先崎学 九段 vs 藤倉勇樹 五段 NHK杯 1回戦
解説 中田宏樹 八段

私が待ちかねた先ちゃんの登場だ 
最近は斬られ役が定番になりつつあるが、どうなるか

先崎は1987年四段、竜王戦5組、B2 18回目の本戦出場
藤倉は2002年四段、竜王戦5組、フリークラス 意外なことに本戦初出場

解説の中田「先崎さんは定跡形にこだわらないで自分の感性を大切にする、観ていて面白い
藤倉さんは昔は振り飛車党だったんですけど、最近は居飛車と両方指す 粘り強い受け将棋」

事前のインタビュー
先崎「藤倉さんは粘り強い将棋で簡単には折れない感じがありますね
優勝目指してがんばるんですけど、私もベテランなんで少しいいところを見せたいと思います」

藤倉「(初出場ということで)時間がかかってしまいましたが、厳しい予選を勝ち抜くことができてうれしく思います
全力を出し切ることだけを考えてのぞみたいと思います」

インタビューに答える先ちゃん、すっかりシモブクレの大黒様みたいな顔になってしまった(^^;
大福もちでもほっぺたに入れているんだろうか

さて、先手先ちゃんで、相矢倉で双方が早囲い、脇システムみたいに進んでいる
地味なやりとりが続き、▲馬vs△歩得という様相
中田「形勢はバランスが取れている」
平凡な発想の応酬で、私は前半は心が動かされることがなかった

この一局、面白かったのは後半だった
先ちゃんが4筋の位を奪還したのが、いい目のつけどころで、私はこの一局で初めて「へー!」と感心した
中田「けっこう先崎ペースです、まだ簡単には藤倉も負けませんが」

ここから、先ちゃんの攻めの真骨頂が発揮された
桂を自陣にバチン!と打ち付けたのが、「自信あり」というところだろう
その後も次々に攻めをつないでいき、私が「大丈夫かな~?」と思ったところを、ことごとく正解を指し続けていった
その指し手や、素晴らしいもので、寄せの見本みたいな堂々たる指しっぷりだった
手が見えている、という表現がピッタリだ
猛然と攻めかかる先ちゃん 面白いように攻めがビシビシと決まっていく 
桂の活用、歩の突き出し、馬の突っ込み、歩の叩き、流れるような手順だ
それらを喰らって、ボコボコのサンドバッグと化す藤倉(^^;

気が付けば先ちゃんの自陣の矢倉は全く無傷、藤倉陣は壊滅し、先ちゃんの圧勝となった
119手で先ちゃん、ド完勝!

中田「先崎さんが好調に攻めて、そのまま押し切ったという感じですね
馬を作ったあたりでちょっと指しやすくなったと思うんですけど、そこから好調に攻め続けた」

感想戦で、先ちゃん「金銀交換になって、けっこうやれると思った バカに話がうまい、いい感じ」 

いやはや、この一局はとにかく先ちゃんの有利になってからの構想と寄せが見事だったなー
やることなすこと、すべてうまくいったという感じだ
一方の藤倉としては、粘ることができなかった・・・ 子供教室をやっているそうだが、いいところが出ず残念だろう
受けるほうは一手間違えたらダメになることが多いから、つらいね

将棋って、これだけ一方的になるゲームだったっけ?と思わせる、先ちゃんの完勝だった
あんまり差がついたので、先ちゃんファンの私としては、逆に素直に喜べないところがあった・・・(笑)
先ちゃんが「手の見え方」でまだ衰えてないところを示してくれた、それはとても良かったと思う