里見香奈女流名人・女流王位 vs 香川愛生女流王将  
女流王将戦3番勝負第1局
対局日:2015年10月3日
解説:小林裕士七段
聞き手:室田伊緒女流二段

宮崎県の、霧島酒造が所有する建物の中で行われたタイトル戦
解説者の小林裕士は、デカい小林ということでデカコバと呼ばせてもらおう
私しか使っていないニックネームだと思うが・・・ (追記・検索したら、私以外でも使っている人がいました(笑) )

前夜祭での対局者2人の言葉(要約)
里見「昨年は休場して、ご心配をおかけしました 温かく迎えていただいて、幸せに思っています」
香川「2年間、この棋戦を通じて育てていただいた」

さて、当日 デカコバ「対局場が素晴らしい」
2人は振袖姿で登場だ
デカコバ「里見は相手が振り飛車の時は居飛車を指す場合が多いですけど、相振りも多いですね
香川は基本的には振り飛車党で攻め将棋、中盤くらいから力を発揮して終盤でもう一伸びする
今日は相振りになる気がする」

2人の対戦成績は2-2とのこと

振り駒で先手里見で、里見は居飛車だった そして4手目に異変はおきた
香川、意表の△7四歩! 袖飛車作戦だ これにはデカコバもびっくり
デカコバ「これは驚きましたね」
澤田とか井上がやることで知られる作戦だが、香川はこの作戦を使いこなせるのか

そして、香川の袖飛車で、当然ながら力戦になった
デカコバ「始めはどうなるかと思いましたけど、じっくりになりそう」
しかし、そんなにじっくりにもならなかった 積極的に里見が動いていった

デカコバ「現段階では里見側を持ちたい」と言っていたところ、里見の作戦勝ちを決定づける手が出た
里見が▲7三歩と、香川の飛車の頭に叩いたところ、香川は飛車を8筋によろけた
こ、これはツライ・・・ これでもう香川の飛車が攻めに参加するのは絶望的になってしまった
飛車、完全に隠居だもんなあ

里見の攻めがハッキリ決まる寸前、という状態が続き、
デカコバ「いやー、(里見の攻めが)厳しい」という解説になっている
里見の手は自然でいい、香川は工夫しないといけないという図式になってしまっている

香川、なんとか見せ場を作れ、と思っていると、香川、がんばったようだ
デカコバ「いやこれはねー、香川が実力を見せましたよ、大混戦になってきましたね」
な、何~、これでいい勝負ってことがあるのかなー

よく盤面を見ると、香川は駒が前線に一つも来ていない、頼みの綱は持ち駒の歩と角だけ
これじゃあ、ツライよなあ そんな中、香川が勝負手を逃したのでは、とデカコバの解説

▲里見は持ち駒に歩8枚vs△香川は歩切れ
これは大差・・・ 数えると、もう、全く里見の無条件の5歩得になっている
里見のやりたい放題となってきた
デカコバ「これはカライ手ですねー、里見が優勢になりましたね」

2筋が単純に破られることが確定し、香川はボロボロになることが決まって、香川は潔く投げた 
中押しで83手、里見の快勝だった 投了図では、圧勝と言える

デカコバ「投了図では、香川陣は手のほどこしようがない
香川は終始駒組みに苦労していた、そして香川が勝負手を逃したと思う」

終局後、香川「用意した作戦で挑んだんですけど、序盤早々から構想がまずかったので差が開いてしまった」
里見「自分の力は出し切れたかなと思います」

この一局、4手目△7四歩からの袖飛車という奇襲作戦に振り回されたのは、終始香川のほうだった
この作戦のせいで負けたといっていい内容だった・・・ 袖飛車を指しこなせていなかった
香川さん、ふつうにやってれば、と思わずにはいられなかった
せっかくの袖飛車が、▲7三歩と叩かれて飛車を8筋に避けて、もう2度と飛車を使えなかったというのは、寂しい限りだ

もう、一生、香川さんはこの作戦をやらないのでは、と思えるような、大敗となってしまった
まあ、人間だからこういうこともあるね 
里見さんは安定していたと思う 里見側には選択権があって手が広かったけど、間違うことがなかった

奇をてらった作戦は成功したときはカッコいいけど、負けるときはボロボロになる危険がある、そう思った第1局だった