松尾歩 七段vs井上慶太 九段 NHK杯 1回戦
解説 阿部隆 八段

今日は松尾(35歳)と井上(51歳)か 松尾は前期銀河戦で準優勝の実力者だ 私は井上さんの応援するぜ~
井上さんは関西会館の解説者の中で、一番良かったもんなあ 井上さん自身の棋力が高く、どの戦型でも対応して解説できるし、説明が実にわかりやすく、ギャグもたっぶりと期待できる、最高の解説者だった

松尾は1999年四段、竜王戦2組、B1 予選はシード 12回目の本戦出場
井上は1983年四段、竜王戦3組、B2 予選で星野、小林裕士に勝ち 23回目の本戦出場

解説の阿部「松尾はとにかく序盤で工夫するタイプ 目新しい手を必ず盛り込んで新手を編み出すタイプ
井上はオーソドックスに当たり前の手を当たり前に重ねる 地味ではあるんですが、プロらしい将棋」

事前のインタビュー
松尾「前期あんまりパッとしない将棋で、冴えなかったので、今期こそはという気持ちがありますね 最近調子が上がってきている感覚もありますので、今期こそはがんばりたいです 相手の井上さんはバランスのいい棋風で、受けの強い方なんですけど、そこをなんとか突き崩したい いい内容を指して、結果もともなえば」

井上「予選では若い人と2局当たったんですけど、まあ勝てると思わなかったんで、非常にうれしかったですね 対戦相手の松尾さんは、非常に研究熱心な方なので、本局は最新形にならないように戦いたいと思っています」

ここ、井上さん、予選で当たったのは星野良生四段と小林裕士七段なので、若いのは星野だけだね

先手松尾で、居飛車 井上さん、どうするかなと思ってたら、いきなりやってくれた 4手目△7四歩!
阿部が「序盤に注目」と言ってたら、ホントにそうなった! この△7四歩は、第2回電王戦の▲船江vs△ツツカナで、ツツカナの作者の一丸さんが「船江の師匠の井上さんがたまに採用するので」と言って、ツツカナに事前に組み込んで指させた一手だった 
それを本家の井上さんがやってくれた、やったー、これは見もの! マニア心をくすぐるね~

もう1つ、うれしかったのは、5手目から解説が始まったことだ いつもこれくらいに解説を開始してほしい
阿部「井上先生、たまに△7四歩を指されるんですね」

ここで対戦成績が出た 松尾2勝、井上4勝 井上さんは順位戦B1で松尾に3連勝しているとのこと ほお~

清水「井上さんはご自身の棋風を『平凡流』と呼ばれています」
阿部「普通の手を積み重ねられるのがプロの技なんです」

局面は相居飛車の力戦になっている 阿部「相掛かりに似てるかな」
▲松尾のカニ囲いもどきvs△井上の中住まい、だ

井上さん、早指しで快調に進めている 阿部「作戦を決めておいて、序盤は飛ばすというのが井上ペースなんです」
松尾は小考を重ね、残りの考慮時間が▲4回vs△10回まで差がついた

局面のほうも、ちょっと井上さんが良いようだ 松尾玉の金をはがすことに成功し、松尾は玉が裸に近いかっこう
これ、井上さんが押してるんじゃない、いいんじゃない?
さらに、ここから井上が魅せた 阿部の解説より1マス踏み込んだ垂れ歩を放ち、強く攻め立てた
そして、阿部の解説に対して清水が「他に(候補手)は?」 阿部「他にはないと思いますよ」と言っていたところ、井上さん、手つきも美しく、ビシッ!と強烈に△2七金という手を打ち込んだ! うおっ 敵の飛車の尻に、尻金! 
阿部「はあ~! ありましたね~ 今すごくいい手つきでしたね」

飛車を入手した井上さん、えーぞえーぞ、どう見ても井上ペースに間違いない! このままいけええーーー
残りの考慮時間も▲0回vs△5回と差がついた 松尾を追い込んだ!

だが、阿部「まだ難しいですよ」 清水「少し井上持ちですか」 阿部「はいはい」
松尾も勝負手を繰り出してくる 井上玉の玉頭に特攻、怖いところだ これを乗り切れ、井上さん~

井上さん、松尾のしがみつく手を、振り払おうとしている いったん王手を利かせたのも好手か
玉をさばく手つき、ビシッと、自信があるように見える いける、これはいける・・・

井上さんは王手飛車を食らったのだが、これは先に駒得しているし、大丈夫なんだろう 
両者30秒将棋で私は局面の変化についていけなくなり(笑) 、清水ですら「え? ん?」と混乱している(^^;
阿部「見せ場、充分になりました 井上は頭を抱えてましたね 今ね」

がんばれ~ 井上先生~ 松尾に勝つまで、あと少し・・・
そして、ついに、阿部「今、詰みがあったと思うんですけど、これでも大丈夫でしょ」 阿部のお墨付きが出た
井上さんが松尾の猛攻をしのいだ! 106手、井上の勝ち やったーーーー

阿部「井上さんが(後手の井上から見て)左辺だけでうまく手を作りましたよね 井上は飛車が使えなかったにも関わらず、手を作った それが感服した」
やったね、井上さん これは会心譜といってもいいくらいの出来ではないだろうか △2七金って、見えてたのがすごい!
感想戦で松尾も△2七金に「見えにくい手」と言っていた

4手目△7四歩作戦でのこの内容、これは、私のような井上ファンにとっては垂涎(すいぜん)の一局となった(^^; 井上さんの真剣な表情もファンにはポイント高かった
前期銀河戦準優勝者の松尾に快勝、井上先生、これは解説会で自慢できまっせ まだまだやれるなあ 次局もぜひこの調子で!! いやー、気分いいわ 井上先生、グッジョブ、パチパチパチパチ