瀬川晶司はなぜプロ棋士になれたのか
古田 靖著 河出書房新社 1500円+税 2006年3月初版
評価 S コンセプト<瀬川さんのプロ編入問題の裏事情のドキュメント>

また古い本の話題です(^^;
私は先日「泣き虫しょったんの奇跡」を遅まきながら読んで、この「瀬川晶司はなぜプロ棋士になれたのか」も読んでおこうと思いました
著者の古田さんは、時事問題を幅広く執筆されているそうです
この本、よく取材されてあるなー、どこでこんなに情報を得たのだろうかと感心させられます
関係者たちの間で、瀬川さんの編入を応援する側vs反対する側という、白熱バトルになっていく様は、実に面白いです! 
「プロジェクトS」と名付けられた瀬川さん編入の一件ですけど、本家の「プロジェクトX」も後ずさる面白さとなっています


さて、今回私が取り上げたのは、ほかでもない、今年4月に白紙撤回になった、あのタッグマッチ問題について、瀬川さん編入問題との共通項を見つけたからです
なぜ、タッグマッチの巨大棋戦化にプロ棋士たちは飛びついてしまったのか?
その一つの答えが、この本には書かれてあると思いました
以下、本文から抜き出します

「連盟がこのまま赤字を垂れ流せば、近い将来、経営が行き詰まることは明らかだった。年間の赤字は平成16年で1億3000万円。余剰金は3億円余りしかない。つまり、3年後には、棋士や職員の退職功労金や会館維持の特別会計を取り崩さなければ運営できなくなる。その未来を変えるために理事たちは奮闘しているのに、周囲からは全く理解されていなかった。
『(米長)会長が暴走している』 『一過性の話題作りはよくない』 『興行的だ』」


そんな批判に対し、当時の森下新理事はこう言い返します
「『今の連盟にはお金がないんです。話題性を高めるようなことをして何がいけないんですか。プロ試験は連盟のためにやるんですよ。紀伊國屋さんを使わせてもらうのは、費用の問題もあるんです。連盟が赤字にならないイベントにするにはこれしかないんですよ』」

・・・これ、そのままタッグマッチに当てはめることができませんか?
去年までの連盟の本音「今の連盟にはお金がないんです。話題性を高めるようなことをして何がいけないんですか。タッグマッチは連盟のためにやるんですよ。ドワンゴさんを使わせてもらうのは、費用の問題もあるんです。連盟が赤字にならないイベントにするにはこれしかないんですよ」

あまりにもピッタリくるんで、私は笑えてしまいました・・・
タッグマッチの巨大棋戦化をやろうとしたのは、結局、こういう事情でしょう? 
でも、どういう事情があろうと、プロ棋士が、ソフト指しでお金を稼ごうなんて、ダメですからね?
つい先日も、週刊将棋の休刊が発表になったばかり、谷川会長らは大変でしょうが、がんばってほしいです
タニー、理事の方々、そしてプロ棋士たち、しっかりね!!