久保利明 九段 vs 藤森哲也 四段 NHK杯 2回戦
解説 鈴木大介 八段

順位戦のB1以上で唯一の純粋振り飛車党、久保の登場

久保は1993年四段、竜王戦1組、A級 20回目の本戦出場
藤森は2001年四段、竜王戦5組、C2 1回戦で甲斐女流に勝ち 初出場

解説の鈴木大介「久保は振り飛車党の第一人者として、ずっとトップを走ってますし、最近では関西のほうで菅井と研究パートナーを組んでから、けっこう独創的な指し回しをすることが多いですね 連勝連敗のイメージがある
藤森はすごい攻め将棋、1回攻めだしたら止まらないです 穴熊が得意なんです 1回戦の甲斐を相手にも穴熊で戦っていました」

事前のインタビュー
久保「今期の初戦なんですけど、ここ2年ほど初戦を勝てていないので、張り切ってがんばっていきたいと思います」

藤森「久保先生はとてもさばきがうまい先生だと思います 
今回トップの方と戦えるということでとてもうれしいですし、今の自分の実力がどれくらい通用するかがとても楽しみですね 
自分らしい勢いのある将棋を見せて、いいところを見せたいですね」

先手久保で、やはり対抗形になった ▲ノーマル四間飛車+美濃vs△居飛車の天守閣美濃
1筋の位を藤森が取ったのを見て、鈴木「後手の藤森の駒組みが間に合うかどうか」と言っていたら、久保が積極的に仕掛けを敢行した

雑談で、鈴木「NHK杯は、出場して負けると、『先生、このあいだ負けてましたね』と3年ぐらい前でも言われますからね(笑) 」
注目度が高いっていうのはNHK杯の一番の長所だからね

さて、藤森の天守閣美濃の3段目の玉に対して、久保が猛攻を仕掛けるという展開になった
藤森が△2五玉と5段目まで玉を出てきたのには私はびっくり仰天だ
鈴木「これは強気ですね、大丈夫でしょうか」
私は、こんなに玉1枚だけ上に来たら、ロクなことはないで・・・・と思っていたのだが、ここから藤森が予想外の粘りを見せた

局面進み、まだ久保が決定的な有利になる順を発見できないでいるようだ
鈴木「先ほどは6対4ぐらいで久保側持ちだったのですけど、今は五分に戻ってますね、藤森が差を詰めてひっくり返ってるかもしれない」
ええー、そうなんかー ひっくり返ってるかもってか うーん、難しくてよくわかんないな
何しろ、藤森の玉は中段で常に不安定で、その玉自身が後手の攻め駒の拠点になっているという・・・

藤森はその後も勝負手と言われる手を放ってがんばっている やはり一筋縄ではいかない実力を持っているな
鈴木に「これはうまく藤森が踏みとどまったんじゃないですかね」と言わせている

藤森が香を久保陣に直接打ち込んだ手に、鈴木「これは圧倒的に後手が勝ちやすくないですか」
しかし、その直後だった その香打ち込みに対する久保の受けに、大介「これはいい手ですね」とほめた
もうどうなってんのか、わからないわ(笑)  視聴者も混乱だろう

さらにそこで藤森に筋違い角を中段に打つという、混迷を深める手が出て、
鈴木「これはすごい手ですね、泥まみれ、泥んこの一手ですね」
しかし久保は冷静に対応、鈴木「藤森がいいと思ったのは一秒でしたかね、久保の切り返しがうまくて形勢が入れ替わった」
もう、どうなってんねーん(笑)  秒読みでの玉頭戦、形勢が揺れ動き、ついていけないで(笑)

久保の対応がうまくて、久保が優勢になったようだ 
ただし藤森もまだ踏ん張り、手つきがしなる指し方でバチッ!と自信ありげに指して来るので、怖いな
鈴木「これはやっぱり、お互いに精神力を試されているというか」

久保も玉が裸になり、怖いところだったのだが、A級を張っている精神力の強さを見せつけ、久保は受けきった
99手で久保の勝ち

鈴木「序盤の作戦は、さすが久保で経験を活かしてうまく指していたと思うんですけど、藤森の『守勢にたってから強気を貫き通す』というのが出て、終盤が大熱戦でした
どちらが勝つか本当にわからなかったんですけど、久保の玉さばきがうまくて勝ち切った
でも両者とも受けが力強かった」

感想戦で、藤森「こっちがどれくらい危ないかわかんないですよね、王様で攻めたことないから」
対局者ですら、こういう発言をするのだから、視聴者が形勢がわからなくてもしょうがないなあ
鈴木「序盤で玉をこんなに出てくる人は見たことないんで(笑) 」

まあ~、今回はとにかく難しかったな、形勢判断をどうするのか、難解だった・・・
対抗形なのに、玉側での縦の玉頭戦で、大局観が問われたなあ、こういう将棋もあるんだねえ
天守閣美濃という囲い自体が減っているから、めずらしい攻防だった
一句詠んでみた 「玉頭戦 指すたび形勢 揺れ動き」

来週は屋敷vs藤井、また藤井の振り飛車が見れそうだが、1回戦で高橋に勝ったときのようなわかりやすい内容を期待している(^^;