奨励会ダイジェストという番組が囲碁将棋チャンネルでやっています
2年前に放送された再放送で、そこで、奨励会4級の人が、筋違い角+阪田流向かい飛車という奇襲戦法を採用し、見事な指し方を見せて快勝していました
そのときの解説の真田七段のコメントが秀逸でしたので、ぜひ書いておきたいです

真田「もう、奨励会で筋違い角自体が、そうとうないですから、誰がやられてもビックリすると思うんですよね ですから、定跡形でなくても良くすることができるっていうね こういう個性的な将棋をやるタイプは貴重ですよね いろいろ今後も新しい指し方を見せて欲しいですね 本局はその場の思いつきじゃなくて、事前の練習があるんじゃないかと思うんですね 地方に住んでいるということで、逆に言うと情報のないところなんで、こういう自分で戦法を編み出してくるっていうところがあるので、今の何でも情報、情報っていう流れから言うと、面白い存在ですよね これで4級から3級に昇級ということで、楽しみですね あんまり情報の将棋に移行してほしくないタイプですよ 他の人がやらないことをやってほしいと思います」

真田さん、いいねいいね 奇襲を認める発言、とてもいいですね というのも、30年ぐらい前までは、奇襲をやるとダメ、という風潮があったのですよ マンガの「5五の龍」(1978~1980)にはプロのそういう発言が何度も出てきます 奨励会員が奇襲を指すと、プロが「ムッ これは定跡にない手! 本筋ではない邪道、けしからん!」というシーンが頻発するのです 今となっては、あほらしい考え方です (作者の、つのだじろう氏は奇襲を否定してません) 升田式石田流しかり、居玉で戦う藤井システムしかり、一手損角換わりしかり、全部奇襲と言える作戦を、先駆者がみがきあげて誰でも指すようになったという歴史があるのですよ 今までにない作戦を使って勝とうと創意工夫する、なんという素晴らしい開拓精神ではないですか 第一、プロがみんな同じ戦法を指すようになったら、ファンは観ていて面白くないですからね

次に、奨励会に受かるための将棋の上達方法について、こういう発言がありました
真田「将棋は王道がないのでね 将棋を好きになって、将棋に取り組む時間を長くする 一生懸命やる 熱意、情熱、そして努力 やっぱり当たり前のことしかないんでね 将棋が好きなことが一番ですね」
うーん、真田さん、いいわー これをやれば、っていう絶対の方法が確立されてない、そこが面白いですよね

真田さんは今でも奨励会の幹事をやっているんでしょうか この奇襲に関する考え方と、上達方法に関する考え方、これはこれからも、つながっていって欲しいですね