羽生善治 名人vs高橋道雄 九段 NHK杯 2回戦
解説 加藤一二三 九段

さて、今日は絶対王者の羽生の登場だ 相手はタカミチ・・・ タカミチがどこまでやれるかだなあ
解説はひふみん! 「ひゃー」が聞けるか(^^; 清水さん、鮮やかな柿色の服で、秋らしいね

羽生は1985年四段、竜王戦1組 名人、王位、王座、棋聖を保持 1回戦はシード 29回目の本戦出場

タカミチは1980年四段、竜王戦2組、B2 1回戦で川上に勝ち この川上戦は、相矢倉での会心譜だった 34回目の本戦出場

清水「加藤九段はコンピュータとの対戦と言いましょうか、が記憶に新しいんですが、いかがでしょう」
ひふみん「最近電王戦の催しで指したんですけども、コンピュータとのタッグマッチで戦ったんですけども、終わってからしまったと思ったんですけども、対局中に私の友達のコンピュータが6四歩という手を示してくれたんですよ コンピュータがちゃんと候補に入れてくれてたのを僕はたまたま見なかったんですね 見てればね、6四歩という手は私が単独2位の大記録を達成した将棋の一手だったんですよ それで思ったんですけど、これからチャンスがあるならば、これからはコンピュータの候補をよく見ながら指そうと思ったんです 持ち時間が1時間の切れ負けなので、時間切れだけはなんとか避けようと思って極力自分の力で指したほうが時間がゆとりがあると思って指したんですけども、まあ持ち時間は1時間で指してみた結果、コンピュータの候補を色々見ながらでも1時間でさせる経験がついたので、これからはコンピュータを友達にして多いに活用して楽しくがんばりたいと思います」
清水「またこれからも違う将棋の楽しみ方もできるんですね コンピュータとね」
ひふみん「あ そうですね で思ったんですけど、感想戦っていうのがありますね 私たち3人で終わってから感想戦やったけども、感想戦なんかにコンピュータが入ってもらったらいいと思います つまり我々3人対局者が感想戦やってるよりも、コンピュータが『いやいやここではこの手がありますよ』ときっとね、教えてくれると思いますよ 間違いなく、うん 感想戦にも加わって欲しい」
清水「あ そうなんですね、はい(笑) 今日は人と人との戦いなんですが」
ひふみん「羽生名人はトップ棋士の中で作戦のレパートリーが一番広いし、彼は若いときからどんな将棋でも指して勝ってましたから、どんな将棋でも羽生名人は強いんです」
清水「指していない戦型がないぐらいですか」
ひふみん「ないですね ただ最近こそ振り飛車はあんまり見ないんですけど、どんな戦型でも指しこなす あと、数々の大記録を羽生名人は達成してますけども、勝ち数は歴代3位なんですよ 大山15世名人が1位で2位が私で3位が羽生名人なんです 羽生名人の勝ち星が1300に近いので、たぶんどうも残念ながら私の勝ち星を普通に行ったら抜かれると思ってます ただ公式戦の対局数は私が歴代1位だけども、これはたぶん誰からも抜かれないと思ってます
高橋九段は将棋は重厚で攻めも強いし私とよく戦ってますし、かつてタイトルの王位3期、十段1期、棋王も取ってますしA級在位も長かったし、まあいわゆる本格派ですから、よく読んでいる将棋なので、今日の将棋は羽生名人相手に相当肉迫すると思ってます」

・・・な、なげえええええーーー ひふみん、どんだけしゃべるねん メモを取っている私を腱鞘炎にさせるつもりか(笑)
この時点で番組開始からすでに7分47秒が経過していた ちなみに先週の解説の広瀬はここまで4分28秒だった(^^;

参考までに、昨年度終了時の羽生の通算成績は、1760局 1270勝 489敗 0.722
昨年度の成績は、42勝20敗 0.677
同じく昨年度終了時のひふみんの通算成績は、2435局 1315勝 1119敗 0.540
昨年度の成績は、6勝19敗 0.240
さらに参考までに書くと、昨年度終了時のタカミチの通算成績は、1400局 795勝 604敗 0.568
昨年度の成績は、14勝18敗 0.438

事前のインタビュー
羽生「NHK杯の対局は持ち時間も短いですし、まあ秒読みになりますので、まあ迷いなく決断よく指すことを心がけています 高橋先生はですね、えーまあ重厚な棋風でもありますし、軽快な将棋を指すときもあるので、臨機応変に対応していけたらいいなと思っています」

羽生さんのインタビューの受け答え、いいんだけど、いつも「まあ」が多いのが気になる(^^; 私の知っている限り、羽生さんの唯一の欠点かな 羽生さんはファンサービスもいいしねえ ちなみに私は10年くらい前に羽生さんと握手してもらったことがある! イベント会場で、サイン会が終わってちょっと暇そうにしていた羽生さんがいたので、握手を頼んだら、心よく応じてくれた! とてもうれしく、いい思い出だ 羽生さんの握力、それは弱かった(笑) でももちろん、全力で握るわけはないから、実際の握力は測定はできないけど(^^; 谷川さんにも握手してもらったことがあるが、谷川さんは手が大きくけっこう強く握ってくれた おおっ谷川さん握力強い、意外、と思ったいい思い出だ ファンの人たちは、サインをもらうより、握手をしてもらったほうが思い出になるんじゃないのかな、と私は思っている 

タカミチ「本局を戦うことは非常に楽しみにしてました 自分の力をこの一局に全て出し切って、いい結果が出せるようにがんばります」

ひふみん「最近タカミチは羽生と非公式戦でありながら、達人戦で負かしてるんですよね これは心理的に大きいと思うので、今日は本格的な大熱戦の展開を期待しますね」
おお、達人戦、タカミチが決勝まで出てる(結果は森内の優勝)と思ったら、羽生を負かしていたのか 今日は期待できるかもな

ようやく対局開始、先手羽生で、横歩取りになった 例によって△3三角型、そして持久戦に進んだ
ひふみん「羽生のひねり飛車系統の作戦が本局の見所 ほとんど前例はない、力将棋になりました」

また、ひふみんの雑談が始まった「私の1300勝のほとんどが名局です んふふふ (以下、話が続く)」
もう私はメモを取る気力がなくなった(笑) まとめると、300局くらいは勝ち将棋を時間切迫が理由で負けている、とのことだった

2人の対戦成績が出た 羽生22勝、タカミチ2勝とのこと うわーーー 勝率1割切ってるかーー
ひふみん「データで見る限り、言うまでもなく苦手としているようですけど、たぶん内容で見ると、全部というわけじゃないけど、大接戦じゃないかと思ってます」
しかし・・・ もし町道場で22勝と2勝だったら、席主に「2枚落ちぐらいの手合いで指すように」と言われそうな気がする・・・(^^;

かなり長く駒組みの時間が続いている タカミチが長考している タカミチ、時間は大丈夫か

タカミチから仕掛け、ようやく戦いが始まった 
ひふみん「これは面白い 大決戦です 激戦になればなるほど、ある意味時間は必要ないんです 答えが出やすくなりますから」
ええー、そうは言っても、残りの考慮時間、羽生▲8回vsタカミチ△0回だぞ    

中盤の小競り合いが続く 形勢は・・・?
ひふみん「タカミチのほうが陣形がいい 駒がぶつかっちゃったらタカミチ有利という大局観が成り立つ」
たしかに、羽生の玉形はかなり中途半端な中住まい、それに対しタカミチの玉形は低くてまとまっていて堅そうだ

ひふみんが「戦いはまだこれから、優劣不明です」と言っていた刹那だった 
羽生が手裏剣の歩を放った タカミチ陣に切り込む1歩、▲2三歩という垂らし! これがひふみんが絶賛した手になった
ひふみん「おおー なるほどねー これはやっぱり羽生名人らしいですねー 相手にとってはプレッシャーになる手ですね さすが羽生さん、冴えてますねー これ、タカミチから見たらイヤな手でしたねー」

しかし、その▲2三歩もまだ決め手という手ではない 羽生も考慮時間を使いきり、両者30秒将棋に突入した
あー、まだ先は長そうなのに、これはキツそうだな 羽生とはいえ、大丈夫か
清水「羽生がずいぶん眉間にしわを寄せてますね」
ひふみん「今、羽生もなかなか大変なところです」
ホント、羽生の表情が険しい 局面もまだどこが急所なのかはっきりしないな・・・

んーー、羽生、30秒でどうする?と思われたときだった スッ、と羽生が4筋の歩を突いた・・・ おや、何だこれは?
そして、タカミチがそれを取ったところに継ぎ歩の手筋、これは??
ひふみん「さすが羽生流、冴えてますねー 羽生の突き捨ての歩から継ぎ歩、素晴らしいですね 私だったら自玉をとりあえず安全にする手を指しているところでした」
おおおーー 4筋が急所だったか! あの急所が見えづらい局面で、あっさり攻めの糸口を発見! すげえ!

ひふみん「こうなってくるとタカミチは受け一方」
羽生の桂が2枚とも中央に跳ねてきて、全軍躍動だ さっきの▲2三歩も大活躍、大仕事をやってのけた
タカミチは駒損が広がり、これは・・・ もう・・・ かなり大差・・・

ひふみん「羽生、表情は険しいけれども今日は逃がさんと思ってるんでしょうねー 今日はタカミチの指し手のどこが悪かったか・・・ 組み上がりは互角と思うんだけども、うーん・・・ 結果論として仕掛けがちょっと早かったですかねー?」
まだ対局は終わってないのに、ひふみんは感想戦モードだ(^^; でも、もうこりゃダメだね

清水「羽生の表情はものすごく険しいんですけども、局面は・・・」
ひふみん「局面はもう必勝形なんですよ」
その言葉の直後、タカミチが投げた 95手で羽生の勝ち うわー、なんだこの投了図、タカミチ陣だけ終盤で、羽生陣、全く手つかずで残ってるじゃん・・・ むっちゃ大差・・・ ひふみんの事前の予想「相当肉迫すると思ってます」はどこへやら・・・

ひふみん「羽生の手は一手一手冴えた手ばかりで、あらためて名人にふさわしいと思いましたね ▲2三歩の垂らしといい、4筋の継ぎ歩の攻め、それで決まってますよね いつもの羽生名人らしい、攻めて勝った将棋でしたね 羽生の会心の一局です」

9分ほどあった感想戦では、仕掛けのところばっかりやっていた もう、それは別の将棋なのでは・・・(^^;
タカミチは気合が入っていただろうに、ちょっとかわいそうなぐらいの完敗だったなあ
羽生22勝に対しタカミチ2勝、なぜこの数字になっているのか、それがモロに出ていた内容・・・
タカミチ、うーーん、タカミチ・・・orz

羽生は▲2三歩と、4筋の継ぎ歩攻め、見事としか言いようがない組み立てだ 
この人はやはり別格、そう思わせるに充分な一局だった
羽生がいつもの鬼の強さを発揮、タカミチを吹っ飛ばした一局だった これが全国放送で流れたのだから、タカミチはどうやって気持ちを立ち直すのか・・・ 棋士はメンタルのケアが大変な仕事だと思った(^^;