さあ、銀河戦の本戦も最終戦だ この対局が終われば、決勝トーナメントの16名の顔ぶれが決まる
佐藤康光と村田顕弘、好カードだ 村田は何しろここまで6人抜きしてきているのだ

昨年度の成績は、康光19勝18敗 0.514 村田27勝11敗 0.711
解説の深浦「康光は銀河戦3回の優勝があり、早指しも強い 優勝を狙っているでしょう
 村田はここまでそうそうたるメンバーに勝ってきていて、顔つきも、りりしいですね
 両者ともパンチ力がある」
村田の表情、たしかに、いい顔つきだ キリッと引き締まった武士のような顔だ 期待できそうだ
あら、深浦さん、紹介文、それだけか 両者の棋風とかも言って欲しい・・・

私がもし康光の棋風を紹介するとしたら、「康光は棋界のピカソと呼ばれています
 居飛車、振り飛車という枠に捕らわれず、他の人が真似できない斬新な序盤戦術を次々
 編み出しています 康光の序盤からは目が離せません 中盤も、一見無理筋と思える手を指し、
 ムチャミツと言われるんですが、よくよく考えると成立している、そこが緻密流と呼ばれるゆえんです 
 終盤も強いですが、特に自玉が堅いときはメチャクチャ強いです」  こんな感じかな(^^; 

先手康光で、横歩取りの出だしになった あー、またか と思いきや、康光は横歩を取らず、▲5八玉だ
おおー、これは! 将棋年鑑の「上野裕和の最新将棋事情」に、モロに載ってある手ではないか!
それによると、「最近有力視されているのは、▲3四飛と横歩を取る局面で▲5八玉と立つ手である。
 佐藤康光九段が多用しているので康光流とも呼ばれている。」
おおー、年鑑がもう役にたったぞ いやあ、本に書いてあるとおり進むと、なぜかうれしいなー(笑)

深浦「▲5八玉は康光流」 そして、その狙いを簡単に説明してくれた
深浦さんの解説は、毎度のことながら本当にわかりやすい 解説者としてもA級だなあ
ここから駒組みが続く、持久戦になった
雑談で、深浦「村田とは、大阪で研究会で教わることがある 大阪の研究と東京の研究は全然違う」
聞き手の藤田綾女流「どう違いますか?」
深浦「東京はきっちりとした最新形を、深く研究する 大阪の人は、発想が柔軟 面白いアイデアを
 たくさん持っていますね」

藤田の情報によると、村田は本も出しているそうだ どういう本か、今から調べてみる
もちろん、棋書ミシュランで調べるのだ  Rocky-and-Hopperさん、いつも見てますよー(^^)
「最新戦法 マル秘定跡ファイル」(2012年) 「アマの知らない マル秘定跡」(2013年)
ミシュランでの評価はそれぞれBとAか 難しそうな本だなー(^^; 

さて、駒組みが進む 後手の村田はひねり飛車模様なのだが、なかなか飛車をひねらない
深浦「村田は駒がバラバラで、まとめるのが大変そう」
藤田「ひねり飛車は、こういう形になりやすいんでしょうか?」
深浦「後手の村田の形は、今後二度と見ないと思いますね(笑)」
あらー、こう言われてしまった ホント、村田はこの駒組みで大丈夫なのか?
玉が全然囲われていない 何がやりたいのか、初心者が指したみたいな駒の配置になってる

深浦「康光の駒運びは、無駄がない 村田は離れ駒が多い」
んー、村田、全く大丈夫じゃなさそう 駒がぶつからないうちに、かなり差がついたな

が、ここから村田が力を見せた 働きのなかった角を転回、これで勝負になるか?
深浦「村田、どうまとめるんだろうと思ってましたけど、康光のほうにも嫌なところは残ってますね」
その間、康光はじっくりと、と金を作って動かして、やって来い、という態度だ
駒の損得はないが、康光だけ、と金を作っている 

そして、村田がいよいよ大勝負をかけてきた さあ、ここが剣が峰だ んー、複雑だな 何かあるか?
深浦「色々手がありそうで、目がチカチカしますね」
と深浦が言った刹那(せつな)だった、康光、と金をタダ捨て! おおー、そのと金は、4手もかけて
ようやくそこまで相手玉に近づけた駒なのに、捨てちゃうのか すごい発想、そんな手がある!?
村田も思わず考慮時間を使った さっそく深浦が検討するが、どうも、相当いい手だったようだ
深浦「んー うまい手の気がしますね 名手ですね」
はい、名手、来ました! 好手とか妙手はよく聞くけど、名手ってのはなかなか言われないぞ

この一局、この康光の、と金捨ての「名手」で、事実上、決まってしまった 
局面、まだ駒がたくさん当たっていて、終盤はまだまだこれから、と思われ、
深浦も「激しくなりましたねー」と解説していたのだが、なんと、あろうことか、村田、突然の投了!
これには私はびっくり 「え!!」と大声を出してしまった
75手の短手数で康光の勝ち

藤田「ちょっと急な・・・」 深浦「唐突(とうとつ)でしたね」
2人も思わずびっくり、だった 早いよね~ ここで投了はね
深浦「非常に意欲的な村田の指し方でしたけど、ちょっとやっぱり、まとまるまで時間がかかったと
 いうのと、康光の指し方が完璧でした と金の使い方が見習うべきいい手でした
 康光の完璧な試合運びでした」

んー、村田、さすがに投了が早すぎるよ TV棋戦なんだから、視聴者のためにあと少なくとも
 4手くらいは指さないと・・・ 駒がまだ当たっているわけだからね
たとえ大差がついていても、終盤、プロがどう寄せるかっていうのも視聴者の楽しみなのだ
TV棋戦でこんな早投げはしないで欲しい 本局のように、構想の段階で差がつき、勝負どころが
あまりなかった将棋こそ、最後のほうまで指すというファンサービスをしてくれてもいいだろう 
村田はもうすでに決勝トーナメント入りが決まっていたのはわかるけどさ・・・

感想戦で、▲5八玉について、康光「何局かやっているんですけど」
 村田「序盤の構想の早い段階で、初めて指す局面になったので、よくわからなかったです
 王を囲わないとダメでした」

序盤の相当早い段階で、温厚な深浦に「後手の村田の形は、今後二度と見ないと思いますね(笑)」
こう言われる駒組みをしちゃった時点で勝負あった、という感じの一局だった(^^;

会心の内容で完勝した康光は「うまくいきすぎちゃったな (▲5八玉を)真似されちゃいそう(笑)」
と、かなり上機嫌だった まあー、今回は何もかもうまくいったね
康光の強さばかりが目についた一局だった 村田は序盤がひどすぎ、力を発揮できず あーあ(^^;
私は康光が好きなんで、勝ってうれしかったけど、終盤の寄せるところも観たかった

Hブロックからは、村田顕弘が、中座、富岡、真田、安用寺、阿久津、久保に勝って6人抜きで 
最多勝ち抜き者、佐藤康光が村田顕弘に勝って最終勝ち残り者となった

さて、今回もう一つ、私が気付いたところがあった それは、聞き手の藤田綾女流のことだ
この人、めっちゃいいなー! 聞き手としてほぼパーフェクトと思える 相づち、質問、フォロー 
どれもうまい! そして声も良いし、かわいいし! 観ていて気持ちが落ち着く 
ニコニコ動画の電王戦で藤田さんを観ていた時には、なぜかそれほど気付かなかった 
さすが矢内さんが、「女流棋士の中でお嫁さんにするなら」で選んだだけある
藤田さんを、次のNHK杯の聞き手に頼む! マジで頼む~!