決勝トーナメント1回戦、最後の対局だ ナルゴンと渡辺、ナルゴンがどこまで食らい付くかだな
ちなみに、ナルゴンとは畠山成幸(なるゆき)のニックネームだ 
双子の畠山鎮(まもる)は、ハタチンと呼ばれている
あら、また森下さんと上田女流のコンビか もう2本撮りがバレバレ(^^;

ナルゴンは、今期ここまで1勝4敗 田村、飯塚に勝ち、Fブロック最多連勝者として決勝トーナメント進出
って、たった2人抜きで最多連勝者か これはラッキーだったな

渡辺は、今期ここまで3勝3敗 山崎に勝ち、Gブロック最終勝ち残り者として決勝トーナメント進出
山崎との勝負は、横歩取りで難解な長い戦いがずっと続き、大苦戦して辛勝した一局だった

解説の森下「ナルゴンはバランスの取れた柔軟な棋風 双子の鎮は、非常に鋭い攻め将棋なんですけどね
渡辺はまだ棋士になって14年なんですけどね なんかもう30年くらいやってる感じがする(笑) 年齢的には30歳なんですけど、風格があります 竜王連続9期の大偉業を成し遂げた 年は若いけど、重鎮と言ってもいい存在ですね」

ちなみに、おとといの記事で、私は上田初美女流のことを、もうベテラン?と書いた
上田さん、調べたらまだ25歳だった 25歳の人にベテランは失礼だったな(^^; 
もっと年齢が上かと思ってたわ ただ、なんと12歳でプロになっていた、とウィキペディアに書いてある!
12歳でプロ~! もうプロ13年目か やはりベテラン・・・?(笑)

先手ナルゴンで対局開始
森下は、渡辺が後手になったので、振るんじゃないかと予想していたが、横歩取りになった
△8四飛+△5二玉型の最新定跡に進んでいるそうだ

例によって、森下の雑談が弾んだ
森下「渡辺は、『勝ちやすい』という概念を確立した人なんです 勝ち方のうまさは際立っています」
上田「渡辺は、居飛車も振り飛車も指して、作戦の幅を広げておこうということでしょうか」
森下「そうですね 横歩取りの歴史も進みまして、平成5、6年頃に中原さんが中原囲いを編み出したんです そして中座さんが平成9年に中座飛車を発表されました」
ホント、よく覚えてるな~ 年号とかも覚えてるのはすごいわ

早々に渡辺から飛車をぶつけ、飛車交換になった
森下「最初、この飛車ぶつけを見たときには絶句しました ついに将棋もここまで来たかと独創性と知識、両方が必要になる戦型です この将棋を大山先生が見たら、怒られちゃいますよ 大山先生が言っていた名局の定義は、40枚の駒のうち、35枚以上が動いたのが名局の定義の一つと言われていました 今の将棋は15枚くらいしか動かないことがある(笑)」
うむ、今の将棋は、金銀を前に出さない将棋も多いからねえ 低い陣形のほうがいい、ということで、歩も突かなかったりね

さて、ナルゴンも渡辺も、淡々と手を進めている 飛車交換になって、ナルゴンが竜を作ったが、こんなところまで定跡、という森下の解説だ 
上田「お互いにどこまで自分の研究が正しいかというのを、ぶつけ合っている形ですね」
森下「私は、自分が知らないだけで、これはもう結論が出てるんじゃなかと不安に思いながら、実戦を指しています(笑)」
森下さん、正直だな(笑) 考えてみればそうだろうなあ、定跡形になるとそうなるよね  
全部の最新の変化なんて、日々変わるから知ることはできないからね

局面、落ち着き、じっくりとした戦いになった
森下「これは力比べですね ナルゴンの盤上の竜が強いか、渡辺の持ち駒の飛車が強いか パッと見、渡辺の方が手がわかりやすい 飛車の打ち込みを狙う確実な手がある ナルゴンの竜はたしかにすごい駒ですけど、竜1枚で動いてますから」
この森下の予言が、モロに的中した 手が進むほどに、渡辺の模様が良くなっていく
渡辺の確実な攻めが来る前に、ナルゴンは何か動かねばいけないのだが、どうにも動く手がない

森下「ナルゴンは、動かす駒がないんですよねー 渡辺が充分な形勢と思います」
そんな中盤、一瞬、渡辺側に、何をするか、手が広い場面が訪れた 
有利を拡大する攻めの直接手があるのか? 
すると、渡辺、じっと、と金の卵を作る歩の垂らし! う、うまい! これはいい手っぽい! 
森下「こういう風に、渡辺は、最小のリスクで価値の高い手を選んでくる 佐藤康光の将棋なんかは、柔道で言えば力でねじ伏せて放り投げる剛の将棋、ただそれは危険も多いんですよ」 

直接の駒の損得はほとんどないのだが、どうにも駒の効率が違いすぎる 渡辺の駒がナルゴンの駒を全面的に押さえ込んでいるかっこうだ ナルゴンは身動きが取れない こりゃー、渡辺、もう逃さないだろう
森下「私が渡辺側だったら、攻めるとみせかけて受けにまわって、駒を取りに行く(笑)」
上田「全駒狙いですね(笑) ナルゴンは、包囲されている感じで厳しいですね」

もう完封まであと少し、攻め合って勝つか、受け切って勝つか、選択権は完全に渡辺にある
渡辺なら逃さないだろうと思われたのだが、異変が起こった
そこまで完璧に指していた渡辺の手が止まり、考慮時間が▲0回vs△0回に・・・
あれ、渡辺、何か誤算か? ナルゴンに勝負手が出て、
森下が「これはなるほど、うまい手です」と賞賛している
渡辺、さっきからずっと受けに回っているのだが、なんか、ナルゴンの攻めがつながってしまったような雰囲気が!? 渡辺、これは想定内なのか?

森下「あれー? このナルゴンの攻めは、ちょっとイヤなんじゃないですか ちょっとじゃ済まない気がします これ、かなりイヤな局面ですよ さっきまでは、だいぶ渡辺がいいと言っていたんですけどね」
んーー? 渡辺、攻めても受けても勝てそうな終盤だったのだが、よもやの受け間違いか?

ナルゴンにまさかのチャンス到来? ナルゴン、このチャンスを活かせるか?
指し手が進む・・・ が! ナルゴンも30秒では、勝ち筋を発見できなかった!
明らかに攻め負ける順に、秒に追われて飛び込んだ あああー 
森下「ちょっとナルゴン、慌てた感じがありますねー」
ああー、ナルゴン、それじゃ勝てないわー ここまでがナルゴンの限界だったか ガクッ
まあ、私は森下の解説があるから、こんな風に思えるわけだけど(^^;

森下は、この忙しい終盤で、ナルゴンの8九の桂を7七に跳んで活用させたい、と何回も言っていた
遊び駒の活用とともに、自玉も広くなる、と言う森下 これはすごい大局観、と本当に思った
そのチャンスを、ナルゴンは逃してしまった 本譜はナルゴンは明快に負ける順を選んでしまった

最後は渡辺が攻め合いに持ち込み、勝ちきった 134手で渡辺の勝ち ふー、事なきを得たか・・・
森下「ナルゴンは遊び駒がたたった 8八の銀、8九の桂が壁になった 一方の渡辺には、いないほうがいい駒が一つもない 渡辺らしい勝ち方のうまさだった」

森下さん、解説、お疲れ~ 雑談が良かったよ~ 
終盤、8九の桂を活用させたかったって、すごい発想だった  

感想戦で、渡辺「(終盤)受けすぎてイヤなことになっちゃったなと思ってました おかしいですよね」
やはりそうだったか 渡辺、途中で失敗していたか 危なかったもんねえ 
んー、この優勢な将棋を完封勝ちに持っていけない、どうも渡辺の調子がおかしいと思える
本来の渡辺なら、あれだけ中盤で模様が良くなったら、全く危なげなく、
ナルゴンに何もさせずに勝ち切っていたはず
それが終盤、ここまで危なくなって、なんとか着地っていうのは、渡辺、調子が良くないなあ 
 
結果だけ見れば順当、無風だった 
しかし、渡辺の勝ち方の内容が山崎戦に続き、良くないのがかなり気がかりだ 
渡辺はもしかしたら、今後、タイトルホルダーとしてコンピュータと戦うということがあるかもしれない
そのときには万全の調子で臨んで欲しいものだ この内容だと危ないわ(^^;

これで、ベスト8が出揃った これからの放送予定は、
9日 佐藤天彦七段 vs 田中悠一四段  11日 羽生善治名人 vs 広瀬章人八段
16日 佐藤康光九段 vs 渡辺 明二冠  18日 松尾 歩七段 vs 郷田真隆九段
田中悠一が、ダークホースとして目立つ それ以外は、順当なメンバーだ 
私は康光と羽生の決勝になると予想するがどうか? ここからはハイレベルな戦いを期待したい!