五銀 ▲同 飛 △1三角 ▲2一成銀
*勝又「これは普通はありえない手なんですけど、いい手です 普通はこんな押さえの駒を捨てたりしないでしょ」
△同 玉 ▲4四金
*勝又「この金打たれて、Ponanzaはしびれちゃった 飛車が逃げると▲2三飛成で寄り筋です」
△2四歩 ▲5三金 △2二銀 ▲8二飛
*勝又「もう一手一手です 飛車の横利きが強いです ということで、YSSのすばらしい逆転勝利で、Ponanzaの優勝を阻んだ一局でした
*YSSのことを、私が『山下死神システム』と言ったら、ネットで広まってしまいました(^^;」
*私の感想・いやー、YSSの勝負手、▲6五桂は会心の一撃ってやつですね! すばらしい桂跳ねでした


これで今年の世界コンピュータ将棋選手権のまとめを終わります 
ところで、去年は私はサボって、こういうまとめをブログに全く書いてないんですよね
こら~、去年のオレ~、まじめにやらんかい~(^^;