藤井猛 九段vs北浜健介 八段 NHK杯 3回戦
解説 行方尚史 八段

人気者の藤井と、2回戦で羽生に勝った北浜の一戦  
「ああ、北浜でなく羽生だったら」というのはNGワードなのだろう(笑)

藤井は1991年四段、竜王戦1組、B2 1回戦で高橋、2回戦で屋敷に勝ち 21回目の本戦出場
北浜は1994年四段、竜王戦2組、B2 1回戦で村田顕弘、2回戦で羽生に勝ち 15回目の本戦出場

解説の行方「藤井は数々の新戦法を開拓されて、現代の将棋界で一番大きな影響を与えていると思います
北浜はプロになって長らく居飛車党だったんですけど、ここ2年ほどで振り飛車党に転向されて、それが非常に好結果に結びついている 
戦型の予想が読みづらい、全くわかりません」

先手藤井で、注目の戦型は角交換四間飛車だった 北浜は普通に居飛車で対応した
行方「角交換することで、こう着状態になりやすいので、先手番で角交換振り飛車を使う人はめずらしい」

2人の対戦成績が出て、藤井10勝、北浜2勝だった 
しかし北浜の2勝はNHK杯でとのことで、不気味なデータだ

力戦模様になり、手探りが続く いつ戦いが始まるのか・・・
▲高美濃vs△金銀2枚の銀冠で、持久戦になっている
北浜が自陣角を放ち、藤井がどう対処するかという、長い序盤だ
行方「神経戦になりました」

北浜が仕掛けたときには、番組開始から46分が経っていた
その直後に藤井が考慮時間をすべて使い切り、もう30秒将棋だ

行方「ひとまず北浜の仕掛けがうまくいっている印象」
そして、北浜に、じっと我慢の銀引きが出て、行方を非常に驚かせた
このあたり、北浜は策士と思わせた

盤上、北浜は銀を取ったが、藤井は取り返せないではないか! 藤井、モロに銀損!
行方「藤井はここで手がないです」
そして、こんな言葉が飛び出した
行方「もう藤井は、まな板の上のコイ」

あーあー、ダメだこりゃ、ソフトにかけたら1000点以上差がついてそう、もう後は手続きだろう・・・と思っていた、らば・・・
行方「だいぶ藤井が持ち直しているんじゃないですかね」
藤井は「合わせ角」の手筋を放ち、北浜の光っていた急所の馬を消すことにも成功した
さらに手が進むと、行方「おー、北浜の手が泳ぎましたね」
北浜もすでに秒読み、迷って手が駒台にいったん行ってから盤上の駒を動かした

ついになんと、行方「これはいきなり藤井が優勢になりましたね」
ええーー、あの銀損で手がなかったところからの逆転???
行方「北浜の表情は、何がおかしかったんだ、という感じ
恐ろしいですね、いきなり藤井の必勝形になってしまいました」

トドメに藤井の鮮やかな捨て駒が炸裂し、北浜陣は壊滅した
103手、藤井の見事な逆転勝ちとなった

終局直後、北浜「ひどすぎる」
この一言は笑えた(笑) 正直だね(^^;

行方「北浜の抑え込みが成功したかに見えたんですけど、藤井の角合わせからの粘りがさすがという感じで、振り飛車の急所を分かっているなという感じ、あれよあれよという間に逆転になりましたね」

6分ほどの感想戦が貴重で、北浜「角を合わされたときに、馬で取ってしまったのが変でしたかね」
北浜「この順を選ぶ人はいないですね」
北浜「おかしな手ばっかりで」
北浜「ありえない」
北浜「指してて自分で、あ然としました」
・・・大逆転負けした側の感想戦での発言は、実に面白い(^^;

この一局、藤井の粘り腰が見れた、楽しい一局だったと思う
まあでも、これでは2人ともコンピュータにはもう早指しでは勝てないだろう、とも思わせたが、もうしょうがない
感想戦で、すぐに2人で修正手順を示していたのはさすがと思えた
北浜が何手も連続で疑問手を指していたとのことだった
藤井の角合わせなどが光り、振り飛車ならではの逆転術のショーで、番組として面白かった
不利になってからの藤井の指し回しは見ごたえがあった
しかしベスト16にしては、逆転してはいけない将棋だったと思う、やはり北浜ではなく羽(以下NGワード)