橋本崇載 八段vs畠山鎮 七段 NHK杯 3回戦
解説 行方尚史 八段

うわー、清水さん、ピーターパンのような服装だ ネバーランドから、ようこそ!
今日はハッシーとハタチンか ハッシーがどんな将棋を見せてくれるか、非常に楽しみだ
ハッシーは気合いを入れていて、和服での登場だ ハタチンは顔が小さいな! ・・・あ、ハッシーが大きすぎるだけか(^^;

ハッシーは2001年四段、竜王戦1組、B1 10回目の本戦出場
1回戦でvs土佐ではノーマル三間の穴熊を採用して完勝、2回戦のvs郷田ではダイレクト向かい飛車を採用して会心の指し回しだった

ハタチンは1989年四段、竜王戦2組、B1 17回目の本戦出場
1回戦のvs佐藤慎一では相矢倉で完勝、2回戦のvsクマーは、クマーの角交換振り飛車に対して激戦だった

解説の行方「ハッシーは毎回NHK杯に登場するごとに、何かしらパフォーマンスを演じておられて、非常に盤外でも自己表現をするパフォーマーっていう印象が強いですね 見た目の派手さと違って、将棋は非常に本格的です
ハタチンは関西のリーダー格 考え方がしっかりされていて、今の関西の若手勢に影響を与えた部分が大きい方 将棋は剛直な攻め将棋 まもる(鎮)は攻める、と言われる」

事前のインタビューで、事件は起こった
ハッシーが、いきなり斜め上を見て白目をむいて、声のトーンを普段より1オクターブ上げてしゃべり出したのだ
ハッシー「(ハタチンの印象は)あのー、えーと、わたくすの印象としますてはですね、畠山さんは大変、えー、剛直な将棋という印象です えー、それでですね、えーと過去に何度か対戦があるんですけども、えーと、たすか、わたくすが勝ち越しております え、それでですね、えーと本局はおそらくわたくすの得意の矢倉になるんじゃないかと思うんですけども、えーとまあそうですね、うーんと、ま、やはりですね、まあ、わたくすの実績が、まあー、あの、一番偉大だと思いますー
(本局への抱負は、に急に真面目モードになり) 一局一局の積み重ねなのでしっかりした将棋を指していきたいと思います」

聞いていた清水「はい、・・・という橋本八段でしたが」
行方「はい(^^; ふっふふ(笑)  はい、いやー そうですね さすがに新たな手で来ましたね えー、あれはどなたの物まねなんでしょうか」
清水「みなさんがよく、ご存知でしょうか」
行方「視聴者のみなさんがよくご存知の、巨匠のリスペクトをされているっていうことなんでしょうね」

・・・ハッシー、急に白目をむいて声が変わったもんだから、私はTVが壊れたかと思ったじゃないか(爆) うわ、肝心のハッシーのインタビューのときにTVの内臓のハードディスクが壊れた?と思った(笑)  やってくれたなー! よくこんな対局前に、自分のペースを乱してしまうかもしれない芸当ができるものだ 
それと、前局のvs郷田のときのインタビューでは、体を揺らしまくって、「えーっと」と間延びして10回くらい言っていたのに、今回は噛むことがまったくと言っていいほどなし! 今回の「えーっと」は全部計算ずく! これはものすごい進歩! 人間は進歩できる、すばらしい! これである意味、無様な対局は見せられなくなった 自分で自分を追い込んだのは間違いない ハッシー、本局もがんばれー!

ハタチン「橋本八段は、将棋以外のパフォーマンスで注目を浴びるスター棋士ですので、こういうNHK杯の舞台で対局できるのは自分も見てもらえるので、今日はちょっと楽しみなのと、武者震いと言いますか、待ちわびてきました
(近況は)今年は試練のような感じで色々あったんですけど、NHK杯は1回戦も2回戦もツキがあって勝ち進んでこれたので、ツキを信じるじゃないんですけど、自分の読みに自信を持って指していきたいと思います」

行方「ハタチンは一転して落ち着いた感じで、物静かな闘志が感じられますね ハッシーの受け、ハタチンの攻めの図式になるかな」

先手ハッシーで、初手▲5六歩からの中飛車だった ハッシー、いきなり予告をはずす大胆な作戦(笑)
ハタチンはいつもどおり居飛車で受け、ハッシーの▲中飛車+片美濃vsハタチンの△居飛車の力戦調となった

行方「ハタチンの作戦は、ゴキゲン中飛車が出始めた頃に康光が居飛車側を持って採用していた作戦」
2人の対戦成績が出て、ハッシー5勝、ハタチン2勝とのこと ただし、最近2戦はハタチンが連勝している

さて、戦いはまだまだかな、と思ったら、もういきなり始まってしまった 角交換を皮切りに、5筋から大きく動いた それも相当大きく動いた あれよあれよ、という間に、駒がすんごい勢いで交換になっていった
2人ともまだ考慮時間をほとんど使っていない あららら、これはどうなってるのか?

行方「早いし、激しいですねー」
清水「お互いに我が道を行きましたね」
行方「読み筋がぶつかり合っています どっちかがすでに良いと思います でもどっちがいいか難しいですね」

ここで、ちょっと雑談があった
行方「ハタチンは自己管理も徹底されているようで、体型が若い頃から変わらないですね」
清水「ウォーキングが趣味で、なされているそうです」
ハッシーは、太ったもんなー(^^; それにしても、清水さんの下調べ能力、どれだけすごいの? ウォーキングが趣味、なんて、大した情報ではない いちいち頭にインプットしておける情報か? 清水さん、すごすぎる(^^; 「清水のエンマ帳」というノート、売り出してくれたら私は買うよ(笑)

さあ、ハタチンがハッシー陣に飛車を打ち込んで、攻め立てている あらら厳しいのか? 受けろ、ハッシー!
行方「うーん、どうやって受けていいか、よくわからないですね」
そうは言ったが行方もさすがA級、無難な受け方を示してくれた おお、それがあるか それを指せ、ハッシー!

ところが、ハッシーの指した手は、もっともっと強気な受けだった! うわー こわー だ、大丈夫か・・・
だが、これが功を奏した! ハタチンの攻め、切れ筋っぽくなってきた おおーやったー

さらに、ハッシーが魅せた 「これが指せたら負けても本望」と振り飛車党に言わせる、左桂の活用、天使の跳躍!
この桂が活躍するか? ハタチンも、食らいついてまだ粘ろうとする
行方「このハタチンの食らいつきには、対処が難しいですよ」
見ごたえあるシーンだった しかし、ハッシーは沈着冷静に応じてみせた 差が開いてきているのが私にもわかる いいぞ、ハッシー!

そしてさっきの天使の跳躍の桂が大活躍! 相手の2段目の金をはがす大暴れっぷり! こ、これは気持ち良すぎる!
その後も、ハタチンの竜を殺しておきながら、取ることはせずに差を広げる、という技を繰り出し、ハッシー、絶好調!
ハッシーは最後もきっちり見切り、自玉を安全にした
行方「これは気の利いた受け方ですね」
そして確実に、堅実に、しっかりと勝ちをゲットした 81手でハッシーの快勝! 

やったーー これは快勝と言うよりも、完勝というべきか 本当にお見事!
この一局、完全に、ハッシーがハタチンの上を行ったな・・・

行方「ハッシーの機敏な仕掛けが好判断でしたね ハタチンも警戒したと思うんですけど、その上を行くハッシーの決断だった それが勝利を呼んだ」

感想戦では、ハタチンの当然と思われた応手が実は大きな分岐点だった、ということだった

私はこの一局や2回戦の郷田との将棋を観て、アマチュアの振り飛車党が棋譜を並べるなら、ハッシーの棋譜を並べるのがいいんじゃないか、と思えてしまった 指し方が天才的な構想とかいうわけではなく、一手一手丁寧な積み重ねで、疑問手を指さないことをモットーとしているのだ これなら、アマチュアがお手本にするのにピッタリではないか、と思える
ハッシーのいいところが随所に出たかっこうで、実にお見事、パチパチパチパチ!
事前のインタビューで、あれだけ自分にプレッシャーをかけることをやっておいて、これだけの内容を見せることができる、これも素晴らしい! パチパチパチ!

ただ、もう次はベスト8、次に何を言うか期待が集まると思うけど、もう真面目でもいいんじゃね? ここまで来たら、私はハッシーにはマジで優勝を狙ってほしいのだ(^^; ひふみん以上の物まねキャラが存在するかっていうと、居ない気がするし(^^;
また決勝まで行ったら何か言う、くらいでいいと思う
あと、目を白目をむくのはやめてくれたほうが・・・ TVのハードディスクが壊れたと本気で思った(笑)

今年のNHK杯はすでにタイトルホルダーが全滅している (森内も竜王ではなくなった)、かっこうの優勝のチャンス! 今のハッシーの強さ、勢いなら行ける! 
ハッシー、優勝目指して、行けえええええええーーー!!

<お知らせ>
来週のNHK杯はお休みで、AM11時~PM1時まで、「将棋の日」の模様の放送があります