畠山鎮 七段 vs 杉本昌隆 七段 NHK杯 1回戦
解説 浦野真彦 八段

先週の稲葉vs天彦、解説中村太地から一転、今日は昭和の香りがするカード(^^;
ちなみにハタチンと杉本は同じ46歳、浦野51歳だ  先週から一気に高齢化(笑)  

はたけやままもる、略してハタチンは1989年四段、竜王戦2組、B1 本戦にシード 18回目の本戦出場
杉本は1990年四段、竜王戦2組、B2 予選で村田智弘、斎藤に勝ち 12回目の本戦進出

あ、両者竜王戦2組なのね 今、竜王戦の表を見たら、2人とも今年も2組から落ちてないね ちょっと見直したな

解説の浦野「畠山さんは一言で言うと、まっすぐな人 居飛車一刀流
杉本さんは名古屋でがんばってはってね どこにいても強くなれるという信念の人 振り飛車党、最近は居飛車も指しているみたいですね」

事前のインタビュー
ハタチン「ここ何年かシードで出させていただいているんですけど、やはり30秒という瞬発力が年々落ちているんですけど、年々厳しくなる戦いにはなるんですけど、やっぱり1回戦が大きい勝負なんで、しっかりした将棋で落ち着いて指して勢いづけて勝ってちょっとでも上を目指したいと思っております 杉本七段とは10代の頃から30年近く切磋琢磨しているので、今日はこのNHK杯で指せるというのは非常にうれしいですね 本当は年代もいっしょなんでお互いに勝ち上がって戦いたいくらいですけど、戦えるのがうれしいんで、今日、戦型は杉本さんは色んな戦型をやるので、どうなるかわかんないですけど、しっかりついていって戦いたいと思っております」

杉本「最近、予選で負けてしまうことが多かったので、今回勝ち抜けて本戦に出れたことを非常にうれしく思います この対局に備えて弟子たちと10秒将棋を指して備えてきました 今日はいい将棋を指せればいいかなと思っております」

浦野「見どころは終盤のデッドヒート」

先手ハタチンで、居飛車 後手杉本の角交換四間飛車になった
角を交換したものの、すぐにお互いに元のラインに打ち合って、何事もなかったかのように駒組みが続く

2人の対戦成績が出て、ハタチン12勝、杉本10勝とのこと

浦野「最近のNHK杯は序盤がパーッと進むけど、今日はずいぶんマッタリとした序盤ですね」
そう、ものすごい持久戦になり、駒がぶつからない ▲4枚銀冠vs△4枚穴熊になっている こういう両者ガッチガチの玉形、私は見るのは久しぶりだ

浦野「杉本は長手数が好き 順位戦でもいつも最後までやっている印象がある」
清水「駒のぶつかるところの予想がつかないですねー」

ここで浦野が雑談をした
浦野「私も若い頃、NHK杯に出てる頃は、3手詰めを200題を10分くらいでやってましたね」
うむ、これはそれくらいで解けるんじゃないかな もっと早くても不思議じゃない

浦野「飛車落ちでプロに勝てるようになると、奨励会に入れる」
おお、そうか プロに飛車落ちで勝ったら奨励会6級か いい事を聞いた

さて、ハタチンが動き、ようやく角以外の駒がぶつかったのは、番組開始から50分も経ったときだった
両者の考慮時間、残りが▲3回vs△4回まで減っている ここまでが、長かったなー(^^;

浦野「ちなみに、浦野vs畠山鎮は、私の1勝10敗 飛車落ちくらいでいいんとちゃうかと(笑) 」
うわ、そんなに負け越してるか でも正直に言うっていいね

浦野「杉本の玉は金銀がはがされてから、リフォームするんですよね それで長くなるんですわ」
ハタチンに気持ちのいい手が続く 飛車を叩き切って、取った角で両取りをかける
杉本は防戦に立たされた でもまだいい勝負か?と思っていると、ハタチンに渾身の一手が出た

杉本から△6四銀とやってきそうなところを、ハタチンのほうが▲6四歩打ち一発! おおおお! そんな逆転の発想が! ここはTVを観ていて、私は叫んだところだった(笑)
浦野「はあ~ これまたすごい手ですね 銀を逃がす手 これ、ちょっと盲点ですよね」
杉本、結局その歩は取れず、▲6四歩が拠点として残ってしまった
浦野「これは利かされ、歩がでかいですよ」

これでペースががぜん、ハタチンに傾いた 
杉本は、打った香をタダで次の手で取られるが辛抱するという、すごい我慢を見せたが、形勢は動かなかった
浦野「ハタチンの作った、と金が厳しいです」

清水「ハタチンのほう、序盤で取った位が広いですね」
上部に脱出したハタチンの玉に、杉本の竜が下段から迫る しかし、ハタチンは落ち着いて対応、しっかりまとめて勝ちきった
113手でハタチンの快勝に終った

浦野「長い序盤で、アレでしたけどね 戦いになってから畠山さんがうまく攻め込んで、杉本さんの粘りをかわして寄せきった 杉本さんの粘りも攻めもすごかったんですけど、ちょっと届かずでした」

感想戦が3分も経たないくらいで終ってしまい、おーい、もっとやってくれよ、と私は声を出してしまった

結局、駒組みが飽和状態になってから杉本が1筋から香交換を挑んだのが無理筋ということか? 杉本は飛車を先手で打たれて、その後も先手先手と攻められては苦しくなってしまったか 負けても150手くらい指したかっただろう 清水情報によれば、体重を5kg落としてきた、ということだったけど、力がそんなに発揮できなかった感じだ

一方のハタチンは、なかなかお見事だった ▲6四歩は魅せたね 対局後に、さかんに「いやー、まずかった」ということを言っていたけど、快勝譜だったのでは? 堅い玉形から攻めまくる、ハタチン流を全国に披露できた一局だったと思う