船江恒平 五段 vs 千田翔太 五段 NHK杯 2回戦
解説 山崎隆之 八段

注目の棋士、千田の登場  ソフトで研究の成果を見せてほしい

船江は2010年四段、竜王戦5組、C1 3回目の本戦出場
千田は2013年四段、竜王戦5組、C1 2回目の本戦出場

解説の山崎「船江は非常に明るくて人望がある  
居飛車党で要点をつかむのがうまく、攻め合いに持ち込むと鋭さを発揮する
千田は勉強の仕方が独特で序盤はいつも変えてくるので、何をやってくるのかわからない
なおかつ終盤が力強いので、やっかいな相手」

事前のインタビュー
船江「千田さんは序盤がとても独創的で終盤は大変正確な印象があります
自分のペースを守って自分の力を出し切れるようにがんばりたいと思います」

千田「3月から一番強い将棋ソフトの棋譜を参考にして学んでいます
レーティングにしておよそ50点ほど上がったのではないかと考えております
去年との比較でおよそ100点ほど上がっているのではないかと考えられます
悪手を指さないように心がけたいと思います」

聞いていた山崎「悪手を指さないように、というのは事実上の勝利宣言に近いですよね
強気のコメントでした」

千田は1年で100点上げたのか、もし10年上げ続ければ1000点UPで七冠制覇だな~

先手船江で、矢倉  後手千田は急戦調で戦いを起こそうという構え
山崎「千田は将棋漬けというか、データを取ってそれを分析するという毎日」

プロよりアマで好まれる、▲船江の矢倉vs△千田の急戦矢倉という図式になっている
山崎「船江は作戦としては予定どおり」
2筋の後手の角頭の折衝、船江の▲2四歩に千田は△1四金!というすごい恰好で受けることになった
山崎「ちょっとでも後手の千田はうっかりがあるとすぐにつぶれてしまうので、非常に怖い指し方、千田の指し方はマネしないほうがいい」

そして△1四金が狙われ、山崎「私の目には船江がペースを握って、それを守っていると見える」
▲2四歩の拠点が大きそうだもんね ふつう、こんな歩を打たせる人はいない

手が進み、船江に選択権がある場面が出た 
船江の手に山崎「これは吉と出るか、凶と出るか」
すると、せっかくのさっきの拠点の▲2四歩が、払われてしまった  ここらへん、船江に何かなかったかなー
歩を成り捨てるというのも有力そうだった
船江は攻守のリズムがおかしくなり、山崎「船江はおそらく予定変更、千田チャンス」

ここで千田にうまいと思った手が出た 船江の飛車の頭に歩を連打、飛車を悪い位置に持ってこさせた
やっぱ、こういう手が抜け目ないな~

千田は手つきがビシッとしなり、気合充分だ
千田、自陣に息をひそめていた飛車を走り、お~、決め手なのか?と私は思って観ていた
すると! そこからなんと受けに回ったではないか あれ~? 一転して変調? 
山崎が「これは船江がはっきり」と言って、形勢逆転と言っている
何、どうなった? 山崎によれば、千田の自陣飛車が受けに利いていたのに、走ったから受けに利かなくなったのを千田はうっかりしたのでは、ということだ

ええー 千田が負けるのか? 攻め込む船江 さあ、どうなる
と、突然、船江が投了!! 山崎「あ」
な、なに~? 船江が投了しちゃったじゃん なんでー 108手で千田の勝ち

おーい、山崎、「あ」じゃないよ、ちゃんと解説してくれないと・・・(^^;
山崎の口調ではまだまだ続きそうだったところで、終わりになってしまった

投了図以下、意外と千田玉に迫る手がない
そして船江陣はもう粘れないとのこと  そうかー、千田が1回受けに回ったことにより、千田陣が寄らなくなったのか

山崎「非常にスリリングな戦いで船江としては勝ちたいと思う気持ちがこもって、ペースを握ったかに見えたが、千田が危ないところで強さを見せた
逆転したかなと思たところはあったんですけど、踏みとどまった」

12分ほどの感想戦はなかなか充実していた でも、船江の何が悪かったかはわからないままだった
千田は終盤、「いいと思っていた」とのこと  
千田があの自陣の飛車を走ったところでも、千田がいいのだろうなあ
千田の大局観が正しかったというわけか
感想戦を聞くと、千田もそれほど踏み込んで研究していたわけではないとのことだった

後手の急戦矢倉は私は大好きな戦型なのだけど、今回は形勢をどう見るか、難しかった
なにしろ△1四金型だったからなあ こんな受け方、見たことないもんね

う~ん、山崎の最後のところの解説はダメだった  
これ、中終盤、他の棋士の形勢判断も聞いてみたかった 
形勢の優劣をどう見たらいいのか、とても難しい一局だったと感じた
全体として、千田が強かったのか、△1四金をとがめられない船江の力が足りなかったのか、わからなかった  

千田のソフトを使う研究の仕方だけど、実に面白いと思う
千田には新時代の旗手として、そして貴重なサンプルとして存在していてほしい