豊島将之 七段 vs 三浦弘行 九段 NHK杯 2回戦
解説 深浦康市 九段

先週からNHK杯の公式ホームページを見ていた人は、みんな思っただろうけど・・・
変わってしまった・・・ あの豊島が変わってしまった・・・
何、このビョーンとした前髪は! 前髪に鳥が巣でも作ったのか? オールバックの逆、オールフロントと呼べる髪型
誰だよ、豊島にこんな髪型にしろって言ったのは、出てこい(笑)

豊島は2007年四段、竜王戦1組、B1 1回戦で塚田に勝ち 7回目の本戦出場 25歳
三浦は1992年四段、竜王戦1組、B1 シードで2回戦からの登場 20回目の本戦出場 41歳

解説の深浦「豊島は相変わらず強いですね じっくり時間を作って研究していると聞いていますし、本番にも力強く戦えますし、今を代表する若手の一人ですね 豊島は最近、大胆で思い切りがいいので感心している
三浦は私と年齢もそんなに変わらないです 昔から研究家で、もう盤の隅々まで研究している感じですね
研究家どうしで序盤の駆け引きも見逃せない、好取組です」

事前のインタビュー
豊島「三浦九段には、昔、将棋を教えていただいて、今はあまりvsなどはしていないんですけれど、終盤が強くて、あとは序盤の研究をとてもされている印象があります
早指しなのでしっかり集中して思い切りよく指したいと思います」

三浦「豊島七段は序盤から終盤まで本当に強いんですけど、特に中盤が手厚いなと思っています
去年も豊島さんと当たって負けたんですけど、豊島さんにはNHK杯だけでなく痛い目にあってますんで、今年はがんばりたいなと思っています」

先手豊島で、開始から両者ノータイム指しが止まらない ホントにめちゃくちゃ早く、これは編集しているのか?と思ったほどだ
(編集はしていない、とあとで明らかになった) 22手目まで、両者ノータイム指しだった

横歩取りとなっている 三浦が早々に△2四飛と飛車をぶつける手順で、最近よく見る手だ
しかし、深浦「実戦例の少ない、おそらく三浦の研究手」
飛車をぶつける手自体はよくあるのだが、同一局面は少ないとの深浦の解説だった

2人の対戦成績が出て、豊島9勝、三浦2勝とのこと  私には2年半前に銀河戦で当たっていた一局が印象深い(豊島勝ち)

ここで、豊島の変貌(へんぼう)ぶりについて、雑談があった
清水「眼鏡を変えたら髪型も変えたくなったそうです、イメージが違いますね」
深浦「おしゃれな・・・」
おーい、おしゃれか? 前の真面目そうな髪型が似合っていたと思うんだけど・・・ 一気に10歳ぐらい年を取ったように見えるぞ
誰か、元に戻せと言ってやってくれ~(笑)

さて、局面、飛車角の総交換になっている 豊島が飛車を自陣に打っていて、2歩得だ
まだまだこれから、と思っていると、豊島がスッと飛車を浮いて、中段で活用を目指した
これがいい構想だったようだ

三浦は2歩損しているため、単純な飛車の縦のラインの攻めに対して受けに苦慮した そして攻め合いを目指すことになった
三浦は角を捨てて、一気に豊島陣に襲い掛かった もう引き返せない、終盤の寄せ合いだ

豊島がどう攻めるかと考えていた深浦「▲6四歩、これは急所なんですよね」と言っていたところ、
清水「あ、本譜も6四から」
それは三浦玉のコビンを攻める、厳しい一手だった
深浦「局面のイメージとしては豊島がいい」

そこから、豊島に大駒3枚で単純な3連続王手で迫られた三浦、なんと、・・・投了! 即詰みであった
深浦「こんなすごいことがありますか これ詰んじゃうとか、いやー」
うわー、これは▲6四歩の後からはアマチュアみたいな攻めで負かされたな
手数69手、番組開始から56分のスピード決着となった
豊島は2回、三浦は4回、考慮時間を余していた

深浦「目まぐるしかったですが、三浦が用意してきた作戦をかいくぐって、しっかり応対して自分のペースに持っていきましたね
感心したのは、自陣飛車を打ったあと、飛車を浮いて強く戦い切ったのが勝因と言えるでしょうね
寄せに入ったときの▲6四歩、これが妙手でしたね、こんなに厳しいとは思わなかった」

25分以上あった感想戦、三浦は開口一番、三浦「かなり時間を余らせてすいませんでした」
はは、もうしょうがないね 三浦は感想戦で、視聴者にできるだけ分かりやすく説明してあげようと気を使っていたのがよく伝わってきた 「こうすればまだしも後手もやれたのでは」という順を三浦は次々に指摘していた
感想戦では三浦が活躍し、そんなに力の差はないのかな、というところを見せていた

しかし本譜だけ見れば、豊島は三浦の序盤研究を受け止め、中盤では飛車の使い方でうまさを見せ、終盤では▲6四歩から一気の寄せを決め、完璧ではなかったか さすが、スキがないねえ
今、豊島は順位戦B1で5戦全敗しているが、今年度の成績はどうなっているのかと調べたら、 38戦 22勝 16敗 0.5789 とのこと
(連盟HPの、棋戦情報→記録のページ→ 今年度成績一覧)
別にそんなに悪くない、B1での連敗はたまたまなのだろう

明らかに、豊島が三浦の上を行ったという一局だった  終局が早すぎ、物足りなかったが、こういうこともあるね
(追記・豊島の髪型の変貌を私の母と妹に見せたら、びっくりして、「この髪型は漫才師の、横山やすし」と言ってました(笑) )