阿部光瑠 五段 vs 深浦康市 九段 NHK杯 2回戦
解説 木村一基 八段

光瑠と深浦 若手vsベテランの実力者どうしの一戦

光瑠は2011年四段、竜王戦5組、C2 1回戦で佐藤秀司に勝ち 4回目の本戦出場
深浦は1991年四段、竜王戦1組、A級 1回戦はシード 23回目の本戦出場

解説の木村「光瑠は早見え早指し、中盤に力を出すタイプ
深浦も早指しは得意、ミスが少ない、受けがしっかりしている」

事前のインタビュー
光瑠「深浦先生は将棋が手厚いという印象で、とても温厚なイメージもあります いつもどおり、楽しく全力で指せればいいなと思います」
深浦「阿部五段はよく研究されてまして、受けも強いですし、非常にバランスの取れた棋風だと思っています 去年ベスト4までいけて、ファンの方々から色々お祝いの言葉をいただいたんですけども、また今期もそれぐらいいけるように、一からがんばりたいと思います」

先手光瑠で、角換わりの相腰掛け銀になった またこの戦型だ・・・ 
そして例によって、序盤は解説というものがなかった 駒組みの間はずっと対局者の盤だけ映していた 
もうNHK杯で序盤の解説を聞くのは無理なのかもしれない

深浦は金銀分裂形で、攻めを見せている
木村「深浦が最近多用している形」

お互いに角を打ち合い、攻めを見せた 考慮時間に差がつき、光瑠▲3回vs深浦△10回
深浦が景気よく攻めていると思われたところ、光瑠の決断の一手が出た
金の頭に歩を叩かれた光瑠、桂交換に応じるのかというところ
木村「光瑠は桂の交換ではなく、桂をタダ取りしたいんです」
すると、光瑠は金を逃げて、桂のタダ取りをもくろんだ!
木村「あっ 逃げた! これは光瑠はこの一局を賭けたんですよ」

深浦、桂が取られる直前に手が作れるのか? 注目となったが、なかなか次の手を指さない
大長考、一気に6回も考慮時間を使い、結局、深浦は桂をタダで取られてしまった
木村「光瑠、成功」

その後、攻め合いとなったが、光瑠は判断、指し手が正確で、間違えなかった
木村「まだ光瑠がいいが僅差、1回間違えればたちまち逆転」と木村が言うが、光瑠は強かった
木村「深浦は何かひねり出せるかというところ」とのことだったが、特にびっくりするような手は出せず
光瑠の飛車を切って強く攻めた判断が良く、さらに深浦陣に受けに利いていた飛車を攻めたのも、うまかった

最後は差がついた 113手で光瑠の勝ち
 
木村「光瑠の強気の受けが功を奏した 金をかわして桂をタダ取りにいった手が際立っていた その後、深浦も局面をはっきりさせないてを指したが、うまく光瑠がしのいで勝ち切った」

この一局、深浦が序盤でノータイムで指していたわりに作戦失敗していたのが、納得いかなかった
感想戦で深浦は桂が死ぬ以前なら攻めが続いた手があったことを指摘していた
深浦「悪くなってから考えてしまった」
そして、終盤でも粘りを欠いた手を指していた、との自己分析だった

深浦の信条は「ミスが少ない」という木村の紹介だったが、本局ではミスが出て、残念だった
一方の光瑠の角換わりでのこの強さは、第2回電王戦での習甦との戦いを思い出させた あれも相手の桂跳ねをとがめた戦いだった あれは完璧だったもんね

戦型がありがちな角換わり相腰掛け銀だったこと、深浦が桂を取られてそのまま不利になったこと、この2つで、先週に続き今回もあんまり私は楽しめなかった 
今の男子プロの2大作戦、それは角換わり相腰掛け銀と、横歩取り△3三角の△8四飛型だね
この2つは最近の私の鬼門になっている  まあ、流行でみんなが研究してるから仕方ないのか・・・