あら、また久津さんとハッシーやん 2本撮りがバレバレ(^^;
おお、今日は羽生と阿部光瑠(こうる)か 個人的に、1回戦で一番注目しているカードだ
光瑠と言えば、去年の第2回電王戦で、習甦を相手に、完璧な指しまわしで完勝して、
一躍ヒーローになった棋士だ 王者羽生を相手にどう戦うか

羽生は、今年度の成績が9勝0敗 Bブロックで森下に勝ち最終勝ち残り者となった
光瑠は、今年度の成績が4勝3敗 Gブロックで4人抜きして最多勝ち抜き者となった

ハッシー「羽生は言わずと知れたスーパースターですね タイトル獲得が87期、棋戦優勝が42回 銀河戦の優勝は7回 いやーまあすごいですね  今回は先手番ということで、さらに磐石の強さを見せるんじゃないか
光瑠は平成6年(1994年)生まれの19歳 これは羽生が初めて名人になった年 とにかく若くて才能にあふれていて、早見え早指し 何でも指しこなすし、ハッとするような手を指す 荒削りな感じも良くて、これからバランスが良くなってきたら、ものすごく完成された棋士になると思います 今日は思い切ってぶつかっていって欲しい」

雑談で、久津「光瑠は研究熱心で、1日8時間~10時間くらい勉強しているというのを本で読みました」
ハッシー「私も10代の頃はそれくらいやっていたんですけどね 年々減っていって(^^; 光瑠君は、羽生のような強い棋士と当たって、経験を積むべきですね 僕は羽生さんとは当たりたくないんですけど(笑)」

羽生の話題になり、ハッシー「データベースがあるんですけど、羽生は先手番が特に強くて、勝率が8割以上になると思います 羽生は読みのスピードが速いから、相手が本線の手を読み終わる頃には、もう次の第2、第3の手まで検討している だから手の見え方が違う 視野も広いので、他人の気づかない手が指せる そこが羽生の強さの一番のポイント」

さて、先手羽生で、相居飛車になった 
羽生が飛車先を決めた後、早々に角道を止めるという、変わった作戦を採用し、持久戦になった
羽生は穴熊に潜る趣向だ 羽生の▲穴熊vs光瑠の△矢倉だ

羽生のほう、駒組みが飽和状態になり、攻めていったのだが、ハッシーには不評だ
それもかなり不評 
ハッシー「羽生の攻めは軽すぎるんじゃないか 光瑠が形勢を良くできそう 羽生のほうは、角が全く使えていないのがまずい 駒組みの作りは光瑠のほうがいい これで羽生が攻めをつなげたら、恐ろしい」

光瑠は堂々と本筋の手で受け、ハッシー「光瑠はびびってない これはハッキリ光瑠が優勢になった 羽生は攻めが切れてしまった」
あわわ、こ、これは何ということだ 羽生、穴熊に囲ったため、他の駒の応援が利かない
なんと言っても、角が全く攻めに参加できていない いくら羽生でも、挽回不能では!?

ところが、手が進んでいくと、ハッシー「簡単には決まらなかったですね」
小駒だけで攻めをつなげようとする羽生 受ける光瑠
そして、さらに手が進むと、ハッシー「んー ちょっと逆転模様に思いますね しがみつかれた感じがある」
おいおい、ハッキリ光瑠が優勢で、羽生の攻めが切れたんじゃなかったのか
羽生は穴熊なので、攻めさえつながってしまえば、勝ちになるぞ

ハッシー「光瑠は何かちょっと、あっさり指しすぎたんじゃないかなー」
寄せ合いになったが、もう形勢は逆転しているとハッシーの解説
ハッシー「ひと目は羽生勝ち」 
こうなったらもう羽生は間違えない、最後は長い即詰みをピッタリと決めた
並べ詰みとはいえ、歩しか余らない19手詰みの長手数だ 103手で羽生の勝ち

ハッシー「光瑠のほうが作戦勝ちから、羽生の攻めが切れていたように見えましたけどね 光瑠がうまくやれば、切らせていたんじゃないかな 羽生は勝ちになってからは速いですね 光瑠には惜しい一局でした」

ええー、この一局、どうだったの? 羽生の攻めは、切れていたよね?
幸い、感想戦がたっぷりあった そこで判明した事実は、やはりそうだった、とのこと!
光瑠が最大の勝負所で正しく指していればどうだったか、という変化で、
羽生は「明快にダメでした」と発言し、劣勢を認めていた
それも、本当にハッキリ羽生が全然ダメになる変化だった ハッシーの大局観は正しかったのだ 

その問題の場面で光瑠が指したところを巻き戻して観てみると、光瑠はなんと9回も考慮時間を残しており、そこで使ったのはたった1回! ああああーー、光瑠、何でもっと時間を使って考えなかったんだ
選択肢は単純な手の2択で、大きな分岐点で、まだ時間を9回も余していたのに・・・! 光瑠、なんですぐ指しちゃったんだよ~

結局、感想戦では、少なくとも2度、光瑠に受けきるチャンスがあったということだった
あああー、光瑠、もったいなさすぎる! 羽生に勝てる大チャンスだったのに~

この一局、なぜ羽生がピンチになったかというと、変則的な序盤を羽生が試したからに他ならない
羽生はたま~に、こういう実験的なことをやるからなあ(^^; 
あの5連覇がかかったNHK杯の決勝の渡辺戦で、無理やり矢倉を採用して、惨敗した一局を知っている人も多いだろう  本局も、危うくそうなるところだった マジで、危なかった

羽生が本局のような、「相居飛車で一直線に穴熊を目指す」という序盤作戦を採用することは、たぶんもう二度とないだろう それくらいまずい序盤だった
光瑠の序盤の対応は完璧で、なぜ相居飛車で一直線に穴熊に囲うのがダメなのか、というお手本を示してくれた その意味では価値がある棋譜だ だけど、本当に惜しかったな~ 
あとちょっと慎重に時間を使って考えていたら、羽生に勝てるところだったのになあ
まあ、私としては羽生が勝ったんで、また2回戦で羽生が観れるのはうれしいが(笑)

羽生が危険な序盤作戦を採用し、不利になったが、なんとか逆転勝利、という一局だった