菅井竜也 五段vs増田裕司 六段 NHK杯 2回戦
解説 船江恒平 五段

清水「日曜のひととき、選び抜かれた好手、妙手の数々をお楽しみください」
今日は菅井と増田か 解説には、ふなえもんだ そう言えば船江はなんとなく、ドラえもんに似ていなくもない(^^;

菅井は2010年四段、竜王戦5組、C1 1回戦で高崎に勝ち 3回目の本戦出場
菅井は竜王戦5組で準優勝し、来期からは4組だ
1回戦のvs高崎では、高崎の角交換振り飛車に対して、菅井は居飛車で穴熊に組んで玉の遠さを活かして快勝している

増田は1999年四段、竜王戦4組、C2 1回戦で阿久津に勝ち 4回目の本戦出場
1回戦のvs阿久津では、不利なところから終盤に長手数の詰みで、会心の逆転勝ちを収めている

清水「船江五段はNHK杯の司会、初めてということなんですが」
船江「対局のときよりも正直、緊張しています(^^;」
・・・ここ、清水は「司会」と言ってしまっていた 解説の間違いだ(笑)

船江「菅井は井上門下の同門なので、日頃よくお会いするんですが、空気を吸うように将棋をするというか、ホントに将棋の虫で将棋が大好きという感じですね 菅井は元々振り飛車党だったんですが、今期から居飛車も取り入れてどちらも指している むしろ居飛車のほうが多いんじゃないか
増田は気合いを重視する棋風で、人柄、将棋、どちらも男らしいイメージ」

事前のインタビュー
菅井「増田六段はすごい攻め将棋だなという印象があります 公式戦でも3局ほど指したことがあるんですけど、いつも不思議な戦型に進むことが多いなと思っています 今日は振り飛車を指したいなと思っているので、振り飛車のいい将棋を指せるように最善を尽くしたいと思います」

増田「菅井五段はセンスは超一級品ですね 将棋に対する姿勢もすごくて24時間将棋のことを考えている印象を受けます 菅井五段とは過去3回やっているんですけど、こっちが奇襲戦法とかでボロ負けしているんで、今日はまともにがっぷり4つでいきたいなと思っています がんばります」

先手菅井で、▲中飛車vs△居飛車の角交換の戦いになった 
船江「よくある将棋になりましたね 中飛車に対して、プロ間で多い形 菅井はこの形は相当指している」

2人の対戦成績が出て、菅井3勝、増田0勝とのこと 最近の10月16日に王位戦があり、それも菅井が勝っている、とのテロップが出ていた つまりそれを合わせると菅井の4戦全勝だ

盤上、すごい持久戦になっている  
船江「こう着状態になることが多い戦型 先手番の菅井が打開したいところ」

ちょっと雑談があった 
船江「菅井が関西の研究会に入ったときに、増田は幹事だった 2人が最初に会ったときは生徒と先生の関係 菅井と私は何百局も指している」

なかなか戦いが起こらない・・・ もう双方銀冠に組みあがり、これ以上指す手もなさそう 増田は金を左右に動かして、モロに手待ち お互いに動けなさそう うーん、こういう風になるなら、初手▲5六歩からの先手中飛車っていうのは、あまりいい戦法ではないのかな?  
 
そう思っていると、菅井が動いた ▲6一角という打ち込み しかし、何だこれは? 狙いがわからない
船江「これは難しい手ですねー 現局面では狙いがないんですよね」
そう船江が解説していると、菅井がすごい構想を見せた 
なんと、交換して持っていた桂を▲8三桂と打ち込み、投入! な、何~ 見たことない筋だ こんなそっぽに桂を使っちゃって、これで良くなるってことがあるのか
船江「いやー すごいですね(^^;」

しかし、やはりこの▲8三桂は無理やりすぎるのでは、と船江
船江「菅井が攻めているが、増田がいなしながら、良い陣形を作っている感じ ここまでは増田のペースかなと思います」

戦いは右方面、玉頭戦に移った 
船江「お互いに銀冠なので、先に攻めるのは大変そう」
しかし増田から攻め、ここから激しい玉頭戦が延々続くことになった 

菅井が玉頭戦より、と金作りを優先させたため、増田に玉頭に厚みを作られてしまった 菅井は、と金攻めを間に合わせようと銀をはがしてなおも金取りに当てた 当然増田は、と金を取ると思いきや、手抜きで玉頭攻めを優先! うおおっ!!
船江「いや そういう手ももしかしたらあると思ったんですが いやー そうですかー」
清水「はあー」
船江「増田らしさがついに出てきましたね 男らしい一着 これはすごいですね 一直線の攻め合いで分があるので、なるほどという手ですね」    

ここから、玉頭でものすごいねじり合いに・・・ 残りの考慮時間、菅井▲5回vs増田△0回になった
船江「増田は読めば勝ちが見つけられそうな局面」
しかし、どうにも増田側は手が広くて最善を指しているのかどうか?
船江「これはちょっと解説がついていけませんね」

駒が色々当たっているが、両者放置で速度勝負 おまけに、玉頭の位がどれくらい大きいのか・・・
船江「手抜きに継ぐ手抜きでついていけない感じ」
うーん、船江すら思考が追いつけないのか 私は当然ついていけない(^^;

そんなとき、菅井に絶好の桂打ちが出た 桂を打ったときの菅井、パン!!と高く音をさせて響かせていた
船江「これを解説できなかったのは、恥ずかしいくらいの良い手です」
こりゃ、実質決め手だな この桂は厳しい!

船江「菅井の時間のペース配分も素晴らしいです これぐらい早く指さないと終盤に時間が残らないんだなあ」
そこからまだ増田は最後の勝負手を放ったが、菅井に冷静に見切られた 
143手で菅井の勝利となった 激戦だった

清水「手抜き合戦ですごい終盤でしたが」
船江「序盤はじっくりした戦いでしたが、中終盤の手抜き合戦はすごく見所があって、いい将棋だったと思います」

感想戦では、増田が勝ちを逃していたんじゃないか、ということだった
そうだねー、形勢も2転3転していたような内容だったね 私はあまりついていけなかったが(^^;

気合い重視の増田としては、真価が発揮できる展開だったと思うのだが、負けてしまって残念だろう 1回戦のvs阿久津で見せたような華麗な終盤力が発揮できなかったか 
むしろ菅井が気合い勝ちというところだ 菅井は当然の一手のところはノータイムで指していたのが印象に残った 82手目から玉頭戦が始まって、投了の143手目まで延々玉頭戦が続いたのだから、長かったなー(^^; 

ただ、菅井は中盤は疑問が残った ▲8三桂、あの攻めの組み立てで今後も勝てるとは思えないのでね 
菅井がねじり合いの激戦を力で制し、辛勝という一局だった