さて、先日、告知でお伝えしたように、今回から、第36期女流王将戦の模様をお伝えしていきたい
毎週1回、火曜に更新していきます 女流同士の戦いぶりやいかに?

女流王将戦について、まず説明をします めんどくさいと思いますが、一応読んでおいてください(^^;
・囲碁将棋チャンネルで毎週1回、土曜の夕方6時~7時36分に放送がある
・16名によるトーナメント 予選はLPSAを含む全女流棋士が参加 4名は予選免除のシード 女子の奨励会員は出れない 
・トーナメント優勝者は、香川女流王将との3番勝負(タイトル戦)を行う
・トーナメント表と放送の終わった棋譜は、囲碁将棋チャンネルのHPで鑑賞できる
・持ち時間が特殊で、各25分、使い切ったら1手40秒 (予選、3番勝負のタイトル戦も同じ持ち時間)
・霧島酒造株式会社が協賛ということで、番組の冒頭と終わりに、お酒のCMが流れる(笑)
・放送期間は8月の初め~11月の終わりまで、約4ヶ月間
・放送日の約2ヶ月前に対局があり、トーナメントが後半になると、知りたくなくても事前にどっちが勝ったか、連盟のHPなどで、どうしても伝わってきてしまう(笑)

こんなところです これだけ抑えておけば、もう大丈夫です
今年のシード4人は、伊奈川女流初段、清水女流六段、甲斐女流二冠、上田女流三段
私が注目しているのは、やはり矢内女流五段ですね あとは、あんまりわかんない(^^;
女流の棋士って、ものすごく少数しかタイトル戦に出てこないので、棋風とか知らない人ばっかりなんですよね  今期は竹部女流三段がいないのが寂しいな

今回解説の小林健二九段は、注目している人として、蛸島女流五段を挙げていた
コバケン「蛸島さんには大暴れしてほしい」 
見ると、蛸島さんの1回戦の相手は矢内ではないか 大暴れされちゃ困るな(笑) この矢内vs蛸島は面白そうだ

今回は1回戦の最初の対局 中澤沙耶アマ vs 井道千尋女流初段
中澤アマは、高校3年生 前期のこの棋戦でベスト8の成績を残している
予選で山根女流3級、長谷川女流二段、山田朱未女流二段に勝ち
アマ女王、女流アマ名人などを獲った経歴がある

いきなりアマの人が出てきたか しかし聞き手の安食さんによれば、中澤アマは、純粋アマではなく、研修会に所属しているとのこと 今、B2だそうだ これって強いの? 研修会のことまで知らないわ(^^; 女流棋士をめざすかどうかは、まだ決めていない、とのこと
さらに、普段はネット対局で腕を磨いているという情報があった ・・・24か? 何点なのか知りたいな

井道さんは、昨年度9勝6敗 ここまでの通算成績60勝68敗 26歳
予選で野田澤女流1級、真田女流二段に勝ち
安食さん情報によれば、井道さんは「明るくて、わりとのんびりした感じ すごく努力家」だそうだ
コバケン「中澤さんは居飛車党、井道さんは振り飛車党」

ついでだから書くと、読み上げが伊藤沙恵女流1級、記録が甲斐日向三段だ 
振り駒で先後が決定される 先手中澤アマで、対局開始 ・・・ふー、ここまで書くのにけっこう疲れた(^^;

中澤の▲居飛車vs井道の△ノーマル三間+美濃という、クラシックな戦型になった
まだ内容には行かず、対局中のコバケンが色々雑談してくれたので、まとめて書いておきたい
NHK杯と違って、持ち時間が各25分あるため、途中、どうしても局面が進まずにヒマなときがあり、解説者に雑談力が求められる番組なのだ(^^;
 
コバケン「将棋の一番古い棋譜は、居飛車vs振り飛車だったんですよ 大橋宗桂と、囲碁の本因坊算砂の対局(1607年) 居飛車側の玉形は、▲8六歩▲8七玉▲7八金という構え 振り飛車のほうは△6二銀△7二玉の構え 当時はそれが当たり前だったんです 美濃囲いって、1800年代まで出てこなかったんですよ」
へー、知らなかった 美濃囲いって、そんなに長い間、指されてなかったんだ!? もちろん、記録に残ってないだけで、どこかの誰かは指していたかもしれないけどね

コバケン「昔、私が20代の頃かなあ、大山15世名人が、『私も角一枚弱い日がありますよ』 と独り言のように言ってました 私はその言葉を聞いて、安心しました 調子の悪いときは、その言葉を思い出してください」 
これは貴重な証言だなあ あの無敵を誇った大山名人も人間なんだね 

さて、井道のノーマル三間に対し、中澤はどうするかだ
中澤が香車を上げたので、ここから当然、玉を潜って穴熊に囲うのか、と思いきや、いきなり銀を中央に繰り出して、激しくぶつけていったではないか! おお~ なんかすごいことするなあ 決断がいいというか、あまり時間を使わなかったけど、大丈夫か? 銀交換で収まる? とにかく、開始早々、見たこともない戦術だが・・・

そしたら、井道さん、ぶつけられた銀を取らず、スッとかわして、玉頭銀に出た!
コバケン「これがあるんですよね これは激しくなりましたね」
おおー、面白い、序盤早々、動きがある将棋になった 楽しいわ

この井道さんの玉頭銀、好手だった そしてそこから、振り飛車のさばきの見本、というような、流れるような順で、一気に形勢有利に持っていった~ おおー、井道さん、実にうまい!!

コバケン「中澤さんは、急戦と穴熊、両方をやろうとしてしまったため、作戦がうまくいかなかった」
やっぱりそうかぁ~、香車上がったのに、玉をクマらないで、突然銀をぶつけていったんだからなあ 無謀だったか(^^; というか、こういう作戦が成立しないのは、年季を積んでいれば、わかるんだけどね
それに、ほとんど時間を使わずに、決断の一手を指してしまい、もう引き返せない一本道に入ってしまってから長考する、という悪い時間の使い方だ まだ高校3年、甘さが出たか・・・

局面、駒の損得はないが、玉の堅さが大差だ もうこりゃ、決まったか?
しかし、コバケンが「中澤さんがこの手を指せば、まだ勝負になる」という手を指摘
中澤さん、その手を指せるか? そしたら、指した! やった、さすが前期ベスト8、すぐには負けないな

そして、ここで井道さんが25分を使いきり、40秒の秒読みになった 
ここまで井道さん、ほぼパーフェクトに指してきた 局面は有利、ここから終盤、勝ちきれるか?
見ていると、井道さん、うまく受けている やるな~ これは井道さん、勝ちそうだ

中澤さん、なんとか形にしようと粘っているが、これは苦しいなあ 相手の美濃囲いを一気に潰す、角のライン+吊るし桂の王手狙いで一発逆転に賭けるが、井道さんに丁寧にめんどうを見られた
もはやここまでか・・・ だが! そのとき、中澤さんが放った下段の香、これがコバケンにも見えていなかった、絶妙の勝負手だった! 井道さん、痛恨の対応間違え!
コバケン「井道さん、竜の逃げ場、一マス間違えたね ちゃんとやれば決まっていたと思います」
うわ~、ここさえ乗り切ればっていうところで、井道さん、秒に追われたか~

中澤さんの駒の働きが一気に良くなった あれ~、なんか、これ、もう全然難しくなってないか?
たった一マス、竜の逃げ場を間違えたために、あらー なんて残酷な・・・
さらに、ここから井道さんに疑問手が続く うわ、井道さん、明らかに乱れてきてる
コバケン「逆転したかもわかんないですね」  

そして、大混戦になった うわ~、こりゃもう、どっちが勝つかわからんな これぞ女流将棋(^^;
長い終盤戦、こういうときこそ、地力が発揮されるが、どっちが抜け出る? 中澤か? 井道か?

すると、攻めに回った中澤さんの手が異様に伸びてきたではないか ビシビシ指している
急所を突く手を連発、 おおー、ここに来て、この手の伸び方はすごい
金銀4枚で固めてあった井道さんの美濃囲いが、見る間にボロボロになっていく
うわー、この攻めっぷりは見事! さすが、自分で攻めが好きというだけあるわー

中澤さんの怒涛の寄せがモロに決まり、井道さんを圧倒した 105手で中澤さんの勝ち
え、105手か 130手くらいに感じた 序盤がほとんどなく、ずーっと終盤やってたからなあ

コバケン「中盤は井道がプロの強さを見せて、優勢に進めてたんですけど、ちょっとミスが出たのが痛かったですね それにしても中澤さんは粘り強かったですね」

中澤さんの会心の逆転勝利という一局だった あの下段の香、素晴らしい勝負手だった あのタイミングでしか、成功しなかった一手だっただろう あきらめない心が生んだ勝利だったね 最後の寄せっぷりも素晴らしかった ただ、序盤はダメだった 中澤さんは24だと何点くらいだろう 終盤は2400点くらいありそうだが、序盤は1400点くらいか(^^;

井道さんとしては、悔しい負け方だなあ あとたった一手、きちんと対応していれば、完封できそうだった 惜しい! 中盤のさばきは、完璧だった 美しかった 終盤の秒読みを鍛えないといけないね

終局後に、勝利者インタビューがあった 
中澤「少し序盤でうっかりしてしまって、敗勢になったかと思ったんですけど、最後は粘り強くなんとか逆転できて良かったと思います 3度目のTV棋戦だったので、一応緊張せず、今までどおり指せました  まさかまたベスト8まで残れると思ってなかったので、すごくうれしいです 去年行けなかったベスト4に、なんとか行けるようにがんばりたい」

事前のインタビューがなくて、局後に勝った人だけしゃべれるシステムなのね せっかくなので事前のインタビューもやってほしい! 井道さんの声が聞けなかったのは残念だった

だいたいこんな調子で、女流王将戦の記事を書いていこうと思います 次からはもうちょっと書くのが楽になるだろうか 今回はすごく時間がかかってしまった(^^;