広瀬章人八段 vs 藤井 猛九段
対局日:2016年8月20日
解説:谷川浩司九段
聞き手:藤田 綾女流初段

第24期銀河戦、いよいよ決勝戦だ
タニーが例によってブランドスーツで登場、ゴールドのネクタイが高級感を出している
聞き手が藤田さん、NHK杯みたいだな

タニー「広瀬は王位1期獲得したことがあるが、棋戦優勝はない 終盤の切れ味に定評がある
昨年度は負け越したのだが、今年度は好調
藤井は予選から勝ち上がってきている、序盤巧者で様々な新しい構想をを生み出している
封印していた藤井システムを最近指している」

広瀬は今期ここまで12勝3敗、藤井は今期ここまで11勝5敗ということだ
先手広瀬で、▲居飛車穴熊vs△藤井システムから、角交換の力戦になった
藤井の玉形は木村美濃という形で、これは本美濃に劣らず堅そうだ

序盤の終わりに、この一局の肝というべき手が出た
藤井がまだ歩もぶつかっていないのに△8五桂と跳ねたのだ
タニー「思い切りましたね」
これに広瀬が異例の長考、なんと5回も考慮時間を使った
のちに感想戦でも問題になっていたところだった

広瀬は▲5六角という筋違い角で対応したのだが、これが実戦的に、広瀬自身にとって扱いにくい角だったようだ
藤井は相手陣に角を打ち込み、馬を作って様子をうかがっている

広瀬が動いてきたところを、藤井は先ほどの△8五桂を活かして端攻め、穴熊を確実に薄めていく
局面は進むが私には形勢がまだわからず、どうなってるんだと思いながらずっと見ていたのだが、
タニー「藤井としては間違えずに指せば勝てると思っているでしょうね」
と急に言われたので、おいおい、いつの間にそんなに差がついたんだ、と思うことになってしまった(^^;

広瀬はモロに両取りを食らう展開になってしまい、タニー「駒割りは藤井の角一枚の丸得」
そしてそこから藤井の寄せが鮮やかだった
きっちり見切って馬を切り、最後は13手詰みに斬って落とした  112手で藤井の勝利

タニー「藤井が緩急を織り交ぜて、リードを少しづつ広げた会心の一局」

おーい、どこから藤井がそんなに良くなっていたんだ(笑) タニー、対局中にもっと言ってほしかったな
局後に広瀬は「馬と角の差が大きかった」と言っていたから、もうずいぶん前から広瀬が勝ちにくかったのだろう

感想戦で藤井は一手だけ自分に軽い疑問手があったというところを言っていたが、それ以外はパーフェクトだったんじゃないかな
藤井は本局の展開について、本戦Eブロック 8回戦で斎藤と43手目まで全く同一局面を経験していたのが大きかった、と言っていた 

広瀬「穴熊にしたのが浅はかだった、完敗だった」
藤井「経験があるぶんだけ局面のコツがつかめていた、それがたまたま良かった」

タニー「46歳を目前にしての優勝は素晴らしいと思う、藤井システムを駆使しての優勝なのでこれでまた藤井ファンが増えると思うし、また藤井システムが大流行するのではないかなと思っています」

優勝インタビュー 
藤井「この年齢になって早指し棋戦で優勝できると思っていなかったものですから今はただうれしいという気持ちと、あとやっぱり振り飛車ファンは非常に多いのでファンのみなさんが喜んでくれているだろうと思ってそれを本当にうれしく思っています、これを機にもっと振り飛車でがんばりたいと思います」

藤井は、予選で佐藤紳哉、本戦で斎藤、畠山鎮、阿久津、糸谷、決勝トーナメントで船江、梶浦、横山、広瀬を破って9連勝で優勝ということになった
私は阿久津戦以降を観たけど、どれも実に安定していたなあ
阿久津戦以降だけど、藤井が不利になった局面はなかったと記憶している
準決勝の横山戦の中盤で少し紛れがあったくらいで、私が観た6局どれもが完勝という素晴らしい出来栄えだった

藤井は典型的な「先行逃げ切り」タイプだと思うが、その本領を見事に発揮していた印象だ
寄せに関しても、この銀河戦では「藤井なら大丈夫」という安心感が漂っていた 
「終盤のファンタジスタ」の汚名返上と言えるね、パチパチパチパチ

今期銀河戦、これで終了となった  みなさん、お疲れ様でした~