村田顕弘と、松尾か 他棋戦ではいまいち、目立たない2人 銀河戦はかっこうのアピールの場だ
おお、解説に森下さんか! 楽しみだな 解説、若手よりベテランが出てくれたほうが、
味があって面白いことが多いんだよね 聞き手は上田さんか こっちも、そろそろベテラン?(笑)

村田は、今期ここまで6勝4敗 Hブロックで、中座、富岡、真田、安用寺、阿久津、久保に勝ち、最多連勝者で決勝トーナメント進出 
松尾は、今期ここまで5勝0敗 Fブロックで、畠山鎮、屋敷に勝ち最終勝ち残りで決勝トーナメント進出
おっ、松尾、髪型がいつもとちょっと違う 整髪剤をつけて、ビシッと決めている これはカッコいいね~!

解説の森下「村田は大変な研究家 特に横歩取りの研究にかけては、現将棋界で一番と言ってもいいくらい とにかく細かく深く研究しています また詰将棋でも非常に有名で、いい作品をたくさん発表している 
松尾はとてもバランスの良い棋風 居飛車が基本だが、ゴキゲン中飛車や角交換振り飛車も指す 非常にうまく局面をまとめていく 村田と同じく深く研究していて、横歩取りには一家言も二家言もある」

事前の戦型予想で、森下「どちらも横歩取りを避けないでしょう 最新形の横歩取りが見られるでしょう」
ところが! 始まってみると、なんと先手の村田は迷いなく中飛車に~(笑) 対抗形になった
森下「いやいやいや 予想が大ハズレで(笑)」

さて、後手の松尾が、普通の舟囲いから、△4二金右と固めたのだが、これに森下も上田もビックリ仰天した
上田「驚いた手が出ました」 
森下「これは私は初めて見ましたね ネット将棋でしたら、クリックミスかと思います(笑) 現代将棋は何でもありと言われますけど、さすがに前代未聞だと思います」
上田「初めて見ました」
森下「私が奨励会の頃にやったら、破門されます(笑)」
ええ~、これ、「箱入り娘」っていう、マイナーだけど、ちゃんと名前も付いている囲いじゃん
私は、2人が全く知らなくて驚いた、ということに驚いたわ(^^; 2人ともホントに初めて見た、とのことだ

序盤、駒組みが長かったので、雑談で森下が楽しませてくれた
森下「昔は、『将棋はこうあらねばならぬ』という固定観念が強かったですね それが取れてきたのは、羽生さんたちが活躍した平成に入ってからではないですかね 私がプロになった当初は『定跡を勉強する』なんていうのは、弱いからだと言われました 米長永世棋聖なんかは、『悪いくらいじゃないと力が出ない』と言われていました 将棋は、中終盤で勝負するものだとね もう将棋に対する考え方が全然違いました」
上田「今ですと、いかに先に1点を取ってそれを守りきるかですよね」
森下「そうですね」

まだ雑談が続く
森下「僕は、村田の書いた本を何冊か持っているんですけど、自分がもしここまで研究してたら、これは秘密にしておくなあ、っていうのがありましてね(笑) 今の人は研究をどんどんオープンにしてますよね (村田の本が難しいので)今の将棋の本は、プロと奨励会員とアマチュアの超強豪、それ以外は誰が買うんだろうというくらい、難しい本が多いですよ(笑)」
全く、それは私も思うことがある プロの最先端を扱った本が数多く出てるけど、そんなの、プロしか読まないんでは? 出版社は採算は取れてるのかな、と心配になってしまうわ(^^;

局面が進み、相穴熊模様になった 森下は、まだ松尾の「箱入り娘」に感心していて、
森下「松尾の△4二金右は、中飛車の定跡を根こそぎ変えるくらいの手かもしれません この一局の後では、この同一局面で△4二金右が激増すると思います」
ん~、ただの「箱入り娘」だけどな~(^^; 
ウィキペディアにも、「相手の様子をみながら居飛車穴熊や左美濃を組む際にこの形になることはある。」
と出てるよ ちなみに、「箱入り娘」の命名は、あの有名な「将棋は歩から」の著者の加藤治郎だそうだ
相当昔からある囲いだね・・・(^^;

コンピュータ将棋についても雑談で話してくれたので、書いておく
上田「最近ですと、コンピュータと研究されている棋士も多いと思うんですけど」
森下「私もコンピュータとぶつかり稽古しているんですけど、私のほうが良くなることが多いんですね ところが、コンピュータは陸上競技で言うと、すぐ後ろからヒタヒタとついてくるんですよ そして最後に抜かれちゃう(笑) この将棋を負けるかっていうのがありますね 決定的なリードは与えてもらえないんです ヒタヒタヒタヒタついてきて、こちらがちょっと息を切らしたら、さっと抜かれる 人間だと、ヒタヒタついていくほうも苦しいんですよ 人間は追っている側も気持ちがなえてしまう コンピュータは気持ちが絶対なえないんです それがコンピュータの一番の強みですね ハッとするようないい手もよく指してきますね」

さらに、まだ面白かった雑談があるので、書いておく もう書いてるこっちも意地だ(^^;
森下「上田さんの師匠の伊藤果さんの詰将棋、スポーツ紙に載せられている問題が、えらい難しいので、この問題を解く人は誰なんだろうと思います(笑)
上田「私の師匠の伊藤果は、読者に解かせてあげる、というより、解いてみろ、と読者と勝負してます(笑) 最近では初心者用の詰将棋をネット上に載せているので、検索していただければ」
今ちょっとだけ検索したら、13手詰とか11手詰で中合いが出てくるとか、そんなページが見つかった
ぜんっぜん初心者向けじゃないんですけど・・・(^^; あ、別のページも見つかった 
けど、こっちは3手詰からあるけど、15手詰もあるのね 私は全然ダメだわ(笑)
ちなみに、私は詰将棋は7手までで充分と思ってる 9手はよほど調子がいいときでないと、解かない

さて、お互いにガッチリ相穴熊に囲いあい、戦いが始まった
中盤の折衝で松尾がうまく立ち回ったようだ 村田は飛車を捕獲されてしまって、不利っぽい 
これで、▲村田の角2枚+と金vs△松尾の飛車2枚+桂得という終盤になった

飛車2枚の松尾のほうが良さそう、と森下 
私もそう思って観ていたのだが、村田が角2枚を敵陣に打ち込んで、無理やり攻めていった
この強引な攻め方に森下は驚愕、
森下「飛車2枚を持たれたら、僕は受けに回ることしか考えなかったんですけど、斬り合って勝とうということですね 村田はすごいですね~」
この村田の攻め合いが存外、うまくいき、盤上、攻め合いの激戦になった 
村田は大駒を全て捨てて、相手の穴熊をとにかく薄くして迫る 
大駒4枚を持った松尾も相手玉にプレッシャーをかけていく すごい終盤だ

お互いに攻めつつも、自玉が危ないので、どの駒を渡したらダメ、と考えなくてはいけない、というギリギリの終盤だ こりゃー、大熱戦になったな 
村田の攻め方がすごかった 松尾の玉が2段目に居るのに、村田は6段目の銀を5段目に上げて迫る手を指した おいおいおい、そんな手が間に合うのか!? しかし、実戦、なんとこれが間に合ってきた!

そしてついに必至をかけられた松尾、駒を大量に持って、後は詰ますしかない!
詰むか? 詰まないか? 村田の合駒が価値の高い駒しかないのがどう影響するか、という、ホントにギリギリの詰むや詰まざるや! こ、こりゃすげえな 大差がつきやすい相穴熊でこんな僅差なのはめったにないぞ 松尾、詰ますか~? 村田、逃げ切るか~?

すると、松尾の手が伸びた 金と銀をどちらを捨てるか、を間違えることなく、見事、長手数の詰みをビシッと決めた!! おおー カッコいい~! 森下は解説で金と銀、打ち間違えてた(^^;
数えたら、25手詰! 松尾、やったー 会心の詰まし方だね さすがA級を狙う棋士だけある! 

森下「最初はちょっと松尾がポイントを取ったかと思うが、途中危なくした しかし最後はこれほど見事な詰みがあるとは思いませんでした 見事でした 大激闘でした」

いや~、濃い1時間38分だったな~ 森下さんの雑談も濃かったし、将棋も濃かった 充実してたな~ 
最近、ブログの更新が忙しいんで、もっとあっさりした内容がいいなと思ってたら、この濃さ(笑)
松尾、最後の詰みは、さすがトップを狙うプロだ 「うまく局面をまとめる」という棋風紹介の表現が
バッチリ当たっていた 遊び駒が全然なかったもんね 素晴らしかったよ~ パチパチパチ 

森下さんの解説も、よくがんばって詳しかったし、これが視聴率の高いNHK杯じゃないのが残念なくらいだ
ただ、「箱入り娘」が昔からある囲いだということは、誰か森下さんと上田さんに教えてあげたほうがいいと思う(^^;  見ごたえ充分、面白い内容だった さすが決勝トーナメントだ!