毎週火曜は、女流王将戦の模様をお伝えしている ちなみに、囲碁将棋チャンネルで土曜に放送がある
今回は、室谷由紀さんか 最近、関西から関東に移籍したんだってね 
ちょうどこの前の将棋フォーカスで、がんばっている姿が取材されていた
相手はNHK杯の聞き手でおなじみの、清水市代さん! クイーン称号を4つも持っていてタイトル通算獲得数が43期の、女流界の大御所だ (ちなみに里見香奈さんは通算16期)

室谷由紀女流初段は、昨年度の成績が10勝5敗 ここまでの通算成績が52勝35敗 0.598 森信雄門下 予選で島井女流二段、中村真梨花女流二段に勝ち 21歳

清水市代女流六段は、昨年度の成績が18勝7敗 ここまでの通算成績が556勝221敗 0.716 予選はシード 45歳

解説の村山慈明七段「室谷は振り飛車党で、非常に攻めっけの強い棋風 控え室でもよく見かける よく詰将棋を解いている 終盤が強い印象 
清水は女流棋界の第一人者 基本的には攻め将棋なんですけど、振り飛車が相手のときはどっしりと構えて反撃していく」
過去の対戦成績は、室谷0勝、清水2勝ということだが、村山「直近の一局は、室谷が勝ち寸前まで行った」

聞き手の本田女流「事前のアンケートでは、室谷は自分の棋風を『攻めがほとんどを占めている棋風』 抱負は『まずは1回戦を勝ちたい ライバルの香川さんと番勝負を戦いたい』 
清水は自分の棋風を『水のような棋風』 どこを観て欲しいかは『構想を見て欲しい』」

私はちょっと笑ってしまったのは、清水の自分の棋風についての言葉だ
「水のような棋風」・・・これは、あの格闘家のブルースリーが言った言葉、「武術の究極のスタイルは、水のようであることが理想」というセリフにつながるではないか
水は入れる容器によって自分の形が変わる、つまり戦う相手によって変幻自在ということだ そんな棋風を清水が体得しているのだろうか?

さて、先手室谷で、角道オープン型の向かい飛車だ 清水は例によって居飛車 
本田「以前、私は室谷と指したんですけど、攻めを受け止めて安心していたら、第二段、第三段の攻めが、ひるまず来るんですよね 動揺して負けてしまいました(^^;  室谷は今日のためにたくさん練習してきたそうです」

室谷の片美濃、清水の舟囲いの組む途中、という双方軽い囲いで、早々に戦いが始まった
解説の村山の予想手が度々はずれ、「なかなか当たらないですね~(^^;」
両者、最善を指し続けているわけではないようだ しかし、それが絶妙な形勢のバランスを生み、釣り合いが取れてるではないか かなりのいい勝負になっている!

形勢不明のまま終盤の40秒将棋に突入 室谷さん、強豪の清水さんを相手に、こりゃ、大健闘しているな
清水に受けの妙手、大駒を近づけて受ける手が出て、村山「なるほど~ 良さそうな手ですね!」
村山も感心だ さすが清水だ、こりゃ、室谷、厳しくなったか

が、室谷も、なりふり構わず、金銀打ち換えの千日手模様で踏ん張る
清水は千日手にする権利を放棄して、局面を打開した
そして、右手をクルクルッと顔の前で2回転させて、頭を抱えた な、なんだこのアクションは(笑)
村山「激戦ですね どっちが勝っているのか」
解説の村山、「この手は詰めろになっているかどうか」というセリフが何度も続く
うーむ、ここまでの形勢不明の混戦はなかなかめずらしいな 
あの香川女流王将vs熊坂五段の戦いを思い起こさせるなあ 全く退屈させない、息詰まるとはこのことだ

村山「コンピュータなら詰めろをかけておいて、ハイ、自玉は詰みません、とやるでしょうけど、人間は恐怖がありますからねー」
清水が5段目に攻防の飛車を打てば、室谷も金を受けに投入、最善かどうかはわからないが、まさに実戦的な手の応酬だ こ、こりゃ、めっちゃ見ごたえあるな 女流とは思えん!
村山「目まぐるしいですね 今の室谷の受けで、これは清水は慌てますよ」

解説の村山さえも次の手が見えない、そのときだった 清水、相手の歩頭に銀のタダ捨ての鬼手!
村山「おおー! またすごい手が出ましたね! どういうことなんでしょう?」
と、村山も指された瞬間、意味がわからないと発言したのだが、進んでみると、これが室谷の美濃囲いを崩壊に導く、最短の一手となっていた
村山「銀捨てはすごい順でしたね 清水がうまく攻めをつなげたですね すごい勝負手でしたね」

結局、この清水の一連の攻めの順が決め手となり、勝負あった 104手で清水の勝ち
げ、激戦だったな・・・ 24手目から駒がぶつかり、延々、戦っていた

本田「大熱戦でしたね~」
村山「ホントに大熱戦になりました 終盤ホントに、清水のほうに底力を見せた手がたくさん出ました 白熱した終盤で、室谷のほうにもこうやれば勝ち、というチャンスがきっとあったと思うんですけど、秒読みということもあり、見つけられなかった」

いやー、これは、間違いなくここまでの1回戦の中で一番の熱戦だった 
ここまで追い詰めた室谷さんも見事だが、それを底力で上回った清水さんの強さが際立っていた! さすがクイーン称号4冠!! こうでなくてはね! 
清水さんの自己分析、「水のような棋風」というところにちょっと笑ってしまった私だが、そう言うだけあるわ!
清水さん、終盤は、室谷さんの攻めを水のように柔らかく受け、そして自らは、まるで津波のごとき怒涛の寄せを決めたな~ いや、これは素晴らしかった! パチパチパチ

室谷さんも、練習の成果を存分に出したが、清水さんにここまで力を出されては仕方ないね
大御所の清水がその本領を発揮、若手室谷を打ち砕いた一局だった どちらも見事だった! 良かった!