平藤眞吾 七段 vs 斎藤慎太郎 六段 NHK杯 1回戦
解説 畠山鎮 七段

平藤52歳と、斎藤22歳の対決 解説は斎藤の師匠のハタチン

平藤は1991年四段、竜王戦5組、C1 5回目の本戦出場
斎藤は2012年四段、竜王戦4組、B2 本戦初出場

ハタチン「平藤さんは50歳を過ぎたんですけど、非常に若々しい将棋で、毎年高勝率の若手を何人か倒すんですね
ですからひそかに若手の間で、若手キラーと呼ばれてますね
非常に攻め将棋で若手みたいな将棋を指す
斎藤は私の弟子、小学生の頃から指導対局に来て、4年生のときに手紙で弟子にしてくださいと来ましたね
非常に攻めも受けも、よく読んで丁寧に指します」

事前のインタビュー(要約)
平藤「斎藤はふところが深い、手強い新鋭との対局を楽しみたい」
ここ、平藤は「てづよい」と言っていた そんな読み方があるのかと思ったが、あるのだった

斎藤「初めての出場でとてもうれしい、のびのび前に出る将棋を指したい」

ハタチン「平藤の受けvs斎藤の攻め、になりそう」

先手平藤で、横歩取らずの相掛かり調になった
平藤は趣向で、両方の端に手をかけている
端以外は、先後を逆にした、ちょうど先日の電王戦のような出だしになった

平藤が9筋を2つ伸ばしたが、ハタチン「これはもう(理屈ではなく)カンでしょう」
雑談で、ハタチン「斎藤とは彼が奨励会時代に、700~800局指した
彼は詰将棋解答選手権で2年連続1位を取った」
へー、斎藤は詰将棋も得意なのか

平藤の▲中原囲いvs斎藤の△中住まいという形 
角交換した角を平藤がいい位置に打って、ちょっとリードしたように見える
斎藤が時間を使い、苦心の末に手持ちの角を手放して、なんとか耐えた
藤田「ちょっと斎藤が首をかしげましたね」
ハタチン「角打ちは、ひねり出した受けですね」

残り考慮時間、平藤▲8回vs斎藤△3回となっている
おお、平藤がけっこう追いつめているぞ・・・
オジサン平藤、このまま若手バリバリをいてこませるか?

互いに攻め合いとなった
そして、平藤が放った桂打ちで、平藤が銀得を果たした
しかし、駒の働きは、斎藤がいいように見える これはまだまだ難しいか
藤田「形勢はどうでしょうか」
おお、ナイスなところで質問してくれるね
ハタチン「1筋の端の突き合いは斎藤に有利になっています」
・・・なんだそれは、答えになっていないorz

難しい終盤となっている 
攻め合いなのだが、双方、桂をとにかく打ち合って、駒得を果たすのが目的になっているな
平藤が考え込むことが多くなっていった
残りの考慮時間、平藤▲2回vs斎藤△2回と、並んでしまった

ハタチン「斎藤のこのゆったりした手つきは、ちょっと優勢だと思っていますね」
んー、平藤の攻め、なんか単調になってしまったか
手がかりだった種駒を清算して、飛車で王手して、隅の香車を拾っているようでは、工夫がない

そして、斎藤の、桂で単純に「カナ駒に取り」をかけて攻める、という攻め方の前に、平藤は屈した
最後のほうの、斎藤の△5六香というのは、なかなか好手のようだった 
(もし先手が5筋の自陣に歩を受けたら、先手に5筋からの歩攻めがなくなる)
最後は差がついた 104手で斎藤の勝ち

終局直後、平藤「読みが甘かったな、桂馬を打って(形勢が自分側に)いいのかと思った」
中盤のあの桂打ち~銀得になった流れで、読みを打ち切ってしまったとのことだった
銀得でも、駒の働きが違うから、形勢は難しかったよね

ハタチン「平藤の趣向が面白くて、いけそうな局面もあったと思うんですけど、んーちょっと敗因はわからないですね
激しい難しい将棋でした、双方やりたいことが全部出ましたね」

斎藤は感想戦で「最初から失敗したと思っていた」と言っていた
あの端歩に惑わされたのか・・・
斎藤は勝ったけど、「わからない、難しい」を連発していた

本局、双方の攻めが桂馬を使ってとにかく相手の価値の高い駒と換えていくというのがメインで、単調だったように思えてしまった
先週の電王戦でPONANZAが一日目に見せたような、鮮やかな攻めではなかった・・・
あのPONANZAの攻めの切れ味たるや、カネが取れるね
昨日やっていた、山崎が電王戦第1局を振り返る検討番組を見ていて、改めてコンピュータの強さを実感した次第
もう人間が及ばなくても、しょうがないんだけどね・・・

私にとって電王戦は、今週はNHK杯に悪影響が出たと言える
やっていることが同じ「対局を見せる」ということなんで、どうしても比べてしまった
まあプロvsプロにまた意識が戻ることもあるだろう、ぜひそうであってくれ・・・