今期銀河戦も、いよいよベスト4、準決勝まで来た 松尾vs羽生、渡辺vs天彦のカードだ
本局は松尾と羽生、王者羽生に松尾がどう挑むかだな
解説は、山崎八段! 背が高くてカッコイイね 聞き手は本田小百合女流だ

松尾は決勝トーナメントで、村田顕弘、郷田に勝ち 今期はここまで7勝1敗
(画面に出た松尾の今期の成績、郷田戦の前も7勝1敗だった 
1勝が追加されていない 番組スタッフの数え間違えか?)
羽生は決勝トーナメントで、阿部光瑠、広瀬に勝ち 今期はここまで13勝1敗

解説の山崎「松尾は性格は男気あふれる、すっきりとした性格 将棋は本格派 最新形でも少し自分流にアレンジして、毎局工夫をしている
羽生はオールマイティ 長時間でも短時間でも幅広く活躍している 今期も絶好調 どうやってこの何十年も勝ち続けるエネルギーを保っているのか、逆に聞きたい(笑)」

先手松尾で、中飛車にした 5筋位取り中飛車だ 羽生は居飛車の急戦型で対抗
山崎「松尾はあまり振り飛車を指すイメージはない しかし、対羽生戦の渾身の作戦だろう」
松尾は、前局の郷田戦で、やはり先手で5筋位取り中飛車を採用して83手の短手数で快勝している
羽生にも通用するのか?

山崎「松尾と羽生は、同じ研究会の仲間 手の内は分かっている部分が多いだろう」
2人の対戦成績は、松尾0勝、羽生3勝とのこと
山崎「私は羽生と20局ぐらいやってますけど、2局しか勝ってない(^^; 松尾は羽生と3局しか当たっていないのは幸運かも(笑)」
松尾と山崎、同じB1の棋士なのに、羽生との対局数が極端に違うなあ
20戦ぐらいでたった2勝、山崎はもう、フルボッコ状態だね・・・

雑談で、山崎「羽生のクラスになると、将棋は簡単に勝てない、と思っている人が多くて、ちょっと自分が良くても、『難しい』とか『自分が少し苦しい』という心構えで指しているんです だから、羽生クラスの人たちが『はっきり良し』と言うときは、その将棋に逆転のチャンスがないくらいのレベルなんですよね」
そうだねー、羽生は終局後に「勝ちを意識した局面は?」と訊かれたら、いっつも、最後の最後のところを答えるもんね そこまで行けばプロなら誰でも勝つ、という局面を羽生は答えるんで、インタビューの意味がないんだよね(^^;

さらに、山崎「羽生は簡単なところで考え込んで、難しいところでサッと指すので、相手をしていて調子が狂うんですよ」

さて、お互いに軽い囲いでの急戦形だ 松尾は木村美濃という、銀冠と逆側に銀を上げる、
今時めったに見ない囲いだ 対して羽生は舟囲いから金銀を盛り上げてきている
羽生が鎖鎌銀(くさりがまぎん)で、積極的に攻めに出て、銀交換になった

羽生が持ち駒の銀を投入して、盤の中央に銀2枚を並べて、5筋を徹底防戦だ
松尾もそれを破るべく、持ち駒の銀を投入したのだが、その銀が相手の歩であっさりと追い返されてしまったではないか んー、何だ、これは? 松尾、どうした?
山崎「松尾、これは何かの誤算か、完全な勘違い 持ち駒の銀も考慮時間も使って、何も手ができなかった 羽生という相手の見えないプレッシャー、影の大きさに影響を受けたのか」

羽生陣の金銀4枚が、全て3段目以上にあるという、すごい押さえ込み体勢だ
山崎「羽生は松尾の攻め駒を攻めて、悪いところを完全になくしてしまおうという作戦に出ましたね 松尾は精神的に厳しい」
うわー、羽生は歩得を全面的に主張、完封勝ちを狙っているのか 気が早いが全駒もありうるぞ 
これは大変なことになったな 松尾、ここからどうにか出来るのか?

山崎は、松尾側に立って、検討を続ける さすがちょい悪王子、このくらいの形勢ではあきらめないな
したらば、松尾も山崎の考えた手のとおり指していく 手が進むが、
山崎「私の目からは、差がそんなに広がったようには見えない」
おおー、まだわからんか この本局の羽生の陣形は、まるで2枚落ちの上手みたいだなあ 
玉の守りはほとんどスッカラカンで、金銀は相手の攻め駒を押さえ込むための配置になっている

松尾、このまま押さえ込まれてしまうのかと思って観ていたら、異変が起きてきた
山崎「いや? でもこれは・・・ 松尾の飛車角が封じ込められていたのが、中央で一気に働く可能性が出てきましたよ 飛車と角がさばければ、逆転までありうる」
おおおー、まだわからない、混戦模様か? がぜん面白くなってきた!

山崎「まだまだ松尾もがんばる気が起きる局面 羽生といえども容易ではない」
考慮時間も、松尾が先に使い切っていて不利だったのが、羽生も使い切った!
お互いに▲0回vs△0回で、30秒将棋だ これはここから見ものだな~

厳密に見れば羽生がまだ押し気味のようなのだが、松尾もがんばっている 踏ん張れ、松尾~
こうなると、私は松尾に肩入れしたくなってくる 格下のほうにがんばって欲しい、という判官びいきだ
難しい終盤で、手が広くて実に見えづらい展開だ お互い、どう相手玉に迫るのか? 構想の勝負だ

そんな折、山崎「今の羽生の攻めはどうだったのかな これ、むしろ逆転した!?」
んんー、まさか羽生がミスったのか? もうここまで来てのミスは致命傷になるかも?
画面の小窓に、羽生が右手を額(ひたい)に当てて、苦虫をかみつぶしたような表情が映し出された 
明らかに普段の羽生と違う、変調を裏付けるしぐさ! 
山崎「これは逆転したかもしれない」

松尾の、飛車金両取りのド急所の角打ちがきれーいに決まった 
プロでこんなきれいに両取りが炸裂するのはめずらしい
山崎「これは厳しい」
聞き手の本田女流「松尾の手つきが落ち着いた感じでしたね」
松尾の顔つき、良し、行ける!という表情だなー 
山崎「さすがの羽生先生も暗い表情ですね めったにこういう負け方をしないので、自分自身に後悔があるのでしょう」
その角打ちが明快な決め手となり、羽生は直後に投げた 121手で松尾の勝ち!

山崎「松尾の攻めが、羽生に頑強に受け止められてしまって、途中は松尾がはっきり失敗した しかし羽生を相手に決め手を与えなかったところが、大変めずらしい羽生の逆転負けにつながった 松尾は理想的な勝ち方ではなかったが、強敵相手に苦しい将棋を勝ちきった」

感想戦が5分しかなかったのだが、最終盤の一番のポイントのところ、勝敗を分けたところをやってくれて、実にナイスだった 5分しかなくても、充実した感想戦を放送できる、その見本だった いいよいいよー! 
羽生が2手ほど連続して疑問手を指していたのが敗因、とのことで見解が一致していた
羽生を持ってしても、間違えたか 羽生の陣形は2枚落ちの上手状態で、大局観が難しかっただろうなあ
双方があまり見たことがない玉形で、「これどうやって寄せるんだ状態」になっていた終盤だったね
時間が30秒だったのがモロに羽生のミスを誘ったと思われる
松尾が悪い将棋を決め手を与えずがんばって、羽生のミスを誘い辛勝した、という一局だった

対局後、勝利者インタビューがあった おー、めずらしい(^^;
松尾「かなり苦しい将棋になってしまって、中盤ではっきり悪い手を指してしまって、それを堺にずっと苦しい時間が長かった将棋だった 最後は自陣が粘っこい玉形だったのが幸いしたかな
(勝ちを意識したのは)最後の最後までわかってなかった感じですね
(決勝への抱負は)トーナメントで決勝戦に出ること自体がかなり久々なので、大きい舞台でみなさんに観ていただいて指せるのはありがたいです うれしいですね」

この一局、羽生がミスして逆転負けしたわけだが、私はそれほど驚かない 
羽生はBブロック最終戦の森下戦こそ、ものすごい圧巻の勝ち方をしたものの、決勝トーナメントの阿部光瑠戦、広瀬戦と、内容がそれほど良くなかったからだ
松尾が勝って、私はうれしい 前にも書いたが、私は友人に「お前の将棋は松尾に棋風が似ている」と言われたことがあるからだ(笑) 
松尾は2001年に新人王を取ったことがあるだけで、全棋士参加の棋戦での優勝はない
地味なイメージをくつがえすべく、ぜひ優勝して、プロ16年目で自身初の棋戦優勝を飾って欲しい!