介護士からプロ棋士へ 大器じゃないけど晩成しました
今泉健司著 講談社 1400円+税  2015年3月初版
評価 A 
コンセプト<今泉さんの奨励会時代を中心とした、プロになるまでの半生>

先月の10月27日、私は一冊の本を読み返していました
天野貴元さんの「オール・イン」です
まさか、その日が天野さんの命日となってしまったとは、なんという偶然か・・・
天野さんのご冥福をお祈りいたします

その「オール・イン」の中の奨励会の話があまりに興味深かったので、もっと奨励会について書かれた本はないか、と思いました
それで買ったのがこの今泉さんの本です

今泉さんは紆余曲折あって、やっとプロになれたわけですが、本文の中でもやはり奨励会の話、中でも三段リーグの話が1番面白いです
もう、読んでいてハラハラドキドキ、たまらない!
三段リーグについて書かれた第三章の「地獄のリーグ」を読み始めるとき、思わずドラゴンボールのベジータの言葉で「これからが本当の地獄だ・・・!」とつぶやいて読んだのは、私だけではないでしょう
結果がわかっているのにこれだけ読ませるとは、三段リーグおそるべし・・・!

今泉さんの半生、本当に面白かったです これがノンフィクション、これが実話なんだから、その面白さは、そのへんの作り物の話とは一線を画してます
ネット将棋で修行するシーンも大好きです  今泉さん、プロになれてよかったね!

ただ、この本、疑問点もあるのです それはサブタイトルです
「大器じゃないけど、晩成しました」とあります
「晩成」を辞書で調べると、「年を取ってから成功すること」とあります
もう成功者になっちゃった? まだプロに入りたてなのに?
プロとしての実績がまだほぼない状態で「人生の成功者です」と言うのは、どう考えてもおかしいのでは?
例えばこれが野球だったらどうでしょうか? プロ野球に入団した時点で「成功しました」なんて言っちゃう新人が居たら、野球ファンからバッシングを受けると思うんですけど、そこのところはどう考えてこんなサブタイトルをつけちゃったのか・・・
このサブタイトルが私には引っかかり、読む時期が今になってしまった原因です 

でも、中身の文章はすごくうまいし、よくこんな昔のことまで覚えてるな~、と感心させられました
濃い内容を読ませてもらいました、とにかく面白かった、感動しました! 

ただ、奨励会については、「オール・イン」に続き、またしても考えさせられました 
今更だけど、この奨励会を勝ち抜かないとプロになれないんだなーと思い知らされます
私にはプロを目指すような才能がなくて良かったな、思いますね