佐藤康光 九段 vs 宮田敦史 六段 NHK杯 2回戦
解説 松尾歩 八段

人気棋士の康光登場、どんな作戦を見せるのか

康光は1987年四段、竜王戦1組、A級 1回戦はシード 27回目の本戦出場
宮田は2004年四段、竜王戦5組、C1 1回戦で丸山に勝ち 5回目の本戦出場

解説の松尾「康光は、めずらしい将棋というか、いろんな将棋を指される 終盤の切り合いを好む 激しい将棋を指す印象
宮田は弟弟子、宮田も終盤型で、けっこう似たところがあるかな」

事前のインタビュー
康光「宮田さんは居飛車党のオーソドックスな棋風だと思うんですけど、詰将棋を解くスピードがホントに速くて実績もかなりあげられてますよね 4月から9月まで将棋フォーカスの講師を務めさせていただきまして、みなさんと詰みの勉強を一緒にしてきました その勉強を活かして今日はがんばりたいと思います」

宮田「佐藤九段は独創的な将棋という印象です、自分の力を出し切りたいです」

先手康光で、角交換のダイレクト向かい飛車になった 宮田は居飛車で対応
▲本美濃vs△矢倉の途中という対抗形だ

松尾「先手でこのダイレクト向かい飛車をする人は少ない、手詰まりになりやすいので」
しかし本局では、宮田が筋違い角を打って、打開してきた

中盤戦で、康光、宮田ともに、凝った手順で対抗している
松尾「また気づきにくい手が出ましたね」
この中盤、松尾の予想が度々はずれることになる

雑談で、松尾「宮田は起きてる時間は、ご飯のときも将棋のことを考えながら食べている、そういう雰囲気があった」

松尾「複雑な手順ですねー」という手が両者に続いている
松尾「なんだかんだで、いいとろに落ち着いた感じがしますね」

解説で松尾の形勢判断が、揺れ動くことになった
松尾「康光は美濃が堅いですもんね」
松尾「宮田が少し駒得、康光の攻めが細い気がします、宮田持ちですね」

康光が、ちょっと苦しいんかなー、というところで、勝負手を出してきた
松尾に「この手を見ると、また印象が変わった」と言わしめた一手だった
自陣の飛車を4手もかけて、世に出す構想! 

そして、見事に世に出た康光の飛車
松尾「宮田の攻めが足りてない、宮田は大駒の働きが悪い」
ただ、形勢は難しいようだ
松尾「際どいですね」

もう終盤たけなわだが、康光は美濃囲いの端をしつこく攻められて、なんかピンチに見える
松尾「ちょっと宮田がいいような、判断が2転3転してますけど・・・ 康光としては何かひねり出さないといけないかも」

まさにそのときだった、康光の端の逆襲が出た! 何かアクシデントが起こるとすれば、確かにそこだ
そしてそれは起こった 康光、角のタダ打ち捨て! バシッと打ち付けた康光の手は、しなっていた
宮田は普通に取って、ノーマルな対応に思われたのだが、なんとなんと、即詰みにハマっていた・・・
宮田、トン死! もう角のタダ捨てを食らったときには時すでに遅しだったのかもしれない
しかし、かなりあっけないトン死という結末 
詰将棋だと、角を取った後はアマ級位者向けの問題ぐらいのレベルなのに・・・(笑)
香車を使った簡単な詰みだった 95手で康光の勝ち

松尾「最後、何かなかったかな 際どかったと思います ギリギリで面白かった」

感想戦では宮田が正しく指していれば康光がちょっと苦しい中盤だったのでは、ということだった
それにしても、宮田をしてあんなトン死を食らう投了図ってことがあるんだね
宮田は詰将棋選手権で6度も優勝したこともあるから、100手詰みでも読めるはずなのになあ(^^;

康光は、やはり危なっかしいと思った 
もちろん、振り飛車を指してくれることはとてもうれしいんだけど、どうも振り飛車のせいで中盤で不利になっているんじゃないか、と思える
 
康光の飛車を4手かけて世に出した構想は見事、そして端からの逆襲の勝負手、宮田のトン死、人間どうしらしい将棋だった