豊島将之 七段 vs村山慈明 七段 NHK杯 準々決勝
解説 糸谷哲郎 八段

お、今年のNHK杯も、ベスト8まで来たか
顔ぶれをみると、今日の対戦と、行方vs千田、久保vs藤井、郷田vs広瀬
ふむふむ、私の注目は千田と藤井だなあ 
若手のコンピュータ大好き君の千田、そして大人気の藤井ね

今日も面白そうだ、B1の若手実力者同士
実にワクワクするなあ 対戦カードを見てドキドキできる・・・ 将棋マニアの特権だ

豊島は2007年四段、竜王戦1組、B1 1回戦で塚田、2回戦で三浦、3回戦で康光に勝ち 7回目の本戦出場
村山は2003年四段、竜王戦3組、B1 1回戦で八代、2回戦で菅井、3回戦で森内に勝ち 6回目の本戦出場

で、ここで、解説にカメラが行った瞬間、私は叫んでしまった
うおーー、何だ、この膨れアンパンは!! 
ちょっと、ちょっと、誰この人、糸谷? 膨れすぎやろ! い、糸谷~ 前竜王~
先日発表があった2015年獲得賞金・対局料ベスト10のランキングで2位だった糸谷、獲得した5500万円をお菓子代に使ってしまったのか? さぞいっぱい買えただろう・・・
いや、マジで、少しやせたほうがいいっす(^^; 将棋の棋士って、やせてる人が多いので、目立ってしまう
哲学の世界には、「太ったブタより、やせたソクラテス」っていう言葉もあるし! 哲学なんて私はそれしか知らんけど!

さて、糸谷「豊島は昔は研究家というイメージだったんですけども、最近は研究にも増して、力強い指し回し、序盤から意欲的に指してくる姿が目立ってますね
村山は理にかなった美しい将棋、居飛車党なんですけど、定跡形が多く研究にも裏打ちされて、美しい将棋を指される印象」

先手豊島で、角換わり相腰掛け銀になった 
2人の対局は過去2局あり、豊島の2勝とのこと 千日手が1回あり、全部角換わりになっていたとのことだった
例によって、この戦型特有の、「もう素人お断り」な序盤の駒組みの精密さだ
私はあっさりと理解することを投げ出した 
うーん、糸谷、前からこうだっけ・・・ 私のワイドTVの映り具合なのかな・・・
糸谷「矢倉が減り、先手が角換わりにすることが増えている」

豊島が、村山の駒組みの形を見て、ノータイムで開戦 
もう研究範囲では時間を使わない方針だということが、ハッキリわかる
対して、少し考えて、強く攻め合いに持って行った村山
ここで、糸谷から雑談があった
糸谷「最近ちょっと生活リズムがだいぶ離れてしまって、豊島さんは早寝早起きの真面目なタイプなんですけど、私はあんまり寝ないので、だいぶリズムが変わってきてしまってるんですけど」
ぐあ、深夜にラーメンとか食ってしまってるんじゃね(^^; あ、それは私か
うーん、寝ないから生活リズムが狂うのか、さすが糸谷レベルの悩みだと思った

清水からコンピュータについての質問があり、糸谷「豊島さんは使ってると思いますけどね、私はほとんど使ってないですかね」とのことだった

で、盤面、早々に大きく動いた
村山が、飛車をぶった切って、もう大技をかけてきたのだ
ここからだった、私の「で、形勢どっちがいいの病」が発病したのは・・・
清水「お互い、まだ考慮時間がありますが、激しく」
糸谷「もう終盤ですね~」
・・・糸谷が言ってくれないので、自力で形勢を判断するほかない
▲飛車金交換で駒得だが玉が薄い豊島vs△駒損で攻めが続くか不安だが玉が堅い村山という図式か、判断が難しいな~

実のところ、糸谷にも形勢がよく分かっていないようだ
清水の「村山の目があちこちに動く」という言葉どおり、ホントに大きい目がギョロギョロ(笑) カエルか、村山は・・・

そこで村山に面白い着想が出た、糸谷が「自陣に引き上げるだろう」と言っていた馬を、敵陣にスーッと滑り込ませたのだ
いい手かどうかはわからないが、さすが、盤面全体を見てる!
「盤全体を見るために、目を大きく動かせ」と言う意味の、「村山アイ」という言葉が流行るかもしれない

手が進むが、形勢、本当にわからなくなってきている
豊島が村山陣を削り、どれほどの効果なのか 結果として村山の持ち駒も増えてきていて、怖いところだ
そんな中、糸谷「村山は堅さがなくなったので、ちょっと苦しくしたと思ってるかもしれない」

がしかし、ここから村山が工夫した受けで魅せた 
玉が端に追いつめられるようでいて、相手の攻めを限定させた、うまい守り方で、手を稼いだか
おー、やるう~ 
そして、終盤のデッドヒートになった! 村山の王手に、豊島の合駒が手順に村山玉への詰めろになっている、村山はその合駒を取って攻めをつないでいく・・・ おお、どっちが勝っているのか、どれだけ読み筋なのか、際どい~ これぞトッププロ同士の終盤!

糸谷「私には豊島玉が寄っているように見えますね」
その言葉が聞こえたのか、豊島が王手ラッシュ、行った~
追う、追いかける豊島、詰むんか? 逃げる村山玉・・・ その最中、豊島が、9.5秒までかかって着手! あ~、これは、豊島が読み切れてない時間の使い方だ 豊島は王手をあきらめ、手を渡した
ということは? 今度は逆に村山が詰ませるかどうかだ
糸谷「たぶん詰むんですが、詰ませられるかどうかは、また別ですよ」
うお、面白い解説だ うん、それ、いい解説だ
盤上、村山は・・・ 角捨て一発、ドカーン! うわ、それで詰みか、鮮やかでした、最後、きれい!

112手、村山の辛勝となった こ、これは、なんというか、難解な終盤だった・・・・・

終局直後、村山「いやー、最後ちょっと負けかなと思ってたんですけど」
豊島「そうですね、詰ましに行かなければ・・・」

糸谷「豊島が手を作っていこうとしたんですけども、村山が堅い玉からカウンターを入れて、んー、以降も難しい将棋が続いたんですけども、やはり玉の堅さが最後に活きた展開になりましたかね、ちょっと村山玉のフトコロが広かったですね、端歩の分」

感想戦があったのだけど、本当に「激ムズ」(激しく難しい)というのがピッタリな表現だろう
豊島は、何か分かっていそう、ということが伝わってきた
それは村山の「最後ちょっと負けかなと思ってた」と同じ意見だったので、村山も感覚で終盤を分かっていたということになる 

常人には理解不能な終盤戦を見せつけて、トッププロ同士の将棋として充実していた 
こんな将棋が実際に指せたら、指しててさぞ面白いんだろうなー、と視聴者に思わせる、そんな一局だった 
30秒将棋でこれだけ指せるプロ、やっぱり強い、観てて充分に満足だ
「将棋というゲームの終盤の奥深さ、面白さ」を物語るにふさわしい一局だと思う
二人とも、Good Job!!