<書式変更に関する、けっこう重要なお知らせ>
NHK杯の記事の前に、当ブログにおける書式の変更のお知らせがあります 今まで、当ブログでは、行の途中で、私の判断で改行をするタイミングを決めていました 読みやすくするために、良かれと思って、ずっとやり続けてきていたのです しかし、私のPCではうまく改行のタイミングが反映されていても、他のPCでは全くそうではない、ということに気づきましたorz 

私の家には今、3台のPCがあるのですが、その3台のPCで私のブログを見た場合、それぞれ全部、改行のタイミングが違っていることに気づいたのです 特に、画面の狭いノートPCで私のブログを読んだ場合、今までの改行の仕方では読みにくいことが判明しました よって、これからは改行のタイミングを変えさせてもらいます これにより、ある人は今までより読みにくくなるかもしれませんが、ノートPCで読む場合などを考慮し、変更します 当ブログでも、他のブログ全般に合わせたスタンダードな方式を取る、ということです ご理解をよろしくお願いします
 

木村一基 八段vs森内俊之 竜王 NHK杯 2回戦
解説 深浦康市 九段

今日は木村と森内か 木村は、先日までやっていた王位戦で、羽生を相手に4勝2敗1持将棋という健闘を見せた 私は阪田大吉さんのブログの事前の勝敗予想のアンケートで、羽生の4戦全勝に1票入れた(^^; 対するは、竜王保持の森内! これは好カードだ

木村は1997年四段 竜王戦2組、B1 1回戦で佐藤天彦に勝ち 16回目の本戦出場 1回戦の佐藤天彦戦は、横歩取りのねじり合いを、受け師の本領を発揮して制した木村の好局だった
森内は1987年四段 現竜王 A級 18世名人資格保持者 1回戦はシード 26回目の本戦出場 

解説の深浦「好取組みですね 2人とも受けに特徴がある 引き付けるだけ引き付けて、そこから反撃に出る その時の攻めの鋭さも定評がある 棋風が似ているところは多いと思います」

事前のインタビュー
木村「森内竜王は大変おおらかで、フトコロが深いなといつも感じさせられます 棋風のほうも同じようでして、いつもかかって来なさいと言われているようで、大変怖いです (抱負は)積極的に行くことを忘れないでいたいと思います 香車になったつもりで思いっきりぶつかりたいと思います」

聞いていた深浦「香車になったつもりでっていうところが気になりましたね どんどんかかって行くっていうことですかね? 行ったっきりにならないことを祈りますけどね(笑)」

森内「木村さんは元々実力的に定評がありますけども、最近特に乗っている、という印象です 将棋は居飛車の正統派で、受けに特徴がある将棋だと思っています いきなり強敵を迎えましたけど、思い切り良く指して、面白い将棋にしたいと思います」
   
聞いていた深浦「森内は好奇心が旺盛な方なので、遊び心で楽しんで将棋を指される印象があります 戦型は、重厚な相矢倉と予想します」
清水「ズバリ言ってしまいますね?」
深浦「はい、言ってしまいます」

先手木村で対局開始 あー、この2人は、駒を升目の下のラインに合わせて置くタイプだな やはり、受けの棋風だから、駒は低く見せたほうがいいのだろうか(^^; 
手がスラスラと進み、ノーマル角換わりの相腰掛け銀になった
清水「角換わりになりましたね」
深浦「んっ・・・(笑) 見事にハズレました(^^; 王位戦で、羽生によくやられた戦型がこの角換わりです その時は木村は後手番で受けに回っていました 後手を持って、イヤな手とかイヤな展開があったのかもしれない それを逆に森内にぶつけてみようということもあると思います」 

2人の対戦成績が出た なんと、木村の12勝、森内の10勝とのこと こ、この数字は! 木村、なんと、森内に堂々の勝ち越しではないか! 衝撃的な数字・・・  木村>森内なの? タイトルを一度も取ったことがない木村と、タイトル通算12期の森内 この対戦成績は、超意外だった んー、でも木村もタイトル戦には5回登場してるか とにかく、森内と22局戦って勝ち越しとは、木村、すげーな
深浦「木村が森内に勝ち越しているのは注目すべきことですよね」

さて、角換わりの相腰掛け銀で、最近プロがよくやる形になっている もちろん、私には細かいことは分からない(^^; 本局も、アマチュアお断りの序盤だ 両者、手待ち合戦をやっている 木村は飛車を振ったのにまた元の位置に戻し、森内は金を上下で手待ち 完全にお互いに2手損だ この序盤、理解できるアマチュアというのが存在するのか?(笑)
深浦「よく見ると、全くの先後同形になりましたね めぐりめぐって」
うん、深浦さん、序盤は解説がなかったけど、別に良かったと思う 難しすぎるから(^^;

木村から仕掛け、全面戦争となった 
この戦型特有の戦いで、盤面の左右両方で戦いが起こっている 木村が時間を使っていて、考慮時間の残りが、木村▲5回vs森内△10回と、差が開いた 森内が反撃して来ている 深浦がその森内の攻めの狙い筋を解説してくれた 流れるような手順で攻めが決まる順を説明してくれる深浦 はあ~、これは見事なもんだな~ 並のアマチュアなら、モロにこのとおり攻めを食らって、あっという間に負けてそう・・・ 

もうかなり局面は進んで駒がほぐれているのだが、森内は1回しか考慮時間を使っていない これも森内の棋力の高さの証明だ 森内の攻めが一段落したが、形勢はどうだろう? やはり、森内の攻めの桂が、木村の守りの銀と交換になったのは大きいか?    
深浦「先手の角換わりは攻めることが多いんですけど、木村がやると受けの展開になりましたね(笑) 後手の森内としては、攻める展開なので満足でしょうね」

ここで、雑談があった
清水「森内はバックギャモンで、今年の夏に世界大会に初参加して、4位入賞だったそうです 周りのみなさんがびっくりだったと伺いました 本格的に始めたのは半年ぐらい前だったという話です」
深浦「すごいですね~」 
うーむ、本格的にやったのが半年ほどで、初参加で世界大会4位・・・ 他のバッグギャモンのプレーヤーは形無しだな~(^^;

そして、両者互いに見えにくい手を連発し、見ごたえのある手の応酬の中盤となった 
深浦「複雑になってきましたねえ 受けのタイプにも2つあって、相手の攻めを無理攻めと見て全部受けるタイプと、攻め合いながら受けの手をひねり出すタイプがある 木村は両方得意ですから」

残りの考慮時間、木村▲2回vs森内△3回か 追いついてきたな 形勢はどうだろう、木村の飛車と角が働きが悪いと思うのだが? 森内優勢か?  
深浦「木村としては、危機感を感じる局面ですけど、木村は堂々としてますねえ」
森内の攻めが、木村の守りの金2枚にからみつき、どうもこれはこのまま寄せがありそうな雰囲気・・・ 森内の勝ちに見える・・・
深浦「木村の守りの金2枚が両方いなくなりそうですね」

しかし、そのときだった 木村が遊んで働きのなかった角を1マス、スッと引いた これに深浦が即、反応
深浦「いや~、気づきませんね~ これは気がつきませんでした はあ~ よく見えますね~ ほお~ これは感心しますね」
清水「木村流の恐ろしさが」
な、何これ? 私は意味が全く、全然わからなかったのだが、深浦の説明を聞いてようやく分かった なんと、邪魔な桂を王手で捨てて、相手の角の素抜きの大技を狙った一手だったのだ! うおー、こんな大技が狙いか、全く油断ならねーな! 

森内は当然ながら木村のその狙いを看破し、いよいよ寄せに入った 木村、耐えれるか? 無理だろうなあ もう、玉が裸だもん 一方の森内の玉はまだガチガチだし・・・
深浦「んー これで大丈夫という木村の判断はすごいですね 普通は選べない順ですよ」

森内が、角を叩き切って、一気に決めに出た あー、これで決まっただろう、ダメだろうな
清水「森内の手、バシッと音が聞こえたような」
深浦「森内がかなりいいような気もするが、実は接戦かな」
考慮時間が2人ともなくなり、▲0回vs△0回 んー? もう木村玉は風前の灯だけど、まさかこれが凌げる(しのげる)ってことがあるのか? まさか?
深浦「常識では森内の勝ちだが、もし木村が勝ったら会心譜」

ええー、これで難しいってことがあるのか 木村の玉は丸裸で森内に圧倒的に攻められている 対して森内の方は囲いがしっかり残っているっていうのに? 
深浦「木村の玉が詰めろの状態になるかどうかは、桂を何枚渡すかによります 私は読みきれません」
木村は両手で頭を抱えている 一方の森内は両手で顔全体をふさいでいる その2人の姿が同時に画面に映し出された しばらく、両者そのかっこうのまま動かず! うわ~、なんという楽しい絵だ(笑) 特に森内、秒読みなのに顔をふさいでいていいのか(笑) 
深浦「いや~、これは面白い将棋になりましたね」

手が進み、木村の攻めが続く ど、どうなる?
深浦「堅かった森内玉に、詰めろがかかりましたね いやー、こういう展開になるんですね 木村が攻めて、詰ませば勝ちという展開ですね どっちが読み勝ってますかね 面白いですねー」
しかし、木村は受けを選んだ 丸裸の木村玉、まだ受けがあったのか すげーな
深浦「詰ますか詰まさないかというところから、またヨリが戻りましたね 普通は戻らないですよ」

だが、この木村の受けに回った手に対しての森内の対応が、冷静沈着だった 30秒将棋ということを全く感じさせず、これがタイトルホルダーだという落ち着きぶり見せ付けた 的確に寄せていき、木村玉を討ち取った 110手で森内の勝ち! いやー、これは熱戦だった かなりの好局だったなー 

清水「一局を振り返っていかがでしょう」
深浦「激しい攻め合いから、森内がペースをつかんだ 森内はそのままどんどん攻めていったんですけど、木村が思いもよらない受け方で、局面が見たこともない形になりましたね 最後に木村が詰ましに行くチャンスがあった気がしますがね 非常に見ごたえのある面白い将棋でしたね」
あー、ここ、私はホッとした 何でって、先週、解説者の康光による総評がなかったからだ もうなくなっちゃったのかと、すごく心配していたのだ 総評、絶対になくしたらダメ! 今週、復活していて本当に良かった(^^;

感想戦で、木村「序盤で打った角が、すごい不発でしたね」
うん、それが敗因だね(^^; でも、よくやったよ その角を活用させた終盤での勝負手、見事だった
終盤の検討になり、木村の受けに回った判断がどうだったかという話になった 
木村「私、詰ますとかそういうのは全然ダメなんで」
実際、木村が受けに回らずに詰ましに行ったら、詰んだのかというのが検討された 難解極まる変化順が示されていた  結局、時間内に収まらなかったが、最後に清水に結論を求められた木村が一言
木村「たぶん詰み 惜しいことをしました」   

ああ~、たぶん詰みがあったってか 30手くらいの王手の連続での詰みっぽいな 惜しい~ 木村が詰ましに行かなかった原因は、「木村の詰みに対する自信のなさ」か・・・ ああー、これ、詰ましたら今年の名局賞ものだったなー 
でも面白い一局だった 実力者どうしの一戦、存分に楽しめた 木村、もうダメかと思われたところからの追い上げ、実に見事だった! 負けたけど、木村のほうの指し回しが印象に残った(^^;
 
そして、終盤の森内の、顔を両手で覆ってしばらくそのままずっと動かなかった姿、面白かったわ 秒読みなのに、盤を見ずに顔を覆ってるって、あるんだね いやいや、楽しい内容だった 実に良かった! NHK杯、先週に続き内容が良く面白い 棋士のみなさん、ぜひこの調子でがんばってください!