将棋ソフトPonanzaの作者、山本一成さんが、NHKのTV番組サイエンスZEROで、「人間とコンピュータの未来」をテーマに、8分間ほどプレゼンをしておられました (15日の昼に再放送あり)

全部で6人の若き科学者がそれぞれのテーマでプレゼンしました

6人の科学者がどんなメンバーだったかというと、
「海洋生物学者」 ペンギン、マグロなどの動物に小型カメラを着けて、撮影して生態を調べるというもの
「脳科学者」 脳の能力を数式で表すというもの
「宇宙開発エンジニア」 宇宙に小型の個人用衛星を打ち上げる構想を研究している、というもの
「人工知能開発者」 これが山本さん 将棋ソフトのプログラム開発を通して人工知能を語る
「プラズマ研究者」 核融合反応の研究
「科学コミュニケーター」 発達する科学技術を一般人にわかりやすく教える新しい仕事、サイエンスコミュ二ケーターという仕事の必要性を語る

会場のお客の投票があり、それぞれのプレゼンが終わったあとのお客さんの投票結果は、
海洋生物学者・・・・・・・219ポイント
脳科学者・・・・・・・・・・・185ポイント
宇宙開発エンジニア・・・235ポイント
人工知能開発者・・・・・・168ポイント
プラズマ研究者・・・・・・・204ポイント
科学コミュニケーター・・・221ポイント

自分のポイントを見た山本さん、「そっかあ」と言ってましたね(^^;

海洋生物学者の人の研究は、とにかく単純明快でした
脳科学者の人は言っていることがほとんど意味がわからなかったです 脳の能力を数式で・・・ もうダメ(^^;
宇宙開発エンジニアの個人衛星を打ち上げる話、これが一番受け、トップを獲得したのもわかりますね なんか、壮大でちゃんと実用になりそうですからね ただ、衛星が宇宙デブリ(ゴミ)にならないか、それは心配でしたが、司会の人に質問されて、ちゃんと最後は大気圏に突入して消滅する、という仕組みとのことでした でも、その仕組みに故障とかトラブルがあったら、やっぱりデブリになっちゃうのでは、と思いましたけどね 私は宇宙デブリをテーマにしたアニメの「プラネテス」を全部観てますんで(^^;

プラズマ研究者の女性の人は、話が専門的すぎて、そんな「ヘリウムが電気的に中性」とかなんとか、そんなこと一般人が理解しても意味ないだろ?と思ってしまいました それと、危険性の話が一切なかったです 核融合って、とんでもなく危険じゃないの、福島の二の舞の恐れはないのか?と思ってしまいましたね 
科学コミュニケーターの人は、いつも人前でしゃべっているだけあって、しゃべりがうまかったです 科学技術がどんな仕組みになっているのか、一般人にわかるように教えることが専門の仕事として必要な時代でしょう パソコンの仕組みとか、バカでもわかる本を、ぜひ出版してください(^^;

さて、山本さんはどんなプレゼンをしたのか だいたいまとめました
山本「人間に出来て、コンピュータに出来ないことって、どんなことがあると思いますか?(中略) ゲームというのは、人工知能にとって、最高の実験の場なんです。2045年には人間の知能をコンピュータが上回る、そんなことを本当に考えている人たちが居るんですね。今から15年ほど前に、チェスのチャンピオンがコンピュータに負けました。今ならば将棋でもそういうことが起こる、私はそう思っています。(中略) 羽生名人を倒すには、コンピュータ自身が創造力をつけなければならない、真似して作った法則以外に、コンピュータが自分で発見した勝利の法則を加え、Ponanzaは強くなったのです。おそらく後、数年もすれば、羽生名人を倒せる、私はそう信じています。冒頭で2045年、人工知能が人間の知性を上回る、そういう話をしました。なんとなくそれを聞いて不安だなー、と思ったりするかもしれません。しかしそれは違います。将棋ではもはやコンピュータはプロ棋士にとって、かけがえのない練習パートナーです。多くのプロ棋士がコンピュータと戦うことによって、より強くなったのです。戦争、貧困、環境問題、これら人類が解決しなければいけない多くの問題は、人間と人工知能がいっしょに手を取り合えば必ず解決できる、私はそう信じています。ありがとうございました。」

山本さん、プレゼン、うまかったと思いますよ
ただ、会場の支持率をそれほど得られなかったのは、やはり将棋がどんなゲームか、それが認知されていないからかなー、と思ってしまいました 女性だったら駒の動かし方も知らないだろうし、チェスと将棋がどっちがどう、と分かる人も少なかったのかもしれません コンピュータがチェスでは15年前にすでに出来たことが、まだ将棋では出来ていないのか、コンピュータも大したことないな、と逆に思われた可能性すらあります(^^;
でも、です サイエンスZEROでは、電王戦についてすでに去年と今年、30分間フルに使って2度にわたって特集して放送しており、いまさら「将棋は終わるまでの選択肢が大体10の220乗の手があって・・・」と同じことを言っても仕方ないですからね それで8分が終わってしまいますもんね 

今こそ、将棋ソフトの開発者はその存在を注目されるべきですもんね コンピュータがプロ棋士にどんどん勝っている、この今の機会を逃したら、もう次は将棋が完全解明されたときぐらいしかなさそうです(^^; 

将棋ソフト開発に使った技術が、他の分野で役立つといいんですけどね コンピュータが膨大なデータを読み込んで、コンピュータが一番効率よく仕事を解決する方法(最善手)を考え出すんです

人工知能の開発を目的として、強い将棋コンピュータプログラムを作ること・・・ 私がもしその才能を持って生まれていたとしたら、やっぱり取り組んでいたんだろうなー もう、夢中になって寝食を忘れてやっていた可能性が高いですね 私も何か一つに夢中になるタイプですからね

ただ、山本さんの言うように「将棋ソフトが強くなることは、いいことだから大丈夫」かというと、私のような将棋ファンにとっては、必ずしもそうではないですけどね 
電卓の発明によって、人類の暗算能力は上がったんですか? そりゃ、ごく少数の暗算が大得意の天才集団の人たちは、電卓を答え合わせに使って、暗算能力を上げたのかもしれません でも、一般人はどうでしょう? 難しい計算はもう完全に電卓まかせ、自分でやる気もやる意味もなくなったでしょう 
暗算や、そろばんの達人たちって、電卓が登場する以前の昔は、すごい尊敬されていたと思うんです でも、今はどうでしょう? 日本そろばん連盟にとって、電卓の登場は歓迎すべき物だったんでしょうか? 共存共栄の関係を築くことが出来たんでしょうか? 

まあ、またこの話は、電王戦FINALが終わったら書こうと思います 私は開発者の人をマジですごいと思って尊敬してますんで! 将棋というゲームは日本の伝統ゲーム、そして日本人は機械分野でもトップ、だとしたら、強い将棋ソフトを作るのは、やはり日本人であって欲しいのですよ 
「1回も駒に触ったこともない」という外国人が将棋の最強ソフトを作ったら、やっぱり「日本の技術者は何やってんだ」ってなりますもんね チェスソフトで使われていた「全幅探索」の概念を取り入れたのが、日本人の保木さんでホントに良かったな、危ないところだった、とマジで思ってますもん
山本さんのこういうTVに出るなどの積極的な活動には、敬意を表したいと思います
・・・え? マイコミから発売されたPonaX? 山本さんも宣伝してた? 何のことかな・・・? 私は買ってないし~(^^;