屋敷伸之九段 vs 菅井竜也六段
対局日:2015年6月5日
解説:稲葉 陽七段
聞き手:井道千尋女流初段

うわー、解説の稲葉、顔の形状が目を引くな~ 毎回だが、驚かされる~
「顔が将棋の駒の形の棋士」として、稲葉に将棋栄誉賞でもあげたらいいと思う
それか、顔の骨格標本を作って、将棋会館の前に飾っておくとかね

屋敷と菅井、ベテランと若手の強い者どうし、楽しみな一戦だ

稲葉「屋敷は最近は独自の戦い方をしている 菅井は早見え早指しで新手を指している」

先手屋敷で居飛車、対する菅井は、なんと4手目に角道を止め、ノーマル四間飛車に~!
後手のノーマル四間飛車と言えば、今年の将棋年鑑で、「昨年度のプロ間の勝率が0.324」と出ていた戦法ではないか
もうここまで低い勝率だと、絶滅危惧種と言って間違いない
屋敷にどこまで立ち向かえるのか?

屋敷の注目の対策、それは▲棒銀+引き角という、これまた超個性的な戦法だった 
うわ~、もう、モロにアマチュアがやる戦法どうしのぶつかり合いじゃん、楽しい~

稲葉「ノーマル四間飛車に対して居飛車急戦は最近ではめずらしい
菅井は最近は何でも指す、こういう受け身になる作戦も指す、芸域を広げようとしている」
いくら芸域を広げるといっても、勝率3割2分の戦法まで採用していて大丈夫なのかと思ってしまうが、どうなるか

菅井は左金も玉と反対側に上がり、もうまるっきりアマ強豪どうしの戦いのような局面となった

雑談で、稲葉がコンピュータに関してこんなことを言っていた
稲葉「コンピュータとか使っている人は、ちょっと研究会を少なくしてる人は多いかもしれないですね」
もう、他人と研究会をやるよりもパソコンで最善手を検索してたほうがいいってことか・・・ 寂しいが、勝ったもの勝ちの世界なんで、しょうがないね・・・

屋敷は自然な駒運びで攻める 菅井は飛車を細かく横移動、そして左銀をトリッキーに上がって受ける
双方の駒がさばけ、終盤に突入
稲葉「一手指したほうが良く見える」
うむ、双方、玉が薄いから、ドキドキするね

手数が進み、屋敷は単純なベタ金で、菅井の美濃囲いに張り付いて攻める 
菅井はのんびりと盤面隅っこの香車を拾って打って攻めているが、自陣は大丈夫? 香の攻めが間に合うのか?
すると、稲葉「もう菅井は受けるスペースがない」
あれ! 本当だ 単純な数の攻めが受からないではないか こんなときに取ってあった香も、今打ってしまって、もう高い持ち駒しかないよ

菅井は仕方なく銀を打って受けたが、それはすぐ取られる運命・・・
駒が大量に交換になったが、菅井はものすごく駒損をした 
稲葉「ちょっと菅井は駒損しすぎてる感じ 金銀銀桂と飛車の4枚換え」
ぐわー、しかも、屋敷側は金銀7枚、菅井は大駒4枚、終盤でこうなるとどっちが勝ちやすいかは明らか
菅井玉の周りはスッカスカ、守ろうにも持ち駒が大駒しかない・・・
もう屋敷レベルの人間が、ここから勝ちを逃してくれるとはとても思えん

稲葉「屋敷はしっかりした攻めです」
気づきにくい好手順で、屋敷は確実に攻め立て、菅井をノックダウンに追い込んだ
菅井、超単純な必至の図まで指して、投了を告げた  101手で屋敷の勝ち
屋敷は自玉は安泰、そして持ち駒の銀3枚を戦力的に余らせての勝ちという・・・ 圧勝だった
プロでここまで差がつくのも、相当に珍しい

稲葉「前例があまりない力将棋だったんですけど、屋敷が全体的に安定していた 
ちょっと薄い玉形だったんですけど、うまくまとめてあとは攻め切った」
屋敷はさすがにA級といった指し回しだった これからも左右の銀を前に進める独特の作戦を期待しているよ

感想戦で、菅井は別の手順で攻めたらどうだったかを示してくれたが、あまり結論は出なかった感じ
この一局、一言でいうと、「コテンパン」 これに尽きる・・・
菅井六段、勝率0.324の戦法の壁を打ち破れずに、ボロ負け
う~ん、こんな日もある、羽生でも負けることがあるんだからね お疲れさまでした(^^;