畠山鎮 七段 vs 広瀬章人 八段 NHK杯 2回戦
解説 豊川孝弘 七段

ハタチンと広瀬、戦型は広瀬次第だな

ハタチンは1989年四段、竜王戦2組、B1 1回戦で杉本に勝ち 18回目の本戦出場
広瀬は2005年四段、竜王戦2組、A級 8回目の本戦出場

解説の豊川「ハタチンは一本気な男で、居飛車の正攻法 非常に攻めっけが強い
広瀬は以前は振り穴王子なんて呼ばれてましたけども、最近は何でも指しこなしてますよね 静かに攻めていくイメージ」

事前のインタビュー
ハタチン「広瀬八段は20代でこれからの将棋界を支えて立つ人っていうのは有名なんですけど、対戦は過去長い持ち時間でたしか2局指したと思うんですけど、短い持ち時間では初めてです
若手のトップ棋士なんですけど、しっかりついていっていい将棋を指して、意地が見せれればと思っています」

広瀬「畠山七段は関西を代表する正統派居飛車党というイメージですね 
東西分かれているのでちょっと接点がないんですけど、私の印象としては後輩の面倒見のいい方(かた)かなあと思っています 
私自身の初戦、一局でも多く指せるようにがんばりたいと思います」

先手ハタチンで、ガッチリとした相矢倉となった
豊川「広瀬がハタチンの得意戦法を受けて立ちましたね、ハタチンは加藤流▲3七銀」
2人の対戦成績が出て、1勝1敗だそうだ

清水「広瀬は『昔は攻め8分だったんですが、攻めだけでとても勝てる世界じゃないと自分の甘さを思い知り、今は攻め6分になってます』、とおっしゃってました」

細かい駒組みのところで、豊川の形勢判断が微妙に揺れ動いた
後手持ち→先手持ち→後手持ちといった具合だ
広瀬は守りの左銀を5段目まで進出させて、この銀がどうなるかがこの将棋の鍵となった

豊川「ハタチンとしては1歩欲しい」と言っていたところ、広瀬のほうから、広瀬の玉側の端歩を突いて打開してきた!!
すかさず豊川「いい手です、広瀬がポイントを稼いだ」 

結果、2歩損だけ残って、局面が収まってしまったかに見えたハタチン側だったが、どうにか勝負手を出して攻めていく
しかし広瀬、渾身の桂のカラ成り捨て! これは魅せたな~ この桂の成り捨てが、結局、後から効いてきたのだ

ハタチン、まだあきらめずに、がんばって攻めていく
豊川「部分的にはハタチンの攻めが決まった感じですけど、広瀬玉は上部が厚いですから」
ハタチンの攻め駒は足りるかどうか、ギリギリだな・・・ 私はハタチンの攻めばっかり考えていると、広瀬のほうも攻めてきた
それが7筋の歩の突き出しで、めっちゃ厳しい~! 相手せざるを得ない手で、これで事実上、勝負あった

ハタチンは最後まで勝負手を出したのだが、ことごとく広瀬に確実にかわされた
122手、広瀬の競り合い勝ちとなった

豊川「相矢倉ですごい将棋でしたね、お互い持ち味を発揮して、指運っていうかね、最後はどちらが勝ってもおかしくないっていう、それぐらい激しい将棋でしたね」
と豊川は総評をまとめたが、感想戦ではこう言っていた
豊川「畠山さんが全然ダメかと思ったら、すごい追い込みで」
どっちやねん~ ダメそうなところを、かなりがんばってみたものの、やはり広瀬の的確な応手のせいで及ばなかった、という一局だったのだろう

私は広瀬が勝つべくして勝ったと思った やはり広瀬の玉頭が開拓されていて、広かったもんなあ
ハタチンの勝負手の連発は、見ごたえがあった、意地は見せたと思う
だけど広瀬は強かったね 指運じゃなくて広瀬の実力勝ちだと思った内容だった

まあ~、それにしても相矢倉の指し手の細かい分岐の多さには、もう私は完全降伏だわ なんと中盤の難しいことか・・・
豊川をもってしてもあまり手が当たっていなかった 分岐の多さに魅力を感じる人が選ぶ戦型なんだろうね