小林裕士 七段vs谷川浩司 九段 NHK杯 2回戦
解説 豊川孝弘 七段

小林裕士は、185cm、105kgとでかいので、私のブログではデカコバとニックネームをつけている
この人、なかなかの隠れた実力者なのだ 
対するは、会長のタニー! タニーは、NHK杯ではここ5年連続、初戦負けだ
2回戦からの登場は、今年が最後か? なんとかがんばって欲しいところだ
タニーの対局姿は、相変わらず、めっちゃカッコイイなあ 指し手でもカッコイイ手が観たい!

デカコバは1997年四段、竜王戦1組、C1 1回戦で鈴木大介に勝ち 9回目の本戦出場
タニーは1976年四段、竜王戦2組、B1 B1以上に在籍のため本戦にシード 35回目の本戦出場
 
清水「10月から、豊川さんは将棋講座の講師をなさるそうですね」
豊川「15年くらい前ですかね 一度やらしていただいてるのでね 準備が大変です 大変なことになってます(笑)」
今、ウィキペディアで調べたら、「1999年度後期 ファイター豊川のパワーアップ戦法塾」というのを豊川さんはやっていた 1回ごとに戦法を変えて、講座をやってくれたらいいね

豊川「東京には小林宏七段というのが居ますけど、大阪の小林裕士七段はプロ間で評価が高いんですよ 早見え早指しでね 中、終盤タイプ NHK杯に9回出てるってことは、(順位戦がC1なので)予選を勝ち抜いているということなんですよ 体も大きいですけど、将棋もスケールが大きい
谷川先生と言ったら、王道の将棋 最近は振り飛車も指しますけど、居飛車が基本 やっぱり何と言っても光速の寄せ 終盤の切れ味はプロ間でもあこがれの的 今回も期待してるんです」

事前のインタビュー
デカコバ「谷川九段は、中盤から徐々に力を発揮する将棋 終盤勝負になってはまず勝てないと思います 最初から時間を使って悪くならないように考えていきたいと思います 3回戦進出を目指してがんばりたいと思います」

タニー「(今年の夏はいかがお過ごしでしたか、という清水の質問) 8月は学生の大会、天童と福岡へ行ってきましたけれども、夏休みも取れましたので、家族でのんびりすることもできました NHK杯はホントに、ここのところ初戦で敗退することが多いんですけども、精一杯、相手は後輩ですけども、負けないようにがんばります」
 
豊川「タニーが振るかどうか 中終盤は2人ともすごい手が見えますから、つばぜり合いになるんじゃないか」

そうそう、本局でも記録係を務めている、黒沢怜生(くろさわ れお)三段が、四段に昇段したってね
おめでとうございます もう顔を知っている人なんで、新しく覚える必要がなくて、こっちは楽でいいわ(笑)
22歳、振り飛車党だそうだ

先手デカコバで対局開始 あー、デカコバは、モロに駒を升目の下のラインにそろえるタイプだな
タニーの駒の置き方と全然違う、一目瞭然だ

タニーの作戦が注目されたが、居飛車だった 横歩取りの流行形になった
デカコバの中住まいに対し、タニーは△8四飛+△5二玉型だ

雑談で、豊川「デカコバは、苦しくなったときに、あきらめが早いのが弱点」
清水「阿部隆さんは、デカコバはもっと活躍していいとすごく高く評価していました」
豊川「阿部隆さんは10年以上前、小林君は強いで、と言っていた 田中魁秀門下の中で一番の才能と言っていた 兄弟弟子の福崎、佐藤康光はどうなっちゃうんだろうと僕は思った」
清水「好きな駒は、デカコバは飛車が好き、タニーは角と桂が好き、とのこと」

2人の対戦成績、デカコバ2勝、タニー0勝だそうだ これを見た豊川、かなりびっくりしていた
豊川「谷川さんに2勝はすごいですよ!」
あの~、豊川さん、解説をするんだから、事前に調べておきましょうよ(^^;

さて、駒組みはだいたいこんなものか、というところまで来た
そこで先手のデカコバのほうから7筋から仕掛けた 7筋は後手から仕掛けそうなものだけどな
そして△4二玉の早逃げに▲7六飛の転回・・・ うわー こんなところまで定跡か
豊川「横歩取りはホントに難しいですね」
じっくりした戦いに進んでいるなあ、と思って、私はまだのんびり構えていた
タニーが2五で桂をぶつけ、桂交換になっても、まだ戦いはこれからだろう、と思って観ていたのだが!

なんと、急にタニーが動いた △9四角の端角、一発! うおっ 何だこれは!?
豊川「痛いですね 痛い かゆくないですね 痛い!」
この△9四角という手、豊川の解説によると、先手の飛車と玉がナナメのラインで狙われていて、デカコバは飛車が逃げても、桂打ちの追撃があり損害が免れない手、ということだ 
うわー こ、こりゃ、もう早くも技ありじゃん こんなに早く技あり? それも、もう勝敗に直結しそうなくらいの差がつく手じゃん!

豊川「ここでデカコバが考慮時間を使ったら、たぶんうっかりですよ」
デカコバ、どうする・・・ したらは、考慮時間に入った~ これ、うっかりかあ! あ、あっちゃーー
豊川「いやー、横歩取りはホント怖いんですよ」 
これはやったな、もうタニー、大優勢は間違いない 気が早い人なら、投了も考えたくなるような技が決まってしまったな~ が、デカコバ、まだ粘っている
豊川「善悪は別ですけど、デカコバが力を出した手ですよ」
しかし、駒割は飛車桂交換で、タニーの大得 これはいくらなんでもでかいなー

あとは、タニーがどう決めるかだが、光速流、炸裂なるか?
清水「決まってますか?」
豊川「順調のような気がします ここで魔法のような一手があります」
タニーの手は、十字飛車狙いの合わせの歩だった
豊川「歩は、上手に使うと、光輝くんです デカコバはツライ時間が続きます」
デカコバ、桂を自陣に貼り付けて、なんとか粘ろうとしている タニー、あと一息だ、決めれるか?  
まさか、タニー、これを負けないだろうな? 何しろ、去年度のタニーの成績は14勝22敗 0.389だからなあ

と心配していたところだった、タニーが飛車をズドンと切っていった~ おお~ 
清水「あ」
豊川「いやいや 光速が出たかもしれないですよ」
やったー、タニーが光速の寄せを決めた! と、喜んだのも、つかの間だった 
飛車を切った直後の手順を見て、
豊川「タニーの決め方に手順前後があったと思います これ、しっかり決めないと、攻守入れ替わりますよ」 
ええー、タニー、決め損なったのか うそやーん 大丈夫? 

ここから、よもやの攻め合いに! と金を作って攻めるデカコバ
豊川「デカコバもギリギリで、くっ付いていっている」
どっちが早いかの終盤になった タニー、残してるか~? この将棋が何でこんな心配をすることに(^^;
豊川「デカコバは下駄を預けましたね」
デカコバの玉、寄ってるか? 先手玉を歩で叩くと・・・ 即詰みが、あった! デカコバ、投了 
100手でタニーに勝ち  あー、ドキドキした まあ、2手違いだけど、ふう~っ、っていう感じ

豊川「横歩取りの流行の形にタニーが誘導して、序盤から激しく行った △9四角の端角が厳しかった そこまでのタニーの攻めの構想がうまかった もしかしたらデカコバにもっとうまいがんばりがあったかもしれない タニーの気合いが鋭かった一局」

終局直後、タニー「いやー ひどかった なんか逆転されそうでしたねえ」
・・・やはりタニー自身もそう感じていたのか こんな混戦になる将棋じゃないはずだもんね  

感想戦は、ポイントのところをやってくれた 重要な駒組みのところで、
デカコバ「練習での手を思い出せなかった」
おい~、それが敗因か~(^^; デカコバ、頼むよ~ △9四角以降は、練習将棋なら、もう検討打ち切りだろう
△9四角打たれてはダメなのでそれ以前を考える、というのがプロの将棋だろう
事前のインタビューで、デカコバは「早い段階で悪くならないように時間を使いたい」って言ってたのにな~ 
タニーも、この手が入ったのは存外だったようで、
タニー「きれいに決まりそうな感じになりそうだったので、(本譜は)意外だった」

しかし、タニーはきれいに決めきれず、タニー自身、「本譜、寄せの調子は変ですよねえ」
変! 変だったよ もう~ ちゃんと勝てるかどうか、ドキドキしたよ
飛車を切ってから、一気に行けず、角を引き上げてるようじゃ、明らかにおかしいもんね
豊川の指摘した変化の順に、タニーはうなずいていた
んー、まあ、でもとにかく勝ちきったか 光速じゃなくて、急行くらいの寄せだったけどね(^^; 

中盤早々に、タニーの△9四角の技が決まり、相当の差がついた
その後はタニーが寄せをもたついたこともあり、デカコバは粘ったが届かなかった、という一局だった 
タニー、光速の寄せはもう過去の話なのかなあ でも、勝ったということは、次があるということだ
タニーの次戦に期待したい!