飯塚祐紀 七段vs深浦康市 九段  NHK杯 準々決勝
解説 中村修 九段

今日は飯塚と深浦か なぜか地味な感じがする2人(^^; 解説は修ちゃんだ

飯塚は1992年四段、竜王戦4組、B1 6回目の本戦出場
1回戦で塚田、2回戦で西川和宏、3回戦でのvs屋敷では、屋敷の変則的な積極策を丁寧にめんどうを見て快勝

深浦は1991年四段、竜王戦1組、A級 22回目の本戦出場 
2回戦で森下、3回戦のvs豊島では、相居飛車の力戦を粘り倒して勝っている

解説の中村「2人は居飛車党、基本に忠実な、無理なことは考えないバランスの取れた将棋でタイプが似ている」

事前のインタビュー
飯塚「以前、深浦さんの地元に仕事でお邪魔したことがあります 深浦さんは地元でも大変に応援されていまして、素晴らしい棋士であるという認識を深くしました 盤上のほうでも、超一流の実績をお持ちですし、現在もA級の素晴らしい棋士だと思います 今日はそうした強い深浦さんとお手合わせできるということで大変楽しみにしてまいりました インタビューも4回目になります 毎回同じようなことを申し上げて大変申し訳ないのですが、私にも応援して下さる皆様が大勢おられます 一手一手感謝の気持ちを込めて、しっかりした将棋を指せればなと思っています よろしくお願いします」

飯塚さん、例によって丁寧極まる挨拶だな~ しっかりと相手を立てて、最後は「一手一手感謝の気持ちで」というセリフで締める(^^;
聞いていた中村「彼の性格を表している ホントに真面目」

深浦「飯塚七段はアイデアが非常に豊富だと思います いつも従来より優れた工夫をされてるんで、今回はそこに気をつけたいと思います 森下戦と豊島戦が負けを覚悟した場面が多かったですから、今日はそのツキを生かしてがんばりたいと思います」

聞いていた中村「深浦将棋は、苦しいときに特徴が出る そのときの技術が素晴らしい、参考になる」

先手飯塚で、相矢倉となった 序盤、長い駒組みが続いた 40手以上だ ただ観ているだけなので、ここは退屈だ
もっと早くに解説者のコメントを入れて欲しい 雑談が聞きたい
ようやく大盤に画面が切り替わったとき、中村自身も、「長かったですね 序盤が」と言っていて、駒組みが終わるのをただ待っていたという雰囲気だった 毎回のことなので、ここは改善して欲しい

▲4六銀+▲3七桂型から、先手の飯塚からどんどん攻めていく展開 過去の実戦例もとても多いとのこと
中村「この変化は詰みまで行く変化があるんですよ みんなが研究して、みんなが指している」

過去の対戦成績が出て、飯塚0勝、深浦3勝とのこと

しばらく定跡手順で手が進む
中村「こういうのを覚えなきゃいけないのは、大変ですねー」
全くだ 私は全然定跡がわからないし、覚えるつもりもない(^^;

もっと深くまで定跡があるのだろうが、深浦が変化した 
中村「ちょっと独創的な手が出ました」
従来は持ち駒の銀を投入していたところを、金を立って受けて変化 力強い手だ 深浦はノータイムだったので、研究手ということは明らかだ

局面、▲香損確定の飯塚vs△玉形が乱れている深浦という図式
それにしても深浦は73手目あたりのところで、ようやく持ち時間の10分を使い終わっていた(持ち時間とは、考慮時間に入る前の時間) ものすごい飛ばし方だ  

飯塚、これだけ相手玉が乱れていれば、何かありそうだが、と思っていると、いい感じの手が出た 攻め急ぐことなく、5筋の歩をスッと突いて、手を渡したのだ
中村「はあ~ これはやわらかい感じ」
清水「5筋ですか~」
中村「右からだけではうまくいかないということで、左をからめてということですね」
清水「矢倉は緩急の指しわけが難しいですね」
中村「そうなんです そうなんです 玉側で戦っていたのが、一転して反対側で戦ったりしますからね」

そして、中村が「これは厳しい」という攻めが飯塚に出た さらに角を叩き切って攻めかかる飯塚
飯塚の猛攻、深浦は受けられるか~? 深浦の角の行き場がなく、こりゃ、飯塚好調か?
したらば、深浦、なんと角をタダで見捨てて、玉の早逃げ! うおー すごい決断だ 駒損よりも玉の安全を優先か  
中村「お~ 恐るべし これが深浦流ですよ」

形勢は? 矢倉が残っていて攻めてる飯塚がいいのか?と思って私は観ていたのだが、中村は真逆のことを言った
中村「これはたぶん通常は深浦がいいですね」
早逃げした深浦の玉が、妙な耐久力があるのか
中村「飯塚の手が一手間に合っていない感じ」

しかし、ここで飯塚に勝負手が出た! 使えていなかった遊び金を働かせ、相手玉に迫る一手!
中村「おっ そうかそうか 面白い手です 飯塚にも楽しみがありますね」
おおー、白熱してきたな

中村「この次の深浦の一手で勝敗が決まるかも ピッタリした受けがありそうな気もしますし」
だが、ここで深浦の底力が発揮された 矢倉崩しの歩頭桂、一閃!
中村「お 受けない すごいですね どう受けるかって言ってたら、さらに桂を渡しても大丈夫という手」

これできれーいに決まっていた 深浦は鮮やかに寄せ切り、この熱戦を会心の終盤術で勝ちきった
112手で深浦の勝ち うーん、見事・・・ 深浦、A級は伊達じゃないな

中村「深浦のしぶとい受けが印象的だったですね それと受けから攻めに回るタイミング、攻めに回ってからの寄せ方が早かったですね びっくりしました 飯塚もうまく攻めていたと思うんですけど、深浦の懐の深さで負かされてしまった」

感想戦で、深浦が出した中盤の新手、あれは深浦いわく「女流の伊奈川さんの手なんですけど」ということだった
女流の名前がついた新手が出るといいね 伊奈川新手、ってね 飯塚もこの手に特に興味を持ったようだった

本局の深浦は強かったなー 玉形が乱れて受けに回ると、ミスが出やすいとしたものなんだけどね そういうことを感じさせずに、飯塚の攻めをしのぎ、そして反撃に転じたタイミングがまた良かった あの角を見捨てての玉の早逃げ、あれでやれるという判断がすごい 飯塚の構想の一枚上を行っていたなあ 会心譜と言えるのではないだろうか 深浦の指し手はとにかく高度、マネできたもんじゃないと思った(笑) 貫禄を見せ付けたかっこうだ
飯塚も力を出していてよくやったが、もうこれはしょうがない力負けという感じだった

これでベスト4の準決勝は、森内vs深浦 そしてハッシーvs行方という顔ぶれとなった やはり出る人が出てきたなという感じだ いよいよ大詰めを迎えてまいりました