前回の第1局のとき、反則規定を見直したのだが、そのとき私が今まで知らなかったことがあった
連盟の規定では、以下のようになっている
「対局者が秒読みの最中に駒を手から落とした場合には、指で盤面部分を押さえ、どう指すかを言えは着手の代用と認める。」
(「言えは」は私の誤字ではなく、連盟のHPの誤字)

私は符号を言うだけで、着手の代用になる、と今まで思っていた 
「指で盤面部分を押さえ」なければならなかったのだ
確かに、対局中に「7六歩・・・」などと独り言をつぶやいたとき、それが着手とみなされてしまう規定では、ダメだ
「指で盤面を押さえ、かつ、どう指すか言う」、これが規定だったのだ 今まで私は知らなかった 符号を言うだけでいいのかと思っていた 
ただ、秒が切れそうで慌てている最中に、自分の指したい手が盤の遠いスミの升目だったりした場合、指で押さえるのがうまく出来るのか・・・(^^;

さて、気分を変えて第2局だ 第1局は内容は清水の逆転勝ちだった
本局の解説はハッシー、聞き手は安食女流だ 立会人は中川さんだ 

香川は通算53勝31敗 0.631 服装は、落ち着いた色のスーツっぽい服だ
ハッシー「香川は振り飛車党なんですけど、最近ではめずらしい角道を止める古風なタイプです (そういう作戦は)けっこう僕好きなんですけどね あんまりパッパと動いていくのは好まないのかもしれない じっくりした棋風なのかもしれないですね」
うーむ、このハッシーの香川さんに対する棋風分析はどうなのか たしかに前局の第1局は角道を止めた三間だったが、前期女流王将戦では早石田系も2局指しているし、里見さんとのタイトル戦では2局、居飛車を採用している
 
清水は通算567勝222敗 0.719 服装は、見た目に鮮やかな黄緑色のブラウス ・・・清水さん、NHK杯の司会のときでも、このくらいの色の服でいいんじゃない? NHK杯ではかなり地味な感じが(^^;
ハッシー「清水は居飛車党の本格派 そんなに玉をガチガチに固める感じじゃない ずっとそういうスタンスを変えない」

ハッシー「対抗形になるのは間違いない」
対局開始の一礼をするときの、清水さんの背筋の伸び具合といったら、もう、ホントすごい! ピーンと伸びており、江戸時代の武士の作法にのっとっているようだ 茶道を長年やっている成果だろうが、礼ひとつでここまで感心されられるとは(^^;

先手香川で▲ゴキゲン中飛車+美濃vs△居飛車+左美濃になった
アマチュアどうしでよくあるような戦型になり、戦いが起こって中盤が続くが、どうもハッシーの予想手と違う手が続く
両者、軽い?疑問手を出し続けているようだ 
ハッシー「んー これでは香川が苦しい」
ハッシー「清水も攻めあぐねた感じ」
こんな解説が続く 局面は、戦いが始まって手数が進んだわりには、双方あまり敵陣に攻め込んでいない

ハッシー「香川は苦しい時間が続いている 清水は悪手さえ指さなければ負けづらい」
と言っていたのだが、清水が桂を単騎で跳ねて攻めて行った その桂がすかさず香川に狙われた
ハッシー「清水変調、中途半端に攻めてしまった」 

そして、形勢はまた混沌、形勢互角なのはいいのだが、お互いに相手陣に駒が行っていない
安食「どこを攻めたらいいか、わかりづらい将棋ですね」
ハッシー「香川が勝つまでは気が遠くなる」
うわー、なんか、グダグダってことか・・・(^^; いつ終わるのか・・・

が! ここで、香川が初めて魅せた この一局の白眉(はくび)となる、強手一発! 竜を受けに使い、捨ててしまうが自陣を安全にする手だ おおー、この発想はすごい!
安食「すごい手が出ましたね」
ハッシー「勝因になるか、敗着になるかです」
安食とハッシー「香川は度胸がありますね~」

そしてさらに、香川は清水の攻めを放置して、強く攻め合った 気合いの一着! これもハッシーが全く考えなかった手だ
これが通るのか・・・ そしたら、通った! 見事に成功、形勢が一気に香川に傾いた
ハッシー「これは逆転しました 香川が良し」

とどめとなったのは、香川の自陣の美濃囲いを再構築する守りの手だ まだ攻められていないのに惜しげもなく持ち駒のカナ駒を投入、「負けない指し方」を知っている、「順位戦の手」とか「三段リーグの手」とかいわれる類の手だ  
あとは、一手一手の寄せを着実に指し、香川の勝ちとなった 149手で香川の勝ち

ハッシー「清水が優勢だったが、中途半端が重なって逆転を許してしまった 清水にとってはちょっと悔しい一局になってしまったですね」
安食「香川の勝負手も印象に残りましたね」

局後の勝利者へのインタビュー
香川「分かれはちょっと苦しかったと思うんですけど、終盤にチャンスが来たかなっていう感じです
(竜を受けに使い捨てた一手が、見ていて印象的だったがどうだったか、安食さんの質問に答えて)
だいぶ苦しかったと思うんですけど、自玉が安全になって駒を盤上に増やしていけるので、勝負手で自信を持って指しました
(最終局への抱負は)とりあえず2局で終わらなかったことにホッとしているんですけど、ここまで来たので全力で指したいと思います」

本局は、全体にお互い疑問手が多く、あまり良くない内容だったと思う この2人の強さはこんなものではないはずだ
ただそんな中で、香川さんの「竜を受けに使い捨てて、自陣を安全にした勝負手」 あれがキラキラ光っていた あの一手は男性プロでもなかなか指せないだろう
残すは最終局、お互いに持っている力を出し切って欲しい! ・・・もう結果は知ってるんで(笑)