稲葉陽 八段 vs 高見泰地 五段 NHK杯 1回戦
解説 石田和雄 九段

稲葉と高見・・・ 特に興味をひかれないが、予期せず面白いということもあるから、どうなるか

稲葉は2008年四段、竜王戦1組、A級 4回目の本戦出場
高見は2011年四段、竜王戦4組、C2 2回目の本戦進出

解説の石田「稲葉はA級になって一番乗っている、指し手はしっかりしている
高見は昨日電話したら、『強い相手だけどそれだけにやりがいがある』と言ってました
どちらも居飛車党で似たようなタイプ」

事前のインタビュー(要約)
稲葉「NHK杯では勝ったなと思った局面から負けたことがあったので、今日は優勢になっても油断せずに、悪くなってもあきらめずにがんばりたいと思います」

高見「稲葉八段は崩れにくい棋風、粘り強く指したい
師匠が解説してくれるので、いいところを見せたい」

先手稲葉で、横歩取り△3三角から、一番流行している形となった
石田「この戦法はね、歩得している先手のほうが必ずや良くなるに違いないから、そのうちに後手がやらなくなると見てたんですよ
ところがところが、そんなに簡単なもんじゃないですね
流行は続いているということは、相当優秀ということですね」

横歩取りが後手がダメだとなると、居飛車党の後手は相当困りそうだ・・・(^^;

戦いが起きたが、石田師匠は、高見の「香損」にご不満のようだ
石田「香損ですが、高見君は攻め切れる自信があるんですかねえ? 大丈夫ですかねえ」

高見、そこに角を使うのでは、という妙な勝負手を放ち、うーん、これではいかにも苦しそう、と思っていたところ、続く香の使い方が巧妙だった
石田「意外な手・・・ なるほど・・・ これは良い手ですね・・・」
稲葉が「なんだこれは」という仕草を見せ、局面一気に混沌

石田「これはいい勝負ですよ、高見君、よく戦ってます」
やるなー、高見、食らいついてるね A級の稲葉を相手に、すごいことだ

ハラハラの終盤、お互いに相手の狙いを消す手を指すなど、難解だ
こんどは稲葉のほうが急がされてる展開
手がないかに見えた稲葉も、工夫した手を出して、攻めをつないできている
どっちがいいのか、これは熱戦だな、と思っていたところ、この一局の白眉の一手が高見に出た

働きのなかった自陣の金を捨てて、一手を稼ぐ、絶妙の受け! うおおー
石田「奇抜な手ですねー」
藤田「すごい受けですねー」

最後も、いかにも高見の玉は寄っていそうだったのだが、広さを活かして、逃げ切った
石田「これ高見玉、意外に詰まねえか、すごいね」

100手で高見の勝ちとなった 大熱戦だった 

石田「わけのわからないというかね、しかし最後に△1三金というすごい受けで、最後も詰まされたと思ったんですがね、詰まなかったですね
稲葉さんも自信があったとおもうんですけどね、足りなかったですね」

△1三金より、やはり捨て駒の△5二金だろう

高見、これは強い勝ち方! 受けに回ってしのいで勝ったのだから、なかなかできることではない
ましてや相手は格上のA級棋士・・・ もう若手の間では「格」なんて意味がないものなのか?
これは名勝負だった、互いに工夫した手の応酬、そしてレベルが高い、実に面白かったよ
私は事前にあまり何も期待してなかったもんだから、お得感があった(笑)
どっちが勝つか、最後までハラハラっていうのが、やはり将棋の醍醐味、それが味わえた

感想戦が、2人の言葉が聞き取りにくかったのがまあ、良くないところだった 
まだ番組は続いているんで、ハキハキとしゃべってくれると助かる
C2の高見がA級の稲葉から、良い内容で金星をあげた、見ごたえある一局だった