佐々木勇気 五段vs藤原直哉 七段 NHK杯 1回戦
解説 福崎文吾 九段

昨日、私は子供将棋名人戦を見逃してしまい、ガックリしてますorz
今日は佐々木勇気と藤原かあ 藤原ってすごいマイナー、ドマイナーな棋士じゃないのか 私の記憶では、かすかに居飛車党だったような気がする、というだけだ それだけを知ってるだけでも知識があるほうでは(^^;

佐々木勇気は20歳 藤原は49歳、3日後が50歳の誕生日とのこと 30歳差の年の差対決だ
ちなみに福崎は55歳  佐々木勇気、今回は佐々木と表記させてもらう

佐々木は2010年四段、竜王戦4組、C1 総合成績優秀により本戦にシード 3回目の本戦出場
藤原は1989年四段、竜王戦6組、C2 予選で増田裕司、西川慶二、阿部隆に勝ち 4回目の本戦出場

清水「福崎九段、最近の調子はいかがですか」
福崎「はい、けっこう調子いいですよ」
清水「どんなところが?」
福崎「体調がね とりあえず  清水さんはいかがですか」
清水「ぼちぼちですね アクセント合ってるでしょうか」
福崎「ピッタリです~」

いきなり漫才のような掛け合いがあった でも清水さん、「ぼちぼち」のアクセント、合ってないから(^^; 
福崎さんの横では誰でも漫才師になる、の法則だなあ

福崎「藤原さんは、今やベテラン 若松先生の秘密兵器 佐々木さんは関東 非常に若くしてプロになり、スイスの生まれというだけで脅威がありますね 好対照なお二方 興味深々ですね」
藤原は、若松政和門下ということだ 若松門下にはタニーと井上が居るとのこと ちなみに福崎は田中魁秀門下で、そこは関係ない 単に、関西のベテランとして解説に呼ばれたようだ

事前のインタビュー
佐々木「目標はベスト4です ただ初戦から厳しい戦いになるのではないかと思います 自分の持ち味は攻めと終盤だと思うので、そこを注目して観て欲しいです」

藤原「予選を勝てると思ってませんでした 初めて本戦で勝ちたいなという気持ちを強く持ちました 相手は強いですけど、精一杯、正々堂々とやりたいと思います」

先手佐々木で、ノーマル角換わり、そして相腰掛け銀に進む 
よりによって、今一番プロ間で流行していると思われる角換わり腰掛け銀・・・ 佐々木はスイスイ指すが、藤原は時間的に遅れ気味 これ、バリバリの若手相手に、最新流行形の後手番を持って、C2のベテランがどれだけ戦えるというのか? ボコボコにされるのでは、という空気が私の中にすごい流れる 
福崎「藤原さんはケレンミがなくて、奇襲的なことはあまりしない」

清水「藤原七段は今年の3月まで奨励会の幹事をしていらっしゃいました」
福崎「4年間していましたね あまり何も言わない幹事で~」
藤原さん、どこの学校にも居る、影が薄い教頭先生のような存在の幹事だったんでは?(^^;

双方に細かい手損の手待ちが続く 
福崎「非常にこれは・・・ 緻密な感じがしますね ちょっと意味とか全然わからないんですけど(笑) 」
福崎「私の感覚では謎の一手です」
福崎「この辺はどう指しても一局のような」
こういう解説が続く もう今回は、ビシッとした解説を聞こうとするのは、あきらめるべきだな・・・(^^;

福崎さんは、解説でどうしても不備があるので、雑談でカバーしようと努力している
福崎「藤原さんは妙手が出やすい体質なんです 煮詰まった局面でね」

福崎さん、さらにギャグで解説を盛り上げようと努力しているのも、いつもの姿だ
福崎「(4二と4三の間の線上に後手の金を置き) 中間で止まっておいて、どっちでも使えるようにとかね」

もう、これ関西会館の解説会でも、しょっちゅうやってた 2手指しありで勝手に王手して、王を取っちゃっていきなりゲームセットになる解説とか(^^;

清水「今、角換わりは多いですね」
福崎「羽生、渡辺、郷田、糸谷が角換わりをやっているから、どうしても影響を受けるのでしょうね」
そうか、4人のタイトルホルダー全員が角換わりを得意としてるか んー、でも、焼き直しのような戦型になっちゃうのはなあ、個性が出ないじゃん? 強いならともかく、タイトルホルダーより劣るわけでね それをみんなに観てもらいたいっていうのはどうなんだろう 

あー、考慮時間の残り、佐々木▲9回vs藤原△4回になっちゃったよ まだ仕掛けてもないのになあ
こりゃ、きっと藤原、いいところなく負けるぞ
佐々木から仕掛け、戦いが始まった 佐々木はどうやって手を作っていくのかな、と思って観ていると、激しい駒の交換になった 角銀を打ち合い、それを取り合っての交換だ
福崎「アクロバティックな取り合いになりましたね どちらがハメたんでしょうか」

そんなとき、藤原に好手が出た 福崎いわく「泣きが入った一手」、盤面を制圧する角打ちだ う、こ、これは? 絶好の位置か? 佐々木、地味~にピンチか これ、切れ模様にさせられてるんじゃあ?
福崎「藤原には、上部に楽園を作る楽しみがある」
そして、藤原は実際にどんどん楽園を開拓していくではないか
福崎「藤原の渾身の厚み、3重坊主かな 花札で言うとね 佐々木さんが追い込まれてる」

考慮時間の残りも逆転! 佐々木▲0回vs藤原△3回だ おおお、こりゃ、藤原の勝ちか 攻められたのに、全然損をしているところがない 後手が駒得だけしている、他に代償がないぞ 
福崎「藤原さん、うまくしのいだですねー」
桂香に、と金が得 おまけに相手の飛車を詰めてしまった こ、これは必勝体勢?
福崎「局面は藤原さんは押してると思うんですけど、勝負はこっからですから」

もう藤原玉が、どんどん脱出して捕まらない 楽園にトライだ 私には福崎さんの言葉が信じられず、もう佐々木投了かと思われたのだが、ここからなんと、佐々木が相入玉目ざして、粘って指してきたではないか
福崎「これはもう、入玉行進曲ですね」
佐々木玉の入玉も、妙に防ぎにくい? うわー、佐々木、なんという粘りだ

点数計算と佐々木玉の寄る寄らないを一手ごと切り替えないといけないという、なんとも珍しい終盤に! これはコンピュータが苦手としてそうな局面だ(笑)  しかもしかも、お互いが勝ちを狙ってる! 藤原は取れる馬(5点)を取らなかったと思えば、佐々木は自玉が危険になるのを承知で、相手の飛車(5点)を取る強手! うわ、すげええー これ、点数勝ちと寄せて勝つのが行ったり来たり、大熱戦! なんと、珍無類な!

この戦い、これ、終るの? 相入玉で引き分けか? しかし再試合の放送時間がない、と邪(よこし)まな考えが頭をよぎった、そのときだった 藤原、渾身の竜タダ捨て!! おおーー! 盲点の好手、一発!
福崎「あっ すごい手が出ましたね これは妙手」
その一発で勝負がついた 136手で藤原の勝ち 

福崎「僕も長年プロをやってますけど、こんな見事な『次の一手』は久しぶりに見ましたね 最後に絶妙手が出ましたねー びっくりしました」

なんと、藤原が、魅せて勝った! 相入玉模様で一手ごとに形勢が揺れ動くって、すごいよ こんなの、なっかなかない 最後の最後まで、どっちも積極的に勝ちを狙ってたんだからなあ 藤原は取れる大駒を放置、佐々木は大駒を強く取って勝ちに行っていた 素晴らしいね 面白かった~ 藤原、最後の手も良かったけど、秒読みの中、ずっと乱れなかったのはすごい、さすが予選を勝ち抜いてきただけある パチパチパチパチ
佐々木も、中盤はダメだったけど、よく敗勢から粘って、相入玉模様にしたものだ 私だったらもう途中で心が折れてた(^^;

福崎さん、最後が劇的で良かったね 序盤の解説不能だったところなんて、もう誰も覚えてないだろうという終盤で(笑)
いや、これは藤原が良かったね 本当に良かった、私の下位ベテランへの見方すら変えるくらいのインパクトがあった 藤原七段、グッジョブ!!