第15期 銀河戦
本戦Fブロック 3回戦
藤倉勇樹四段 vs 中村太地四段
対局日:2006年11月16日
解説:滝 誠一郎七段
聞き手:村田智穂女流初段

去年の再放送
中村太地は、この時点でまだ18歳の高校生ということだ
両者振り飛車党とのこと 戦型は相振り飛車になる
先手太地で向かい飛車で囲いは態度保留、後手藤倉は三間飛車で金無双
序盤、先手の作戦がどこが良かったのかは自分にはわからないが、
先手の作戦勝ち模様になる 後手は漫然と組みすぎたのかもしれない

後手から角交換をせまったが、ふつうに交換され、後手だけ角を手放す展開になった
その後、後手の角頭をねらう▲4六歩が太地の若さを感じさせる積極的な一手だった
これは自玉の玉頭でもあるので、かなり勇気のある手だ
後手は△4二飛~△2二角とかわしたが、ふわりと▲3四角と打った手が好手で、
後手は守りの金が離れてしまった 気がつけば後手陣はバラバラ、しかも8二銀が壁銀
先手は駒がのびのびした形だ
このあたり、藤倉は局後のインタビューで
「ひどい作戦負けで、将棋にならないかと思った」と言ったほどだった

このまま先手の大優勢のまま押し切りか、と思われた
が、しかし、後手の△8四歩が非常な好手で勝負手になった
これは後手玉を広げながら△8五歩の突き出しをねらった一石二鳥の手だ
さらに、先手が金取りに▲3四歩と打った瞬間のタイミングで
後手は△4七歩、と王手をかけた ここの勝負術は参考になる
▲4七同玉に△6九角のときの対応で、先手は▲3三歩成と金を取ってしまった
解説の滝によれば、ここはいったん▲5八玉と冷静に守る一手だったとのことだ
太地にしてみれば、金、飛車の取り合いで、攻め合って一手勝ちと読んだのだろうが、
△3三同桂を見落としていたのだろう 
これで後手の桂が攻めに参加して、一気にわからなくなった
太地の圧勝か、と思われたのに、一手の対応の間違いで今までの優勢がパーだ
将棋はこれだから面白い

最後は詰むや詰まざるやで、先手の王手ラッシュが続いた
解説の滝、両対局者、誰もどちらが勝ちか読みきっていない
が、後手の持ち駒に桂があったため、逆王手がかかる筋で、ギリギリ詰まなかった
自分はこの対局の結果はとっくに忘れてしまっていたため、最後は非常に楽しめた
終盤は早指しらしい面白い一戦だった

中村太地は、仕掛けの▲4六歩が好手、終盤の▲3三歩成が悪手だったわけだが、
どちらも若さが感じられる手で、その若さが善悪両方の結果と出た
これから面白い存在になるかもしれない